●2010年11月
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| えへへぇ、すっかり寒くなってきましたねつきひさん♪ | |
| それが私に体を摺り寄せる根拠か…? 言葉と裏腹にあまり寒くなさそうだぞ? |
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| だってぇ、つきひさんの肌のぬくもりがぁ。 | |
| …おかげで私もある程度暖が取れている事実がある以上 無碍に突き放せない…てかそれくらい寒い…。 |
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| あら、ココはもっとぽっかぽか…! | |
| っあっっ!!そんなトコに手を入れるな!! | |
| あぁんつきひさん、離れないで…! | |
| やはりお前とくっついているのはリスクのほうが大きいようだ…。 そこの地蔵にでもくっついてろ。 |
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| 冷たすぎますよ!二重の意味で! | |
| ……こんなとこに地蔵なんてあったか?毎日通ってる道だけど。 | |
| ええ…あったようななかったような…。どうみても年月を経てますので おそらくずっとあったんでしょうけど…。 |
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| まったく気にもとめなかったワケだ。気付かないことってあるものだな…。 | |
| 私も初めて気付きましたよ♪あのしっとりとした…何とも言えない感触…。 | |
| ソレは忘れろ! | |
| んにゅふ〜、温かいげしゅねぇ〜。 | |
| 朝からずっとこの調子で…疲れるっつの…。 | |
| ……確かに、温かいことこの上なさそうですね…。 | |
| この上なさそうだが…ココに擦り寄るのは負けだと思う…。 | |
| いや、くっつかなくていいから。 | |
| 独り占め〜♪むにむに〜。 | |
| …っつ、つまむなっ! | |
| あぁん…離れちゃやだ…!いけづぅ……。 | |
| …このパタン、どっかで見たな…。 | |
| そうだ、ご両人、来る途中にお地蔵様があるの、ご存知でしたか? | |
| 地蔵…?そんなのあったっけ? | |
| あるげしゅよー、丁字路の突き当たりに。 | |
| よく知ってたないちとせ…やっぱり職業柄…? | |
| …まぁそんなトコげしゅる。 | |
| それがどうかしたん? | |
| いや…何と言うか、気づかなかったコトが恥ずかしいというか申し訳ないというか…。 | |
| そうですね…ずっと見守ってくれてたんですものね、私たちの登下校を。 | |
| …女子中学生の姿を毎日しげしげ眺めるなんて…なんたる変態地蔵…。 | |
| 職業柄そういうこと言っていいのかお前。 | |
| おーす、おは陽鳥。今日も朝日が眩しい…。 | |
| あまり額のことを揶揄するとつきひさんでもどうなるか分かりませんよ? | |
| ごめんなさい…なに?その花。 | |
| 家の庭に生えてたのをちょっと…お地蔵様にそなえようかと。 | |
| ふ、ふ〜ん…殊勝なことで…。 | |
| つきひさんこそ、そのポケットの中のおまんじゅう…。 | |
| こ、コレは小腹が空いたら食べようと…別に備えるわけじゃ…! てかなんでポケットの中身が分かるんだ!? |
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| あら?あれ、お地蔵様のところにいるの…。 | |
| とおかだ、おーす、おはようー。何してんだ? | |
| おっす、お二人さん。ちょっと掃除をね。 | |
| あらあら、すっかりお地蔵様お綺麗になられて。 | |
| ……掃除はともかく、服は着せなくていいんじゃないか? | |
| 気持ち気持ち。たまにはゴスロリ地蔵もいいでしょ。 | |
| よかねえよ。 | |
| あ、じゃお花、どうぞお地蔵様。…つきひさん、おまんじゅうは? | |
| だ、だからコレは私が食べようと…! | |
| ちょりーす!皆の衆!おやおやみんなして地蔵ブームかね? | |
| ブームとか言うなよ…。 | |
| じゃ拙者もー。ほい置いた! | |
| …いちとせのは、なにこれ? | |
| ん?賽銭箱。一円でも入ってたらめっけもん。 | |
| …私は絶対入れませんからね…っしゅん! | |
| お、陽鳥風邪か? | |
| えへへ…はい、実は昨夜つきひさんを思いながら長時間半裸でいたら…。 | |
| 半裸の理由は聞きたくないな…。 | |
| 気をつけるげしゅよー。我々がひとりでも欠けたらこのグループは…。 | |
| グループは…。 | |
| ……。 | |
| 陽鳥なら欠けても大したことないんじゃないか? | |
| ヒドス!つきひさんヒドスぎます!……っちゅん! | |
| ……もう3日目げしゅね…。 | |
| 陽鳥のやつ、そんなに風邪ひどいのかな…つきひ聞いてない? | |
| ……伝染すと大変だから、見舞いには来ないでくれ、とだけ…。 | |
| 隔離病棟げしゅね。 | |
| そんな言い方するなよ…。 | |
| ともかく、そういう事なら一刻も早い回復を祈るほかはないね。 | |
| ……そうだな…。 | |
| あれ?なんしゅか?陽鳥ちんが欠けて一番凹んでるのつきひちんなんじゃ? | |
| ばっ…!そんなんじゃなくて、ただヤツがいないと 張り合いがないというかつまんないというか…。 |
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| そういうのを凹んでるって言うんじゃないのか。 | |
| ……あ、そうか……。 | |
| そういう事なら、登校してきた陽鳥んが喜んでくれるよう、机の上に お花を飾っておくげしゅね。 |
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| …おまえ、なんか今回不謹慎だな…。 | |
| にょーん!! | |
| うー…寒……辛そうで辛くないちょっと辛い朝…。 | |
| つきひさーん!おはようございまーす!!! | |
| お、来たな、でこっぱち。 | |
| ヒドス!…てへへ、ご心配おかけしました。もう大丈夫です! | |
| そっか。でもまだマスクとかしてるじゃないか。 | |
| あ、コレは一応用心のため…それに、つきひさんの体で温まるから平気です!えい! | |
| ったくもう…ほどほどにしろよ? | |
| あら?嫌がらないんですか? | |
| ………まぁ…今日くらいはな…。 | |
| ???まぁいいや、じゃ思いっきりくっついちゃいます!とう!むに! | |
| ひゃぅっ、それはよせ!! | |
| あ、お地蔵さまもお久しぶりで……あら? おまんじゅういっぱい…お供え? |
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| ………なんでこっちを見るんだよ…。 | |
| いいえ、つきひさん大好きです! | |
| …ったく……。 | |
| でも賽銭箱は空ですね。 | |
| 入れるかよ…。 | |
| ……んー、今日も入ってないげしゅねぇ…おまんじゅうはいっぱいなのに…もぐもぐ。 | |
| 勝手に食うなよ…だいたい勝手に賽銭箱なんか置いて、良いのか? | |
| 幼少のいちとせ製作としては会心の出来栄えげしゅるのに…。 | |
| ……まさかお前、この地蔵…。 |
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