「ぐふふ‥ぐふふふふ」
「、恐い」
マルコの冷めたまなざしもサッチのツッコミも気にしなーい。気にならなーい。
え?何見てるかって?
かわいいかわいい男の子♪
今、前の港で新しく仲間に入った新入りが下であいさつしてるのだ。
海賊船だからゴツいムサい人相悪いの三拍子がそろった海の男ばかりだし、医者のほかにナースがいるけど、親父のナースもセクシー系が多いからさ。かわいい系は貴重なのよ。
し・か・も・男の子♪
きゃ〜♪こっちむいた!あ〜んかわいい!
「、ヨダレヨダレ!」
おおっと、いけね!
ついつい。
手の甲で垂れたヨダレを拭ってるとグサグサとつき刺さるような冷たいまなざしが。
なによー、その目は。
「べつにとって食おうとか思ってるわけじゃないわよ?」
かわいいからさ、ついよ、つい!
名前も知らない新入りくんに手を振るとアタシに気づいてニコッと笑い、手を振り返してくれた。
「うっわ!かわい〜い♪さいこー」
「騒ぎすぎだよい」
「には俺がいるだろ」
「うっさい、ソバカス!邪魔すんな」
ドーンとエースが床に沈んでるけど気にしてられない。
だってだってだって!
いつもいつも視界に入ってくるのはマルコとかエースとかジョズとかさ、右向いても左向いても筋肉ムキムキのムっサい男ばかりなのよ?
かわいいものをこよなく愛するサマとしては、そんなもんばかり見てたらカラカラに干からびちゃうわ。
前の港じゃ風邪+船番で降りられなかったしさ。
ん〜目の保養♪目の保養♪
「」
「あら、リアノ。その赤いリボン新作ね?」
「さすが、かわいいものには目ざといわね」
はいと渡されてマジマジと眺める。
赤とピンクが交互に織られて、縁は白。
んーかわいいなぁ。
でもこういうのって、リアノの趣味じゃない気がするんだけど。
「気に入った?」
「うん」
「ほしい?」
「いいの?」
「いいわよ。にあげようと思って買ってきたものだから」
「いや〜ん♪」
リアノお姉さま最高!
アンタは完全にキレイ系だけど特別に愛してあげるわ。
「、それどうする気だ?」
「決まってるでしょ!あの子にあげるのよ」
「「やめとけ」」
片手にマルコ、もう片方をサッチにがっしりつかまれ、止められる。
なんでよ!
「かわいい顔にかわいいリボンで完璧でしょ?」
メロメロ〜♪
これであのかわいこちゃんは明日からのアタシのオアシス!
「あ、エースなにすんの!」
マルコとサッチの手を逃れ、今度こそと思えばリボンはエースの手の中。
せっかくリアノがくれたかわいいリボンを!
「返せ!バカエース!」
背伸びすんな!手下げろ!届かないだろ!
入った当時からアタシよりでかかったけど、最近は更に無駄にでかくなりやがって。
早くしないと新入りくんがどっかいっちゃうだろうが!
足からよじ登ってやろうかとしがみつけば、視界を塞いだオレンジのテンガロンハット。
退けてみればシュルシュルとリボンで前髪を縛って、顔を真っ赤にして、何してんだコイツ。
「なぁ、かわいい?」
アイラブcute
「かわいくない!」
「Σガーン‥」
「…アホすぎて言葉もないよい」
カッコいいエースも好きですが、3枚目であってほしいとも思う複雑な乙女心(笑)
2010/04/28
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