情事後の気だるさを感じながら、髪を撫でる優しい掌を感じる。
予告もなく落とされた軽いキスは、答える間もなく離れていった。
「ねぇ、蛮ちゃん、俺のこと好き?」
「どうしたんだ?急に」
真顔で訊かれた問いに答えることもできず、茶化して聞き返すと銀次は口を尖らせた。
「いいから答えて。ねぇ、俺のこと好き?」
どうやら自分の態度に気づいたらしい。
重ねられた問いの答えを求める銀次の表情が、先程よりずっと柔らかくなった。
しかし、いくら平静を装って隠しても、瞳に写る真剣さまでは誤魔化せない。
俺に言いたくねぇことなんだなと察することは容易。
軽い笑みを浮かべ、くしゃっと柔らかい金色の頭を撫でてから銀次の頬を滑らせ包み込む。


























「あぁ、好きだぜ」
















ありったけの気持ちを込めて、何度となく伝えた気持ち。
その度に銀次は嬉しそうに微笑んで、とても哀しそうな顔をする。
そして…




















ホラ、マタダ…




















いつも、なにかが引っ掛かる。
チクチクと。本当にかすかに。
胸の奥の見えないなにか。
棘が刺さっているみたいに痛いような苦しいような。
なんだろう?
なにか大切なことを見落としているような、そんな予感が付きまとう。
ただの気のせいなのか、それとも…




















「蛮ちゃん、愛してるよ」


























囁かれた愛の言霊に、なぜか応えることができなかった。
























こっちはもう、敢えてコメントはナシ(爆)

2003/02/25



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