幸せだった過去 愛し合ってた二人

たとえ今は違ったとしても

そこにあった想いは

紛れもない真実だったと そう信じたい‥











ずっとずっと 貴方だけを愛してるから‥

















ここは松葉寮の私の部屋。
今日は部活がないらしいのでデートのはずだったが、外は土砂降りの雨。
しかたなく急遽、私の部屋で過ごすことになった。
「ねぇ、キスしない?」
「あぁ?なんだよ、急に」
雑誌から目を上げて訝しげにこっちを見てくるのはサッカー部の司令塔で私の彼氏の三上亮。
ルックスは良いけど、性格と女ぐせが悪いので有名。
「亮だっていつも急だったじゃない」
「俺サマはいいんだよ」
そう言ってまた手元の雑誌に視線を戻す。
その姿がまたカッコよくてスッゴク悔しい。
「ねぇ、亮」
「なんだよ」
雑誌に視線を落としたままだけどちゃんと耳を傾けてくれてる。
亮は冷たいって言う人が多いけど本当はスッゴク優しい。
みんなが知らないだけ。
「好きだよ」
驚いたように亮が私を見る。
「亮が好き」
誰よりも亮が好き。この気持ちは誰にも負けていないと思う。
「俺もだよ」
微笑んで言われたその言葉を聞いて泣きそうになる。
あまりにもその言葉が温かくて‥
「?!お、おい、どうしたんだよ?」
「亮は‥優しいね」
うん。すごく優しい。でもね、その優しさはあまりにも残酷だよ‥
「ごめんね‥」
?」
「ごめんなさい‥」
気づかないふりしててごめんなさい。
甘えてばかりでごめんなさい。縛り付けててごめんなさい‥
「別れましょう。私たち」
途端に亮がすごくバツの悪そうな表情を浮かべる。
「‥、俺、お前のこと本気だった」
うん。わかってる。
女遊びがすごかった亮が私と付き合い始めたらピタリと止めたから。
それが私はすっごく嬉しかったから。
「でも…」
「言わなくていいよ。わかってるから‥」
亮はあの子が好きなんだよね。私以上に。
「悪ぃ‥」
「謝らないで。仕方のないことだから」
謝るのは寧ろ私のほう。ずっと貴方に嘘をつかせていた。
貴方がいたかったのは私の隣じゃないのに‥



「亮、お願いがあるの」
聞いてくれるかしら?
「ん?なんだよ」
「私以上に大切にしてあげて」
なんて言わなくてもするだろうけど。
私にそうしてくれたように‥
?」
「私よりあの子が好きなら私以上に大切にしてあげて」
私以上に幸せにしてあげて。
それなら貴方を諦められるかもしれないから‥
貴方を忘れられるかもしれないから‥
「わかった」
「亮、あの子のところに行ってきなよ」
行って亮の本当の気持ちを伝えてきて。
‥」
「早く。ぜったい大丈夫だから」
あの子も亮のことが好きだから。
わかるから。同じ女として。





亮は無言で立ち上がった。キィ‥とドアの開く音が後ろで聞こえる。
、サンキューな」
私は背中を見せたまま決して振り返らなかった。
ううん、振り返れなかった。
もし振り返ってしまったら もし口を開いてしまったら
言ってしまいそうだったから‥
だってこれですべてが終わりなの‥
終わりだけど願ってしまっているの‥














もう一度私を抱きしめて欲しい‥

たとえ真っ赤な嘘でもいいから

もう一度好きって聞かせて欲しい‥















と、突然、背中からふわりと包み込むように抱きしめられた。
「‥あ‥きら?」
、お前のこと、本当に好きだったぜ」
そう言うと亮は部屋を飛び出していった。
「‥‥なんで‥わかったのかな‥」
私の思っていること。
「反則だよ‥」
最後の最後でそんなこと言うなんて‥
最後の最後まで優しいなんて‥
外を見ると雨が一段と強くなった。
降り続ける雨は、まるで私の心の中のよう。
「亮‥」














さぁ、すべてを流してしまわなくては

貴方を思うこの気持ちを雨とともに

そして、枯らしてしまわなくては

次に貴方に会ったときに

心の雫が零れてしまわぬように‥









「亮のこと、愛してるよ‥」









溢れてくるのは貴方への愛だけ‥




















さよなら‥

私の最愛の人‥



























あぁ〜もうホントごめんなさい!一応、イメージソングはモー娘。

2002/01/09




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