大きさじゃない、そんなことはわかってるの。
わかってて、それでも悩むのよ。
胸の大きさとか容姿の美しさってきっと、恋する女の子の永遠の悩みだよね。



















顔のほうはどうしようもないとしても、こっちは努力でなんとかできない・・・わよね。
「やっぱり大きいほうがいいよねー」
ため息混じりに呟いてみる。
今まで気にしてこなかったわけじゃないけど、こればっかりは諦めるしかないというか、うん。
触ってりゃ大きくなるって聞いたことあるけど、今さら成長するとは思えないし、そんな夢見る子どもじゃない。
これ以上は望めない。諦めるしかない。わかってるけどさ。
「俺は別に気にしねーぜ?」
「そういうことじゃないの」
いや、そりゃ甘寧の好みになりたいとは思うけどさ、それだけじゃない。
女の子としての理想というか、願いというか。
甘寧は黙ったままアタシの前に立つと、スッと胸の前で手を広げた。
ぺたり。
「まぁ、たしかに片手で触って手が余るな」
「・・・」
わき上がった怒りで、握りしめた拳が震えだす。
あぁ、今得物が手元にないことが口惜しい。切り刻んで長江に沈めてやろうか、この男。
「おいおい、本気で殺気だすなよ」
「出させてんのはアンタでしょーが!」
なに気安く触ってんだっっ!悪かったわね!小さくて!っていうか、アンタの手がデカすぎるのよ!
「どうせアタシの胸は洗濯板よ!」
「そこまでは言ってねぇだろ?ちっとは出てるし、まぁまぁ柔らかいじゃねぇか」
「ちょっとぉ?」
ちょっとだとーーーっ!ふぬぅーーーーっ!
頭にきて、ポカポカと殴ってやったけど、甘寧は全然気にした様子がなく笑ってる。
むぅー・・・
なんて、なんて腹立たしいやつなのかしら!
「そんな、怒んなよ。おっきさもだが、感度も大事だからなー」
「かんどぉ〜??」












「・・・はぁ、・・・っ!」
日が陰ってきた薄暗い部屋の寝台の上。足を投げ出してるアタシ。
ゆるゆると、覆いかぶさる甘寧に胸を揉みあげられ、出したこともない声が上がりそうになる。
なんでこんなことになったんだっけ?
頭に靄がかかったみたいで、うまく考えがまとまらない。
なんか、変ッ・・・
「ふっ・・ん・も、はな、して・・・」
「なんでだよ?すっげえ良さそうな顔してんのに」
目の前で楽しげに囁かれるその吐息すら、今はだめ。
声が上がらないよう口もとを押さえるけど、言葉にならない音が漏れる。
「もう、っん、・・・やっ」
外そうと甘寧の手を握るけど、指先が震えて力が入らないから退けられない。
「うぁっ」
胸の先端を摘ままれたら背中にゾクゾクと何かが走り、肌が粟立つ。
夜具に爪を立てて、上ってくるなにかから逃げたくてずり上がった。
「逃がさねえよ」
「やっ、なん・・・っく」
撫でられる度にビリビリと痺れて、声と息をのみ込んだ。
なにか、くる。
なに?
不意に、真っ白になった。
「あああッ!」
ドプリと下から熱があふれ出したのがわかる。
「はぁっ・・・」
「おめぇ、かわいい」
吐き出した息が熱い。
嬉しそうな甘寧の声に反応出来ず、荒くなった息を整える。スーッとお腹へ甘寧の指が滑っていくのがわかって、震えた。
「あッ・・・ま、待って」
あわててその腕をつかんで止めた。
わかるよ。
この後どうするものなのか。
そりゃ、経験したことはないけれど、その知識くらいはある。
「こわ、い・・・ッ」
ぎゅっと目をつむった。怖かった。
胸を触られただけで、こんな風に肌が戦慄いてるのに。体の震えが止まらないのに。
この下を触られたら?
アタシはどうなっちゃうんだろう。

「や、こわい」
、目を開けろ。こわくねぇから」
間近で囁かれた甘寧の声は優しく、降ってきた口づけは甘い。
手を導かれて触れる。左胸の下。アタシと同じくらい早い。甘寧の鼓動が伝わってくる。
「あっ、」
「聞こえるか?おめぇだけじゃねぇよ」
腰帯が解かれて寛げられた腰衣から入ってきた手は下へと下りていく。そのままアタシの中に入ってきたその指を締めつける。
中で円を描くように動き出したのがわかった。
はじめは感じていた違和感は、すぐ感じなくなって、なんだか物足りなくなって。
アタシはあられもない声を上げて甘寧の腕の中で踊る。
甘寧に導かれるまま。
中で泳いでいた甘寧の指が抜かれたのがわかった。
がほしい。いいか?」
「うん」
指より大きい違和感が中に入ってくる。
ミシッと嫌な音が自分の体から聞こえた。
力を抜かなきゃと思っても体が固まって、力がこもる。
体が引きつって、内側から熱さと痛みに支配される。涙が伝う。
「いッ、たぁ・・・」
「好きだ」
「ん。かんねっ」
「おめえが好きだ」
甘寧の声がふってくる。優しい声。それと同時にいっぱい唇が落ちてくる。
やわらかい温かさに癒されて、涙にゆれた視界が少しずつクリアになっていく。
「わかるか?」
はぁっと大きく息を吐き出した。すごいところがジンジンしてる。痛いというより、熱い?
恥ずかしくて直接見れないけど、それでもわかった。
脈打っているのが。
「うん、わかる、よっ」
声が上ずりながら答えると、ぐぐっとなかから押し広げられたのがわかった。
「や、ええぇ?」
驚いて思わず目を見張って声を上げると、甘寧は照れながら苦笑いをしていた。
「わりぃ、うれしいんだって。俺、が好きだからさ」
「アタシも、うれしい。甘寧が好きだよ」
びくりと中で甘寧が震えたのがわかった。
「わりぃ、優しくできねぇ」
「あ!」
がかわいいこと言うからわりぃんだぜ?」
「や、だって、かんね」
ゆるゆるとゆっくり送られる振動にゾクゾクと鳥肌が立つ。刺激が強すぎて、熱くて気持ち良すぎて逃げ出したくなる。
ずり上がろうとすると、腰を掴まれて戻された。
「ヒッ・・・」
口から悲鳴がこぼれた。火花が散ったように目の前がチカチカする。
なにこれ。なにも考えられない。
中で動く甘寧の熱に焼かれる。体をそらせて甘寧の動きに合わせて濡れた音を紡ぐ。
「ひ、ひゃ、あ、やあぁ」
「言っただろ、逃がさねえって」
「あっ、あ、あ、あ、」
「おめぇを誰にもやらねぇ」





















ごめんなさい、ありがちで。
片手で余る〜云々は篠原先生の『天は赤い河のほとり』でカイルがユーリにやってたやつです。
・・・甘寧なら失礼なこと言いそうじゃありません?

2019/10/4



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