世の中にはいろいろな日が存在します
嬉しくて踊りたくなるような日 悲しくて悲しくて涙が止まらない日
なにをしてもつまらなく感じてしまう日 とても楽しみで仕方がない日など
では、あなたにとって大切な日はいつですか?













「はぁ‥」
真っ暗な夜空を見上げながら出てくるのは溜め息ばかり。
いったいどうしてこんなことになったのか‥
「はぁ‥」
「お前な、新年早々溜め息ばっかつくんじゃねぇよ」
こっちまで運が逃げていったらどうすんだ!と、人の頭を勢いよくはたいてきたのはデビスマで有名な三上先輩。
遠くを見て傍観者に徹しているのは俺の親友(なはず)の笠井 竹巳。
苦笑しているのは我がサッカー部のキャプテンの渋沢先輩。
俺たち4人は今、初詣に来ているのだ。



「いってぇぇ〜!もう!俺の気持ちも知らないくせに勝手なことばっか言わないで下さい!」
「お前の気持ちなんてわかりたくもねぇよ!と喧嘩するのはお前の勝手だがな、辛気臭い空気にすんな!」
「俺だって好きでと喧嘩してるんじゃないっす!」
「2人ともいい加減にしないか。藤代、それなら早く仲直りしたらどうだ?」
「それが出来たら苦労しないっす‥」
それができないから困っているのだ。
「それに俺は悪くないんですよ!」
そうだよ。俺はぜったい悪くない!
「なに言ってんだか。だいたい、てめぇが勝手に拗ねてるだけだろーが」
「だって、ふつう自分の彼氏の誕生日知らないってことありますか〜?!」



そう。
こともあろうに俺の彼女である は彼氏である俺の誕生日を知らなかったのだ。
俺はその事実に多大なるショックを受けたわけで‥。
「そりゃあ、教えてなきゃ知らねぇだろ」
「笠井、藤代は教えておいたのか?」
「それが‥知ってるとタカをくくって教えてなかったみたいなんです」
「だって、ふつう知ってると思うだろ!」
俺、これでも一応有名人なんだし。
これは絶対自意識過剰なんかじゃないと思う。
実際、他校でも俺の顔を知ってる子いたし。
「それは藤代にとっての普通だろう?」
「俺もそう言ったんですけどね‥」
「知らなかったモンは仕方ねぇじゃねぇか」
恋人たちにとって、クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデー、あと誕生日は一大イベントだろ?
本当は今日の初詣だってと来るはずだったのに‥



「はぁ‥」
思わず隣にいる人を見てまた溜め息。
「バカ代、俺サマを見て溜め息吐くとはいい度胸してんじゃねぇか‥」
あっ、三上先輩の額に青筋が‥ι
や、ヤバ‥
「つ、ついっすよ!決してワザとじゃな‥‥」
「ワザとだろーが(怒)」
うーーーーギブギブギブ!!
悲しきかな。
なぜ新年早々、三上先輩のヘッドロックの餌食にならなければならないのか‥(泣)
「藤代の今年の教訓は『口は災いの元』で決まりだな」
「誠二の場合、すべてが災いの元ですよ」
キャプテン、タク、のんきに解説してないで助けてよ〜
「さて、役者がそろったみたいだから俺たちは退散するとしようか?」
「そうですね」
は?なにが?
ちょっと視線を上げるとそこには着物姿のが。
「えっ‥?」
「これが俺らからのプレゼントだ。あとはてめぇで何とかしろ」
ニヤリとデビスマで告げると、三上先輩たちは、あっという間にいなくなってしまった。
止める暇もなく‥
「ちょっ‥‥」
先輩、お心遣いはとっっっても嬉しいんですが、俺、まだ心の準備がぁ〜‥
「あ、あの‥誠二」
恐る恐るという感じでが俺を見上げてくる。
着物姿なせいか、いつもの100倍は可愛い///
「ごめんね。私、ぜんぜん知らなくて‥本当にごめんなさい‥」
申し訳なさそうに謝るを見て、拗ねていた自分がバカらしく思えた。
「いや、教えておかなかった俺が悪かったよ。だから気にしないで」
「でも私、プレゼント何も用意できてないんだよ?」
「なんにも要らないって。がいてくれるだけで十分!」
ただ、に笑っていて欲しい。
できれば、ずっと俺の隣で‥
、お参りもう済ませた?」
「え?まだだよ」
「じゃあ一緒に行こう♪」
「うん♪」
笑って手を重ねてくれたがたまらなく愛しい。
君のその笑顔が最高の誕生日プレゼント‥









「誠二、HAPPY BIRTHDAY!」


















決まりきった終わり方ですみません。私の頭ではコレが限度
これは冬休み明けの日、僅か一時間でできた作品。私にしては珍しく早い
自分でも驚き。進まない話はホントに進まないのに‥
にしてもなんで私の学校はこんなに休みが短いんだろ

2002/01/08



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