私と一馬は幼馴染みで
小さい頃からずっと一緒にいたから
逆になかなか素直になれなくて
気持ちを伝えられないできたけど
今日こそは伝えたいんだ

私の気持ちを














「一馬~起きてる~?」
布団に入ろうとしていた俺はそのまま硬直した。
ひょいっと窓から顔を出したのは俺の幼馴染みの氷耒 蛍華。
「なっ‥蛍華?!」
「あ、ゴメン。寝るとこだった?」
「いや、別に‥」
どうせ布団に入っても、しばらくは寝付けないから。
「じゃあ入ってもいいよね」
まだいいともなんとも言っていないのに蛍華は部屋に入ってきた。
明日は、結人たちが来るからって昼間のうちに片付けておいてよかった。
蛍華、どうしたんだよ」
「えへへ。つまんないから遊びに来ちゃった♪」
と、笑って言う蛍華に茫然。
おいおい‥
「‥蛍華、いま何時だと思ってんだ?」
まさか知らないってことはないだろうと思いつつ、一応聞いてみる。
「えっと‥あの時計が合っているならもうすぐ0時だね」
さらっと答えた蛍華に言葉を失う。
コイツは夜に男の部屋に来るのに抵抗がないのか?
俺が幼馴染みだからって安心してるのか?
それとも、俺って蛍華に男と思われていないのか?
そうだとしたらかなりショックなんだけど‥
「一馬?どうかした?」
だぁ~~顔を近づけんな!仕草が無防備過ぎなんだって!
「なんでもねぇっ!」
「一馬。なんか顔赤いよ?大丈夫?」
だから俺は男なんだってば!
「で、本当はなにしにきたんだよ?つまんないからなんて理由じゃないんだろ?」
これ以上、蛍華に突っ込まれないように話題をそらす。
それに本当に気になった。
こんな夜遅くにわざわざ何しに来たんだろう。
ぜったい何か他の理由があると思った。
何か相談事か?
「うん‥この頃さ、一馬いろいろと忙しくて話とか出来なかったでしょ?
 それで、なんか急に一馬と話したくなったからきたの」
「‥‥‥‥‥‥‥」
‥‥‥可愛い。
言ってることがすごく可愛い。
それに、はっきり言って嬉しい。
すっっごく嬉しい。
すっっっごく嬉しいんだけど!
頼むから、今は言わないで欲しい。
マジで抱きしめたくなるから。
蛍華、お前、俺の理性試してんのか?
だいたいそういうセリフって彼氏に言うもんなんじゃないのかよ?
「いや、話なんて今日じゃなくてもいいだろ?
 明日は日曜だしさ。明日話そうぜ。とりあえず今日は帰れよ」
出来るかぎり普通に追い返そうとする。
あ、でも明日は結人たちが遊びに来るんだったよな。
「やっぱ明後日‥‥」
「一馬」
言いかけた言葉を遮られ、じっとみつめられる。
恥ずかしくて蛍華を直視できなくて、パッと横を向いた。
「な、んだよ」
階下で0時の時計の音が聞こえる。
あーあ、日付が変わっちまったのか。
「一馬ってば」
「ったく、なんだよ」
「ちゃんとこっち向いてよ」
視線はあまり上げずに蛍華のほうを向いた。



「はい」
「‥‥へ?」
いったいどこに持っていたのか。
笑顔と一緒に差し出された箱の意味がわからなくて間抜けな声を出してしまった。
「今日、バレンタインでしょ?あげる」
あぁ、そうか。
さっき日付が変わったから、もう2月14日か。
つまり、これはバレンタインチョコ‥
「‥‥‥‥‥‥‥」
あっ、ダメだ。
嬉しくって頬が緩みそう。
小学校低学年の頃は貰ってたけど、
5年の頃くらいから蛍華がチョコをくれることはなくなったから。
「一馬、いらないの?」
眉を顰めて蛍華が俺を見てくる。
要らないわけないだろ!
‥なんて素直に言えるわけもなく、渋々という感じで受けとった。
「‥サンキュ」
内心を悟られないように必死に何でもないを装う。
さっきの言葉も嬉しかったけど、これもスッゲー嬉しい。
幼馴染みとしてでも友達としてでももらえるだけで嬉しい。
他の誰から貰うよりもたった一人からもらえるのが。
こういうちょっとしたことが嬉しいから、
まだ幼馴染みのままでいいかなって思うんだよな。



「お前もマメだよな。また幼馴染みにチョコくれるなんて」
「‥‥バ一馬」
まるで拗ねたような顔をして蛍華が俺を見る。
なんなんだ?急に‥
「鈍感一馬」
「な、なんだよ、急に」
「なんのために私がこんな時間に来たと思ってるの」
「へ?」
それはどういう意味だ?
「‥‥っもういい!おやすみ!」
わかっていない俺に
腹をたててしまったようで、蛍華は立ち上がった。
「お、おい蛍華!ちょっと待て!」
来たときと同じように
窓から出て行こうとする蛍華の腕を掴む。
「離して!帰るんだから!」
「待てって」
蛍華を宥めようとするが、蛍華は力いっぱいに暴れる。
不意に蛍華の身体のバランスが崩れた。
「きゃっ‥‥!」
あぶねぇ!
反射的にぐいっと腕を引っ張ると、勢いが強すぎたのか。
そのまま二人して斜め後ろに倒れこんだ。
「っつ~~‥」
倒れたのがちょうどベッドの上で良かった。
二人で床に倒れていたら、
その音で間違いなく親が起きてきてしまっただろう。
「おい、蛍華、平気‥‥」
上にいる蛍華の顔を見てギョッとした。
蛍華の表情は今にも泣きそうで。
「お、おい‥」
「‥一馬のバカ‥」
ポタッと温かい雫が落ちてきた。
それはだんだん冷たくなって俺の頬を伝っていく。
「せっかく人が勇気出して渡しにきたのに!」
パジャマの襟首を掴みながら泣き始めてしまった蛍華に
俺はどうしていいのかわからなくて、ただ固まっていた。
「なんでわかってないのよ‥バカぁ‥」
くぐもった声でそう聞こえた。
そしてドンドンと強く胸元を叩かれる。
「えっと、それって‥」
「だから好きだって言ってんの!」
マジ?蛍華が俺を?



しばらくして蛍華の泣き声が止んだ。
「‥‥‥蛍華?」
反応がない。
「おい、蛍華?」
揺すってみたが、やっぱり反応がない。
どうやら泣き疲れて寝てしまったらしい。
おいおいなんなんだよ。
「‥ったく仕様がねぇなぁ」
俺は体を起こし、蛍華を横抱きにして布団に寝かせた。
窓を閉めて床の上のチョコを拾い上げる。
それを机の上において布団に潜り込む。





明日の朝、起きたら一番に伝えよう。

ずっと胸に秘めてきたこの想いを











蛍華が好きだ」














おまけ


「一馬~起きてるか~?」
「結人、もうちょっと静かにしなよ」
「「‥‥‥‥‥‥‥」」
「‥‥一馬、いつの間に女連れ込むようになったんだ?」
「しかも泣かせたみたいだね。ほら、涙の跡が‥」
「「‥‥‥‥‥‥‥」」
「‥英士、帰らねぇ?」
「そうだね。お邪魔しちゃ悪いし」
「あっ、カメラ発見」
「「(にやり)」」










数日後、真田一馬は手が早いという

実しやかな噂が証拠の写真と一緒に流れたという。





























U-14で一馬だけ作ってないなぁ~と思っていたら突然浮かびました。
バレンタインにバレンタインドリ。間に合う事はありませんでしたが、出来ただけOK?
そういえば、前半の一馬の葛藤は何処に‥?

「鈍感一馬‥」というセリフを「ドカン一馬」と打ち込んでいて、気づいたときに大爆笑‥(笑)

2002/02/14




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