幸せな夢を見ていた。
大好きなその笑顔に触れられて、大好きなその笑顔に包まれて、
ただあなたと共にいる。
そんな幸せな夢を。









、好きだぜ」
背中に向かって聞きなれた声が聞こえてくる。
顔を見なくてもだれの声なのかわかって、うれしくて笑顔がこぼれた。
アタシも答えたくて、振り向くとその姿がない。
たしかに、すぐそこにいたはずのに、いつの間にか見えなくなった。
真っ暗な空間にアタシ一人。なにかの気配を感じて肌がざわざわとし始める。
熱と痛みと快楽と支配。
手にも足にも、なにも見えないのに、なにかに押さえつけられてて動けなかった。
声も出ない。
誰かに抱き上げられ揺さぶられ、身体の中から何かに突き上げられる。
いや!
いや!!
唯一自由になる首を振って、拒絶の意思を示しても、何かはアタシの中から出ていかない。
奥の奥まで突き上げられ、アタシの中で何かがこすれて快感が突き抜ける。
身体が熱くて、でもそれより熱いなにかが中で爆発したのがわかった。
熱さが広がっても、それでも止まらない。そのまま震える身体に叩きつけられる。
さらに奥へ。手の先、頭の先、足の先まで快感と、黒い何かがアタシの中へ広がっていく。
熱い。気持ちいい。苦しい。
だめ、こんなの。狂って、しまう。
やだ、やだ!いやぁ!
興覇、助けて!興覇!



「おまえは、俺のもんだ・・・」




ビクリと、体が震えて目が覚めた。
朝日で明るくなった室内。目の前には興覇の鎖骨が見える。アタシが夢の中で感じていた重みは興覇の腕だったらしい。
アタシの体ごと抱きこんで絡みついている。まるでアタシを逃がさないというかのように。
・・・いっ、たぁ・・・
体勢を変えようとして、悲鳴がこぼれそうになった。あちこちが痛くて、身体が鉛のように重い。
特に腰から下は痛い上に、あまり感覚がない。それでも、脚の間に大量にこびり付いているのはわかった。
夢じゃ、なかったんだ・・・。
涙があふれてきた。
見れば赤黒くなった刻印が、アタシの体のそこかしこに散らばっているのがわかった。
何度も何度も重ねて刻まれた。問いかけも静止も受け入れてもらえなくて、何度も何度も愛された。
意識を失っても許してもらえなくて、何度も揺さぶられ興覇の熱に起こされて、わけがわからなくなったまま求められ食い尽くされて。
興覇だけを感じて、ただただ全てを興覇に支配された。
「・・・っ!!」
知ってしまった。
興覇の想い。興覇の叫び。
この身にあふれるほど刻まれた想い。ぶるり、と身体が震えた。
・・・怖い。
そんなにも思われていること。こんなにも執着されていること。
好きだけど。興覇のことは好きだけど。
・・・怖い。
「こう、は・・・」
アタシは、どうしたらいいんだろう。
知っていたつもりでいた。わかっていたつもりでいた。
興覇がアタシを想ってくれていること。興覇がアタシを愛してくれてるんだってこと。
同じように、アタシも愛していると感じていた。
うれしかった。
でも、違った。
アタシはわかっていなかった。
愛は狂気。想いは執着。
あなたが好きなのに、あなたが怖い。あなたの想いが、怖い。
そう思ってしまう。
アタシは、どうしたらいいの・・・・?









まぶたが揺れて、興覇が起きたのだとわかる。
「ん・・・?」
「興覇・・・」
ゆっくりとした動きでさらに抱き寄せられる。
優しく寄り添うその腕の温かさは、昨夜の激しさとはまるで違う。
穏やかなあたたかさでアタシを包んでくれてる。なにもなかったように。
それでも体の震えが止まらなかった。
今の興覇には昨日の狂気は見えないのに。
アタシの好きな興覇なのに。
体が覚えている。無理やり開かされ、犯され支配される恐怖。
興覇・・・
自分でもどうにもならない。
・・・」
昨日の問いが蘇った。
お前が好きなのは俺だけだろ?
アタシは・・・。
何も言えないアタシの様子に、興覇は察したようだった。
体にかかっていた重みがなくなり、温かみが離れていく。
アタシはッ・・・。
涙に埋もれて、もう見えない。
閉じられる扉。
冷たくなっていく空間。
アタシは、その背中を引き留めることが出来なかった。



















さあ、この後どうするんだい、私。書き始めてからいつも思う。どうして幸せなままで終わらせてあげられないんだろうな(遠い目)

2019/10/15


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