目を覚ますと部屋は真っ暗だった。
結構な時間眠っていたみたいだ。
すぐ近くで規則正しい寝息が聞こえる+身動きがとれない
=どうやら抱き締められてるらしい。
俺はぬいぐるみじゃねぇんだから‥
と少々呆れたが相手が起きていないのでは文句も言えない。
しばらくすると目が慣れてきて、なんとなく藤代の顔がわかるようになった。
もっとよく見えるように枕もとのライトに手を伸ばすと、藤代が身動ぎをした。
「‥‥ん‥‥せ‥んぱい‥‥?」
「あっ、悪ぃ。起こしちまったか?」
藤代が眠そうに目を擦る。
そういえば、今の俺たちって‥‥‥///
「‥ん‥せんぱぁ〜いvvv」(←寝ぼけてる)
「うわっ!抱き締めんじゃねぇ///」
さっきまでは何ともなかったのに、素っ裸で抱き締められてたと認識した途端、頬が熱くなった。
これで抱き締められたりしたら…
とてもじゃないが、平常心なんか保っていられない。
俺は思いっきり藤代をベッドから蹴り落とした。
途端に体に鈍い痛みが走る。
「「いっってぇ〜!!」」
しばらく顔を見合わせて、俺たちは笑いだした。





「なぁ、なんで終わりにしようって言ったんだ?」
とりあえずシャツを羽織ってライトを付ける。
俺の問いに藤代は言いにくそうに口を開いた。
「‥‥恐かったから」
「恐い?」
「俺、独占欲が強いんです」
その言葉を聞いて、藤代の言いたいことがなんとなくわかった気がした。
「そんなの誰でも同じだろ?」
実際、俺もこの腕を。この場所を。
誰にも渡したくないって思ってる。
「そういうモンなんすか?」
「本気ならな」
少なくとも俺はそう思う。
俺の言葉に考え込むように藤代は黙ってしまった。
「‥なぁ、お前、俺を独占したいの?」
藤代の首筋にゆっくりと手を滑らせながら聞く。
藤代は当たり前とでも言うように頷いた。
「じゃあ、俺を独占させてやるから、お前を独占させろよ」
ニヤリと笑って言うと藤代が呆れたように俺を見た。
「‥なんか偉そうっすね」
「不服かよ?」
ムッとして眉を顰めると藤代は笑った。
「まさか」
滑らせていた手が取られて引き寄せられる。
とっさのことで受け身がとれなかった俺はぽすっと藤代の腕の中に収まった。
「光栄っす」
本当に嬉しそうに藤代は言った。
そのまま、あの雪の日みたいに抱き締め合う。
静かな空間。
聞こえるのは互いの鼓動の音だけ‥
「先輩‥」
頬に手を添えて、俺に口付けてくる。
触れるだけからだんだん深く‥
俺もそれに応えた。
あの時のように悪寒はしない。
心が通じ合ったから‥ 寧ろ嬉しくて。
「先輩、さっそく先輩が欲しいんですけどいいっすか?」
「‥‥お前、俺を殺す気?」
藤代の言葉に今度は俺が呆れる。
あれだけ抱いておいて、まだ足りねぇのかよ。
「ダメっすか?」
シュン‥とした悲しそうな藤代の顔。
見ていたら自然と笑みがこぼれた。
コイツには適わねぇなぁ
「‥‥名前、呼んだらいいぜ」














まるで白昼夢を見てるみたい

あまりにも嬉しくて

今が本当に夢のようで不安だから

これが決して夢じゃないんだという証が欲しい

名前を呼んだら貴方はまた俺に微笑んでくれるの?
















「亮さん‥」
















名前を呼ばれただけでゾクッとした

自分で呼べって言っておいて慣れない感覚にくすぐったく感じる

もっともっと呼んで欲しい

この感覚に慣れるくらい

その声でその口でもっと亮と囁いて
















「誠二‥」
















ココロはコイに混じりアイとなる

溶け合う想いは溢れだし 熱く熱く限りない

さぁ この果てのない水に流され続けていこう

その想いあいは穢れなき水のように‥




























あとがき

ここまでお付き合い頂きありがとうございましたvv
もう最後は笑いながら書いてました。
これじゃあ、どっかのLOVE2バカップルじゃん‥
私の藤三ってこんなのばっかですね‥。精進あるのみ!

2002/01/25



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