●2011年11月
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でゅっふふ〜、でゅふっふ〜♪ | |
…どうしたの姉さん…内海賢二みたいな笑い方して…。 | |
あ〜んもう!着ていく服で迷うのってこんなに幸せな悩みだったのねん! 愚妹よ、あんたもたまには学ラン以外も来てみなさい! |
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今まさにジャージだけど。 | |
そっただことでね。オシャレすろつってんだ。 | |
いつもおかしな姉だが…このハイテンションな異次元感は初めてだ…。 | |
実はね♪あしたデートなの! | |
訊く前に明かしやがった! | |
センパイってどんな服が好きなのかしらね? メイド?ブルマ?それともボンデージ? |
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そんなおっさん趣味ではないと思うけど…よくOKしてくれたね…。 なんか脱法的なコトしてないよね? |
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失敬な!捕まらなきゃ犯罪じゃないのよ! | |
したのかよ! | |
おほほ、冗談冗談、してないわよぉ。苦節46億年、捧げ続けた愛がやっと実ったのよ…! | |
…何でも良いけど迷惑かけないでよ?友達の姉に何かあったら私のほうにも影響が。 | |
大丈夫よ、言ったでしょ?捕まらなきゃ犯罪じゃないって。 | |
するなよ! | |
ねえかれん、この服どうかしら? | |
わ、可愛い可愛い。派手すぎないトコロがこよみ姉によく似合ってるよ。 | |
私が地味ってこと? | |
どうしたんだおめかしなんてして…いつもぱんつ一丁でカーペットをごろごろしてるくせに…。 | |
してないわよ! | |
スウェット姿でごろごろしてるのも似たようなものだと思うよ…。 | |
で?よそ行きの服なんか選んでどこ行くの? | |
ちょっと野暮用よ。とつきと映画に行くの。 | |
デートか。 | |
違うわよ! | |
多分こよみ姉は違うって言っても向こうはデートだと思ってるよ…。 | |
…そうかしら…だ、大丈夫よね…。 | |
なんでまたそんな冒険を…。とうとう猛烈なアタックにほだされたか? | |
んなわけないでしょ。観たい映画がマイナーな単館モノでね…裏通りの暗い映画館だし ちょっと安全面で不安だから、ボディーガード代わりよ。 |
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う〜ん、まぁ確かにとつきさんなら誰が来ても一騎当千だろうけど…。 | |
むしろとつきさんが一番の不安材料じゃないのか…? | |
い、言われてみると…。どこか行こうって誘われたから渡りに船と思ってOKしたけど…。 どうしよう…キャンセルしようかしら…。 |
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行けよ。 | |
妹でなし! | |
いや…だって、ココまで来てキャンセルしたら、この街一つくらいどうにかなるよ…? | |
うぬう…! | |
人類のために行ってきなよ、言いだしっぺさん。 | |
ええ…行くわよ、行ってきますよ、映画も観たいしね…。 | |
明日の夕飯は二人分でいいね、つきひ姉。 | |
ちゃんと帰ってくるわよ! | |
せんぱーい、ここですここですー! | |
おまたせとつき…って早いわねアンタ。まだ待ち合わせまで30分はあるわよ。 | |
楽しみすぎて眠れなくって…昨夜から一晩中ここで待ってました♪ | |
かなり不審じゃないのよ…でもどうしよう、ただでさえ上映時刻より早めに集まったのに これじゃ時間が余りすぎるわ…。 |
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センパイセンパイ、あそこに丁度いいホテルが。 | |
徹頭徹尾まんべんなく何にも丁度良くないわよ。よし、あそこのファミレスね。 | |
あっ、あああん…!もう部屋も取ってあるのに…! | |
キャンセルしなさい。ほら行くわよ。あんた何も食べてないんでしょ? | |
……センパイ…私のために気を利かせて…!? | |
私も食べてないのよ。そのために30分早く来たんだから…。 | |
……なんだ…楽しみで早く着いたんじゃないんだ…。 | |
…いいからほら、立ちなさい。そんなスカートで座り込んじゃ丸見えよ。 | |
見せてんのよ。 | |
見せんな。 | |
っはーっ!観た観た、終わったー!噂に違わぬB級っぷりだったわね! | |
うっ、うううっ…ぐすっ…感動しました…。 | |
…あのゾンビ映画のどこに感動できる要素があったのよ…。 | |
元恋人のゾンビに銃口を向けるシーンとか…。 | |
あぁ…お約束な…。 | |
…は大爆笑だったんですけど…。 | |
ソコは笑うなよ。 | |
冒頭の頭部がビデオカメラな紳士が素晴らしくて…。 | |
あれは何を観てもついてくるわよ。 | |
さて、どーしますかセンパイ!まだ陽は高いですよ! | |
帰るわよ。 | |
えっ!!?? | |
目的は達したんだから、あとは帰還するのみ…当然でしょ? | |
えっえっ、でもこの後喫茶店で映画の感想語り合ったり、オシャレな店見つけたんだとか さりげなさを装って雑誌で有名なレストランに行ったり、その後はピンク色したお城みたいな建物に…。 |
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行かないっつの…デートかっつの…。 | |
デートじゃ…ないんですか…? | |
…何を期待してたのよ…。あんたがどーしてもどこか行きたいって言うから…。 | |
…そーですよ、そーですよね…私がいた事でちょっとでもセンパイの役に立ったなら ソレはソレでじゅーぶんなんです…えへ、帰りましょう!最後までボディーガードしますとも! |
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……………。 | |
センパイ? | |
…言いつけ通り映画館の暗闇の中でも手を出さなかったしね… …良いわ、ご褒美に夕飯まではつきあったげる。 |
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ほ、ほんとですか! | |
夕飯までよ!その後は直帰だからね!あとワリカン! | |
は、はははい!望むトコロです!こんな事もあろうかと雑誌でオシャレなお店偶然見つけておきました! | |
まったく偶然じゃねえ! | |
うん、うん、わかったー。頑張ってねー。 | |
電話、お姉ちゃん?なんだって? | |
やっぱり今日は晩ご飯いらないって。ぷふふ、隅に置けませんなぁ…。 | |
それはそれは、食事前なのにごちそうさまです…。 しかし、見越して最初から二人分しか用意しないかれんの洞察力ときたら…。 |
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なに? | |
…他人の恋愛には鋭いのになぁ…。 | |
おかえりー。お姉にしては早かったね。 | |
まるで何かしてから帰るつもりだったみたいじゃない…。夕飯食べてバイバイよ。健全。 | |
…それでも幸せそうな顔してるね、良かったねぇ。 | |
いつもいちとせと仲のいいアンタには分かんないわよ。はぁ…おみやげもいただいたし…幸福…。 | |
おみやげ…?なにその布。 | |
センパイのぱんつ。映画館の暗闇に乗じてこっそり…手を出すなって言われたから髪でね? | |
(二度とデートに行く機会はないだろうな…) |
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