●2011年2月
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| みてみてつきひ姉、知らない内にこんなに積もってるー。 | |
| おぉー、凄いな…銀世界も大概にしておけって感じだ…。 | |
| 雪の積もった夜って何だかとっても明るいのよね… こんなに真っ暗な真夜中なのに…。 |
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| ……うん、そうだね…真っ暗だね…。 | |
| 太陽と月どころか、住宅の明かりも街頭もすべからく真っ暗…。 | |
| ……停電…復旧しないわね…。 | |
| どーすんだよォ!こんなんじゃWiiもPS3も360も動かねえ! | |
| …そんな憎まれ口叩いてられる内が花だよ…。 | |
| …分かってるよ…お茶目な冗句だよ…。 | |
| コタツ…ファンヒータ…エアコン…ホットカーペット…電気あんか… 電気がないだけで全滅…。 |
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| 電気あんかはこよみ姉が寝るときに使ってるだけじゃない。 | |
| うわぁ、おばさんくさぁ…。 | |
| すっ…。 | |
| っきゃあああっっ!やめてやめて冷たい手を背中に差し入れないで! | |
| さて…電気会社の奮闘を祈るしかないわけだけど…。 | |
| そう簡単には行かないと思うよ…雪の重みで複数箇所の断線でしょ… 降ってる間は作業もはかどらないだろうし、まずやまないと…。 |
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| …むしろ吹雪いてきてるぞ…。 | |
| カーテン開けないでつきひ!少しでも冷気が入ってくる! | |
| わ、悪い…! | |
| こよみ姉、クライマックスモードだね…。 | |
| 用心に越したことはないわ…冬山をナメるんじゃないわよ…。 | |
| 山じゃないけど、命の山場ではあるかな…。 | |
| 差し当たってどうするの?毛布にくるまって寄り添って一夜を過ごす? | |
| そうは問屋が卸さないわ、だって今夜やらなきゃいけない宿題があるもの。 | |
| あっ私もだ! | |
| そ、それはご苦労様だね…じゃあ少なくとも明かりは何とかしないと…。 | |
| ホイ。 | |
| NDSの液晶の灯りなんかじゃ足りないわよ! | |
| あっ、だけどコレでも他の何かを探す役には立つんじゃ…。 | |
| はっ、そうね…!ろうそくくらい無かったかしら。 つきひ、ちょっとそれ貸しなさい。 |
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| 待って、ココはまず雨雲を出して火を消して…。 | |
| ゲームやってる場合じゃねえ! | |
| あ、充電切れた…。 | |
| つきひ姉…。 | |
| あんた…今日は殺すのに楽な夜なのよ…? 閉め出すだけで凍死体の出来上がり…。 |
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| さーせんしたっ! | |
| ケータイとかはないの…?私のは自分の部屋だから、どのみち 明かりがないと取りにもいけない…。 |
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| 同じく。 | |
| 私もよ…まったく、手探りで寒いなか部屋まで行くくらいなら、直接 ろうそくを手探りしたほうが良いわ…確かこの部屋の戸棚に…。 |
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| 気を付けてねこよみ姉、足元に何があるか…。 | |
| ガツッ | |
| 痛ッッたい!な、何これ!? | |
| あ、それ多分3DO…。 | |
| なんでこんなトコにこのタイミングで置いておくのよ!? | |
| そりゃ…痛いわ…。 | |
| もういい、踏んでいく。 | |
| あああぁァ!今!いまミシッて音が! | |
| ごしうしょうさま…。 | |
| あ、到着…あら、コレじゃないかしら。堅くて太い棒状の…。 ……温かい…? |
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| …こよみ姉、今戸棚開けた…? | |
| ……そういえばまだ到着しただけで何も…。…じゃあコレは…。 | |
| あッ……!センパイ…!もっと激しくつかまつりませい…!! | |
| うぎゃあああああああっっっっ!! | |
| 叫び声はつきひ姉の方がだいぶ可愛いね…。 | |
| ッ…!そ、そんなところ聴き比べなくてよろしい! | |
| 不肖とつき、センパイが温める人肌をご所望と推察し馳せ参じました! さぁさぁ、この熱い棒カイロをご堪能あれ…!なんなら中から…。 |
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| 折る! | |
| ごめんなさいいくらセンパイでもそれだけは勘弁!! | |
| とつきさんいらっしゃい!! | |
| いよっ待ってました!大統領! | |
| あ…あら?意外にも妹君たちからは大歓迎…? | |
| ちょっとあんたたち何迎え入れてんのよ!? | |
| だって、この状況を打破できるのは魔法の力で何でもおまかせの とつきさん以外に考えられないじゃない。 |
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| さささ、ココは一つお気軽にここら一帯の電力復旧でも…! | |
| あらいやだこんなに頼りにされたらお姉さん頑張るしかないわねぇ。 どれ、ココは一つ人工太陽でも。焦土と化すけど。 |
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| 電力だけでいいです。 | |
| もう、テレ屋さんなんだから…でも電力とか地味なのは苦手なのよね… 雷ドカーンと落とすならたやすいんだけど。 |
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| ままならねぇな…。 | |
| でも明かりがないとお姉ちゃんたち宿題とか出来ないし…。 | |
| …結局ろうそくとか欲しいか…。 | |
| なんかハイスペック過ぎて逆に役に立たなくてごめんねぇ…勃ってるけど…。 | |
| ??? | |
| き、気にするなかれん!そ、そうだとつきさん、ケータイ持ってます!? | |
| あるけど。 | |
| 解決! | |
| そっか、その明かりでろうそくを探せば…! | |
| はいどうぞ、優しく触ってね…? | |
| ありがとうございます…コレで戸棚からあ痛った! | |
| 3DO蹴っ飛ばしてるよ…。 | |
| よし、パカッとな。 | |
| きゃああぁぁぁぁぁぁっ! | |
| ちょ、こよみ姉!さっきから黙ってると思ったら! | |
| ふ…ふふ……暗闇の中好きなようにされて…ぐうの音も…。 | |
| ほら…暖かくなったでしょうセンパイ…?次はもっと熱く…! | |
| とつきさん全裸だし! | |
| どこにこのケータイを…!?……なんかヌメってる…。 | |
| …ろ、ろうそくの前に塩辛を…。 | |
| ふぁぁ…おはようかれん…。 | |
| あ、おはようつきひ姉。さすがに寝不足そうだね。 | |
| 宿題が深夜まで終わらなかったしな…ろうそくの灯りじゃどうしても効率が。 電力も復旧して快適な朝…!DSも充電完了。 |
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| あ、電話、はいはいー。 | |
| お姉ちゃんは…起きてこないか…そもそもまともに宿題できたかどうか…。 | |
| つきひ姉…。 | |
| ん?誰からだった? | |
| …連絡網で……雪で通学困難なため、 ここら一帯の小中高全部今日は休校だって…。 |
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| …………3DOでもしよ…。 | |
| こよみ姉は結局一日寝込んだのでした…休校でよかった…。 |
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