●2012年5月
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ねえ師匠…。 | |
どうしたのみそか氏、改まって。 ほら、早く食べないとガリガリ君が溶けて落ちるわよ。 |
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私はアイスモナカですから。 | |
…っち、ハズレかいな…。 | |
…師匠こそ早く食べないと溶け落ちるから食べながら聞いてください…。 | |
ほえ? | |
私、師匠を師匠と呼ぶのやめようと思うんです…。 | |
ボトッ…。 | |
あ、棒ごと落とした。 | |
な、なななんで!?そんなに私が不甲斐ないってこと!? | |
はい。 | |
がぁーん! | |
だって…師匠…つきひさんとちっとも近付けてないじゃないですか…。 それを言ったら老師もですけど…。 |
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こ、これからよ!今は仕込み段階なの! 今に張り巡らせた蜘蛛の巣が一瞬のうちにつきひさんを絡めとって…! |
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…仕込みに何年…。 | |
…っぐぐ…み、みそかだって別に進展なんか…! | |
師匠よりは良いセン行ってると思いますけど。 | |
私もそう思う! | |
なので今日限りです!私は新しい師匠のもとに駆け込みます! | |
ちょ…待って…! | |
さよならッ……! | |
………落としちゃったから、アイスも一本おごって…。 | |
んに? | |
ですから、いちとせさんを師匠と呼ばせて下さい! | |
なして? | |
だ、だっていつもとおかさんとあんなに仲良さそうで…! 私もかれんちゃんとあんな関係になりたいんです! |
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んー??よく分からんちん…。 | |
…さすがです…!自然体でやってのけるそのセンス…! やっぱり新しい師匠はいちとせさんしかいません! |
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そんにゃこと言われてもにゃあ…何を教えればいいかも分からんのに…。 | |
あ、いいんですいいんです、勝手に師匠って呼んで勝手に学びますから。 | |
そう?それでいいならいいげしゅけど…。 | |
ありがとうございます!あ、コレ心ばかりのお礼…。 | |
うおお〜〜!なんぞこのお菓子の山わ〜!!? | |
手ぶらも何だと思って近所の駄菓子屋でありったけ…。 | |
じゃコレ食べながらテレビでも観るげしゅる。 | |
え?あれ?とおかさんに会いに行ったりは? | |
え〜?別に学校で会ったからいいげしゅ。 | |
…はあ…。 | |
鈴カステラ鈴カステラ〜。 | |
\ぴんぽーん/ | |
あ、師匠、来客ですよ。 | |
え〜今忙しい〜ほっとけば良いげしゅー。 | |
…ちょうどCM中じゃないですか…。 | |
いちとせー?いないのかー? | |
!!師匠師匠!とおかさんですよ!お迎えに上がらないと! | |
とおかりゅん〜?なおさらほっとけば良いげしゅ。 | |
そんな!愛しの姫君にそんな態度! | |
あ、いるじゃん…返事くらいしろよ…あれ、みそかちゃん。 | |
へへ…おじゃましてます…。 | |
珍しいね一人で…。じゃなくてコラいちとせ!聞いてるのか! | |
聞いてる聞いてるー。その件は大丈夫ですからー。 | |
まだ何も言ってないだろ! | |
あ、あわわ…なんか険悪に…! | |
あ、お前もう夕方なのにこんなにお菓子食べて! これじゃ夕飯が入らないだろ! |
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これが夕飯げしゅので。 | |
バカ言うなっ、育ち盛りがそんなコトで…! | |
…どうせいっちーはとおかさんほど育ってませんよ…。 | |
胸の話はしてない! | |
し、師匠…。 | |
いくらお菓子食べても、とおかりゅんの料理は別腹げしゅから。 | |
え? | |
…ホントだろうな…せっかく肉じゃが持ってきたんだからちゃんと食べろよ…? | |
ニンジンはー? | |
入ってるよ。 | |
えーいっちーニンジンあんまり好きじゃないー。 | |
食えよ!育ち盛りなんだから! | |
とおかりゅんが言うなら…しぶしぶ…。 | |
今日は爺さまは?いないのか? | |
お出かけ…。 | |
…はぁ…だろうな…そんだけ堂々と間食してるんだから…。 台所使わせてもらうぞー。 |
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あ…味噌汁に大根は…。 | |
入れます。 | |
ああああああ…。 | |
…………ししょう…。 | |
はいな? | |
なんでとおかさんが料理持ってきたって分かったんですか? | |
なんでって…それ以外に考えられなかったし…。 | |
えっえっでも…ただ遊びに来ただけとか、ノート借りに来たとか、 他のもの持ってきたとか…いろいろ可能性は…。 |
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ないないない、このタイミングは確実にお裾分けげしゅよ。 | |
…最初からインターフォンに出なかったのも…。 | |
とおかるんなら勝手に入ってきましゅから。 | |
ほ、他の来客かも…。 | |
あー…でもなんか分かるんげしゅよね…。 | |
……。 | |
おーい、いちとせー。 | |
分かんないげしゅー。 | |
何が!? | |
んだよ…買い置きの調味料くらい把握しとけよ…。 | |
…分かるんだ…。 | |
分かんないげしゅよ? | |
……いえ…そうじゃなくて…。あ、お、おじゃましましたっ! | |
ふに? | |
あ、みそかちゃん帰るの?良かったら一緒にごはん…。 | |
ああああの、失礼します! | |
……? | |
……で、帰ってきたと…。 | |
ダメです…年季が違い過ぎます…アレはもう…夫婦…。 | |
だよねぇ…あの二人はときどき羨ましさを超えた何かを感じるわ…。 | |
…なので、恐縮ですが今一度師匠を師匠と呼ばせて下さい…! | |
……あんた、さっき散々わたしとつきひさんの関係を…。 | |
間違ってました!大事なのは追求するその姿勢…! 私が見習うべきはソコであると! |
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ほ…ほう…。 | |
いくら実りが少なくても! | |
余計なこと言うな! | |
そういう訳で再びよろしくお願いします! | |
そう言われても…私にもいろいろ気持ちってものが…。 | |
つまらないものですがこのガリガリ君を…。 | |
ついてこいみそか!遅れるでないぞ! | |
はい! |
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