「自覚なしを気づかせるっていうのは結構大変なもんだな」
三上はまっすぐ前を見続けたまま、未衣のほうへふりかえらずに告げる。
気づいてたんだと小さく呟いて未衣は出てきた。そして少しの躊躇のあと、未衣は口を開いた。
「三上くん、行かせてよかったの?」
「そういうアンタこそいいのかよ。渋沢を一人にしてきて」
間発いれずに聞き返された未衣が浮かべられたのは苦笑いだけ。
「きっぱりとフラれちゃったからね。三上くんも言うくらい言ったほうがよかったんじゃない?」
駄目だって分かっていてもさという未衣の聞こえない言葉に、今度は三上が苦笑いを浮かべた。
もっとも、三上の後ろにいた未衣からそれは見えなかったが。
「言わなくてもアイツは気づいたよ。ついさっきだろうけどな。わざわざ口に出す必要はねぇよ」
蛍華がいなくなったほうを向いたまま、まるで独り言のように呟く。
そう。言う必要なんかない。
アイツが俺を選ばないのはわかっていたことだから。
選んでほしいと望んでいなかったと言えば嘘になるけど、これでよかったと思っている。
この気持ちが友達のレベルまで戻るには時間がかかるだろうけど。まだ今は蛍華を諦められないけど。
これでよかったんだと…
「バーカ‥」
誰にむかって言った言葉だったのか、言った三上自身にもわからなかった。
ただ口に出したことで、自分のなかのなにかが変わったのを感じた。
フッと笑みをこぼして踵を返した。
どれくらい経ったか知らないが時間はないはず。早くしないと最悪、表彰式に間に合わなくなるかもしれない。
面倒なことを引き受けちまったと今さら舌打ちをして、本部を目指す。
歩き始めてから未衣が後ろからついてくる気配を感じて、三上はふりかえった。
「なんだよ?まだなんか用か?」
未衣はなにも言わず、不機嫌そうに聞く三上の手元を指差した。
「は?なんだよ?」
「だから、それ。出しに行くんでしょ?ついていってあげる」
フラれた者同士、仲良くしよ♪と微笑みながら腕を引く未衣を見る。
「・・・バカ言ってんじゃねぇ」
三上は心底迷惑そうな顔をしたが、掴まれた腕を決して振り払わなかった。
俺はガキだから、今はまだ無理だけど。
いつか。いつか笑って話せるときがきたら、伝えたいと思う。
憎らしいほど恋焦がれた親友の彼女に。
たった一言、『好きだった』と・・・
書いてる上で一番困ったのがタイトル。お友達が出張ってますね
2002/07/16 (2005/06/15 加筆)
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