突然視界が180度切り替わる。

「ちょっ‥三上?」

見上げると三上と瞳が合った。だが慌てて瞳を逸らす。

だって三上の瞳はサッカーをしてるときと同じくらい‥いや、それ以上に真剣な瞳で‥

ふざけた感じが全然しなくて‥

いつもと‥違う‥?

「好きだ‥」

「えっ?」

顎をつかまれ、気がついたら目の前には三上の顔があって‥唇には柔らかい感触。

私、三上にキスされて‥る‥?

私は抵抗しなかった。いや、できなかった。

三上のキスはとても優しくて‥

頭の中は真っ白。なにも考えられなくて‥

「‥‥‥ンッ‥‥」

三上は角度を変えて何度もキスしてきた。

はじめは触れるだけ‥だんだん深く‥とろけるような甘いキス。

キスの時間は実際は短かったかもしれないけど、とても長く感じて苦しくて‥

口の端から吐息が漏れる。

「‥‥‥はっ‥‥」

唇が離れ、もう一度キスされそうになったそのとき‥!

「危ない!!退きや!!」

その声に反応して咄嗟に離れると、私たちの立っていた場所に誰かのカバンが落ちてきた。

上を見上げると3階から誰かが顔を出してる。

綺麗な金色の髪がキラキラと輝いて見えた。

あれって確かFWの佐藤くんよね。

「おーい、大丈夫かぁ??!」

どうやらカバンを落としたのは佐藤くんらしい。

あ、危ないなぁ‥当たってたらどうなってたんだか‥(汗)

「テメェ!アブねぇだろうが!(怒)」

あーあ、三上ったらキレてるし‥。

「大丈夫だから安心してよ!佐藤くん、次からは落とさないでね〜マジ危ないから(笑)」

「ホンマにすまーん!!」

「謝るぐらいで済んだら警察要らねぇだろうが!!」

あービックリした‥思いっきり思考回路すっ飛んじゃったよ‥え〜っとなに考えて‥

「‥‥‥‥‥‥‥///」

そうだ!私、三上にキスされて‥

三上を見るとさっきの雰囲気は欠片もない。

“好きだ”

あれ、嘘だったのかなぁ‥?単なる聞き違いとか?キスしたのは気まぐれで。

だって三上が私を好きだなんて‥ちょっとねぇ‥信じられない。

好かれるようなことした覚え、全然ないもん!

怒らせたり、嫌われそうな覚えなら多々あるけどなぁ‥

だいたい私のどこがいいわけ?

三上の後ろ姿を朧気に見つめる。

カッコいいよねぇ‥

三上はルックス良いし、私も一応女だから意識した事がないわけじゃない。

どっちかって言えば好きなほうだし。





でも‥

でもね‥





「信じられないよ‥」

三上がそのテの噂が多いとか、三上の言葉を疑ってるとか、そういうんじゃなくて。

私自身が信じられない。

私、そんな大した人間じゃないし三上とつりあわないって言うか‥

あ〜〜〜ダメだ‥頭ン中グチャグチャになってきた〜!もう、とっとと帰ろ!

「ごめん三上!私、先に帰る!じゃ!」

「えっ?あっ、ちょっと待ちぃな!」

佐藤くんの声がかかったけど私は構わず走った。





「やっぱ信じられねぇか‥」



















to be continued…
















あとがき

ということで『原因』終了です。
ここまでお付き合い頂き有難うございましたvvv
っていうか一度も名前呼ばれてねぇ‥(初めて気がついた‥(汗))

2001/09/26




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