「も〜〜い〜くつね〜る〜と〜〜おしょ〜おがつ〜〜♪ってね」 「恥ずかしいやつ。朝からなに浮かれてんだよ。たかが正月だろ?」 完全に呆れた口調で後ろからかかった声。 誰なのか、ふりかえらなくてもわかる。 「う〜ん。でも、なんか気持ちが弾むじゃん。新しいって思うとシャキっとするし」 「そんなのお前だけだ」 言うなり早速煙草に火をつけた蛮ちゃんを見てしかめっ面になってしまった。 「なんだよ?」 「蛮ちゃん。今日くらい煙草やめない?1年の始まりだし、体にも良くないし」 「やだね」 きっぱり簡潔に即答。 はぁ〜……………やっぱり。 わかってたけどね、何回も言ってることだし。 なかば諦め入ってるんだけど、元旦だから今日くらいはと思ったのに。 「………でも、一理あるか」 独り言のような呟きの後に聞こえたちゅっという小さな音。 俺と蛮ちゃんにしか聞こえない小さな小さな音。 「ば、蛮ちゃん?!」 「やめろってお前が言ったんだろ?口が寂しいんだよ」 楽しそうに笑う蛮ちゃんに答えて、俺も笑ってその瞳を覗く。 「じゃ、今日だけじゃなくて禁煙してよ。俺、大歓迎ゥ」 「バーカ。お前の期待どおりになんてなってやらねぇよ」 スカっと外されて見事に床とご対面。 「そこで床と戯れてな」 「蛮ちゃ〜ん」 涙浮かべて名前を呼んだけど見向きもしてくれない。 誰よりも綺麗な瞳を持った誰よりも気まぐれな俺の恋人。 今年も無事一緒に新年を迎えられました。 「今年も1年よろしくね、蛮ちゃん」 申し訳ないほどに短いですね。一応フリーです。(お年玉のつもり) ということで、今年も1年UNREQUITED LOVEとケイカをよろしくお願いします。m(__)m 2002/12/16 |