●2010年12月
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センパイセンパイ、クリスマスのプレゼントは私が良いですか? | |
なにその押し付けがましい唯一の選択肢…。 | |
頑張って特訓したんですよ、リボンのセルフ亀甲縛り! 今ならギネス級の手っ取り早さで縛ってみせます! |
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ふーん、ちょっとやってみて。 | |
はいっ!びしっ! | |
うおぅ…ホントに早いな…。 | |
さぁセンパイ…!無様に公道に横たわってのたうちまわる この私をご自由にお持ちかえって…!テイクフリー…! |
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あ、もうすぐ二時間ドラマの再放送の時間だわ、急がなきゃ。 | |
ちょ、センパイ!置いてかないで!自分じゃほどけな…! おのれはかったな!! |
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バカでよかった…。 | |
今年はチョコレートケーキ作ろうと思うんだ、楽しみにしててね♪ | |
おぉ…麗しのガトーショコラ…出来た妹で鼻が高いよ…! | |
胸は低いのにねえ…。 | |
死ね姉! | |
あ、おかえりこよみ姉、早かったね。イヴ当日なのにとつきさんに 絡まれたりしなかったの?場合によっては帰らないかと思ってた…。 |
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船越英一郎が私を呼んでたのよ。 | |
だいたい想像は出来るさ…今頃泣く泣くとつき氏は イモムシの要領で帰路を辿っていることでしょうよ…。 |
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よく解るわね…良いじゃない、私は愛すべき姉妹たちと イヴの日を過ごしたかったのよ、ドラマ観ながら。 |
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そのあとはスーパーマリオクラブだからな。 | |
あはは…でも今年は三人一緒に過ごすって決めてたしね。 夕方になったら準備手伝ってね? |
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あいよー。 | |
……………。 | |
ん?どうしたのこよみ姉?外なんか眺めて。 | |
おおかた、石焼き芋屋の声でも空耳したんだろう。 | |
……焼き芋も、食卓に並べない? | |
並べない。 | |
あるよ? | |
あるのかよ! | |
クリスマスなんだしみんなの好きなものを並べても良いじゃない。 もちろんつきひ姉の好きなアレもあるよ? |
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マジか!何から手伝えばいい!? | |
あは…まだいいよ…。 | |
ねえ、アレって何? | |
私はいっぱいお菓子買い込んできちゃった、大皿に盛りつけるからね。 | |
それは良いな、つまみながらパーティゲームでもするか。 | |
ねえつきひちゃんの好きなモノって何? | |
…しかし寒くなってきたね…。 | |
雪でも降ったら良いのにな、今日ばかりは。 | |
ホワイトクリスマスってヤツ?つきひ姉がそんなロマンチックなこと言うなんて。 | |
に、似合わないとか言うな!単に雪が好きなだけだ! | |
何言ってるのよ、彼氏と再開するのは雪の中のクリスマスじゃない、ねぇ? | |
なー!?なーーー!?なんで!?どうして!? | |
あなたのSS系ブログくらい、姉妹の長としては把握済みよ…。 | |
えすえす?なにそれ? | |
せ、せがさたーんだよ妹!それより姉!ちょっと話が…! | |
はいはい、イヴが明けてからねー。 | |
なんなの…?……あっ、ねえねえ!ふたりとも! | |
な、なんだよ……あ。 | |
本当に降ってきたわね…。 | |
わーい、積もるといいな…!テンション上がってきた! チョー甘いチョコケーキ作っちゃうからね! |
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控えめで良いです! | |
…とおかはさ、今日はいちとせのところに呼ばれてるんだ。 | |
…なに?唐突に。 | |
アイツの家は、今日は誰もいないんだって。 | |
………。 | |
今も雪の中、這ってるのかな…。 | |
なに、けしかけてんの?アイツがそんなコトで参るワケないじゃない! | |
…ま、そうだよね。あの人がね。 | |
……あっ、焼き芋屋!ちょっと買ってくる! | |
え、こよみ姉!?芋はあるって…!……行っちゃった…。 | |
私には芋屋の声も聞こえなかったけどね。 | |
……まさかよね、アイツが自縄自縛から抜け出すことも出来ないなんてある訳…。 | |
…はぁ…はぁ…。 | |
!!ちょ、ちょっと、とつき! | |
…あれ?センパイ…どうしたんですか? | |
どしたじゃないわよこんな道路脇で!まだ帰ってなかったの!? | |
今日は誰もいないから…それにほら、雪が綺麗…。 | |
綺麗って、そのせいでびしょ濡れ……ちょ、熱!? | |
あは…クリスマスだからって無理しちゃったみたいです…。徹夜続きで体力が…。 | |
バカなの!?縛りを覚えるために徹夜って…!? | |
あの…センパイ、右のポケット…見てもらって良いですか? | |
…何よ……。……!これ…は…? | |
へへ、めりくり…ホントのプレゼントです…。慣れない銀細工で…。 | |
…私に指輪なんて似合わないわよ…。ほら、行くわよ! | |
あ、あの…出来れば縄ほどいてから…それなりに恥ずかしいので…。 | |
こっちだって恥ずかしいわよそのままじゃ!さっさと結び目をこっち向けなさい! | |
ほら、食器ひとり分多く用意して正解だったろ? | |
すごーい、つきひ姉。予言者? | |
アイギーナくらいな。 | |
どもー、めりくりー。 | |
良いからソファに腰おろしなさい… あ、た、たまたま家の前でね?辛そうだったからね? |
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芋はどうした芋は…。 | |
えへへ、じゃーん、ケーキも出来てるよー。 | |
おおー、美味そうー。 | |
すごーい、かれんちゃん料理上手ねぇ。 | |
ふふ、ありがとうございます、一杯食べてくださいね? | |
やれやれ…ま、一人のクリスマスを過ごさせるよりは良かったかな…。 ただでさえ風邪ひき…風邪……ちょ、とつきあんた風邪は? |
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あ、えっと、治りました、たった今。 | |
はぁ……。 | |
……計画通り、優しいこよみセンパイなら必ず引き返してきてくれると信じてました…! わざわざ雪まで降らせたかいがあったわ…! |
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おいしい?とつき。 | |
はい、とっても!! | |
つきひ姉、なんであの時こよみ姉をけしかけるようなこと言ったの? | |
べ、別に他意はないよ…SSのネタになりそうだなんてコレっポッチも思ってないよ? | |
ふーん…えすえす……ところでつきひ姉の好きなアレ、ちゃんと美味しく出来てた? | |
あぁ、やっぱりかれんの作るアレが一番だな! |
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