●2010年9月
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| ママが言ってた…夏は終わるって…。 | |
| ひと夏のアバンチュール…私たちには縁のない言葉だったのね…! こよみ先輩とあんなコトこんなコトあったでしょうしたかったのに…! |
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| あの…お二人? | |
| 誰だよ夏は女を開放的にするって嘯いたペテン師は!? | |
| いつにも増して警戒心の強くなったセンパイ…おまけに 猛暑過ぎて外に出たがらないだなんて…。私の夏の青写真が…。 |
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| …大変だったんですねぇ…。 | |
| なにさ!みそかあんた随分平和そうな顔してるじゃないさ! | |
| ひ、陽鳥さん口調おかしいです…! | |
| ひとりだけかれん嬢とイチャイチャしてリア充決め込んでたってワケ…? | |
| はい。 | |
| 『はい』じゃねええええ!! | |
| ひゃっ…ご、ごめんなさい、 ちょっと花火と祭りとプールと海と一緒に宿題しただけですから、お気になさらないで…。 |
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| そんだけマンキツしてて気にするなという方が無理だわよ! | |
| あ、あとバーベキュー。 | |
| くそう…!二学期は見てなさい、みそかも驚くような急接近を…! | |
| そういって毎年…。 | |
| 言うなああぁぁ!! | |
| ……とは言ったものの、割と今の緩い関係も気に入っている陽鳥なのでした…。 今日も4バカでバカやって…って丸くなってちゃいけない…あれ? |
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| ………。 | |
| よっ! | |
| ぴきいっ! | |
| みそかじゃない、なんでひとりで下校してるの?かれんちゃんは…? | |
| あ、陽鳥さん…あの、かれんちゃん、今日もお休みって…。 | |
| …今日"も"って、ずっと休んでるの?まさか二学期になってずっと? | |
| ………。 | |
| もう3日は経つわよ、どうしたの一体?お見舞いには行った? | |
| ……行った……んですけど…会ってくれなくて…。 | |
| なんで!?みそかにも会えないってどういう…!? | |
| ど……どうしましょう…!陽鳥さん、かれんちゃん、私のコト…キライに…。 | |
| ま、まさか!きっとちょっと命に関わる重い病気で面会謝絶なだけよ! | |
| それはそれでうわああぁぁん! | |
| つきひさんは普段どおりの様子だったし、そう一大事でもないと思うけど…。 いや……つきひさんのコトだから無理していつも通り振舞ってる可能性も…。 |
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| お、どうしたんだ陽鳥、まだ帰ってなかったのか……小学生泣かせて…。 | |
| ち、違いますよコレは!しかしぐったいみん!つきひさん聞きたいことが! | |
| ぱんつの色なら教えないぞ。 | |
| それも気になりますけど!かれんさんのコトで…! | |
| あ…それ、泣いてるのみそかちゃんか…えっと、この件にはノーコメントで。 | |
| 怪しい! | |
| つっ…つきひお義姉さん…どうしてか、かれんちゃん…会って……れな…! | |
| どさくさにスゴイ呼び方してるけど。…本人に口止めされてるんで…。 | |
| !!…や、やっぱり、私に心配かけまいと病状を伏せて…! | |
| つきひさん!無理しなくて良いんですよ!泣きたいときは私の胸で泣いて! | |
| 胸?どこ? | |
| ぎゃわぁぁぁん! | |
| と、とにかく私はコレで。あんまり詮索してくれるなよー。 | |
| み、みそかちゃん、大丈夫…? | |
| は…はい…陽鳥さんこそ大丈夫ですか…? | |
| あんたに心配されたい箇所じゃない。 | |
| 私…決めました。このままかれんちゃんに会えないなんて考えたくない! 絶対になんとか会ってみせます! |
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| おお、勇ましい! | |
| だって…だって、もしこのまま会えないままさよならなんて…わたし… う…うえぇぇ…。 |
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| あんまり勇ましくない! | |
| 話は聞かせてもらったわよ娘さん! | |
| はっ、この声はまさか! | |
| アイコンでバレバレじゃない。とっきー見参。とうっ。 | |
| マンホールの中からとうって出てこられても。 | |
| 要はセンパイ宅へのスニーキングミッションでしょう?力になれると思うわよ。 | |
| は…はい!よろしくお願いします! | |
| なんか物々しい単語聞こえたなぁ…。 | |
| あんたも手伝うの!可愛い後輩のため! | |
| わ、私もつきひさんに無理に笑っててほしくないですし!協力します! | |
| よーし、じゃあんたは目くらましの役ね。 | |
| 自尊心を傷つける役回りは遠慮させてください。 | |
| …ホントに開いた…とおかさん、この鍵どうしたんですか? | |
| "野暮なことは言いっこナシよ。通信機は大丈夫?" | |
| はい、聞こえてます。どうすればいいですか? | |
| "いま向かいのビルから見てるわ。かれんちゃんは二階の自室、様子は分からないわね。 一階応接間にはつきひちゃん、ゲームしてるみたい。センパイは…。" |
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| 見えるところにいますか? | |
| "裸眼では直視できないけど…こ、この音は……に、二階トイレ……に…!" | |
| 聞こえるんですか!? | |
| "ハァ…ハァ……ミッション変更よ、あなたはカメラを持って二階のトイレへ…" | |
| お断りします! | |
| "じょ、冗談よ…ちっ…おそらくセンパイはトイレから出たら自室へ戻るわ。 かれんちゃんの部屋とは隣だから、物音で気づかれやすく、厄介ね…。" |
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| 自室へ戻る、その根拠は? | |
| "女にはどうしても我慢できないタイミングがあるのよ…私はセンパイを熟知してるからね。 周囲に気を使うタイミングでもあるから気をつけないと。" |
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| ……?はぁ…。 | |
| "トイレから出る前にかれんちゃんの部屋までたどり着くのがベストね。 応接間から玄関や階段は見えないし、とっとと入っちゃいなさい!" |
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| はいっ!みそか行きます! | |
| ぴんぽーん。 | |
| "あんた何インターフォン鳴らしてるのよ!?" | |
| だ、だって人の家にあがるときは…! | |
| はーい? | |
| や、やばい、こうなったら…! | |
| がちゃ…どなた…。 | |
| 陽鳥フラッシュ! | |
| うおっまぶしっ | |
| ”今よみそかちゃん!もう強引に突っ込んじゃいなさい!” | |
| は、はいっ! | |
| …陽鳥、グッジョブよ…。 | |
| まさか向かいのビルから目くらましが通用するとは…我がなら泣きたいです…。 | |
| かれんちゃんの部屋は…二階の奥…。 | |
| うぃ〜…今日も出ない…今月入って一度も…あら? | |
| こ、こよみさんっ…! | |
| 陽鳥フラッシュ! | |
| うおっまぶしっ | |
| ありがとう陽鳥さん! | |
| ……私の胸でお泣き、陽鳥…。 | |
| 泣く胸がある…いいなぁ、ぐすっ。 | |
| かれんちゃん!! | |
| ……!み、みそかちゃん…!?ダメ、そのドアを開けては…! | |
| …………!! | |
| ……み、みそかちゃん!? | |
| ……誰? | |
| ひああぁぁん!みそかちゃんだけには見られたくなかったのにぃぃ! | |
| みそかちゃん…夏休みはかれんをいろいろ遊びにつれてってくれてありがとうね…。 | |
| こよみさん……こ、これは? | |
| おかげで日焼けしまくってめくれた肌はボロボロ、日焼け跡はくっきり、 おまけに潮風で髪もガビガビでとても人前に出られた状態じゃないって…。 |
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| ……だから、休んでたんですか…。 | |
| そんな理由で休むなんて言えないでしょう?だから私もつきひも口止めを…。 | |
| 見られちゃった!よりによって…みそかちゃんに…!あぁん忘れて…!! | |
| ……かれんちゃん……。 | |
| …っ!?みそか…ちゃん?泣い…? | |
| あはっ……あははははっ…な、泣くほどみっともないよ…!あはははは…! | |
| み…みそかちゃん…泣きたいのは私だよ…うええぇ…。 | |
| まぁ…良かったんですかね、センパイ。 | |
| そうね。さりげなく貴方がこの場にしゃしゃり出なければね。 | |
| そんなイケズなこと言わずぅ…センパイの部屋戻りましょ?お手伝いしますよ? | |
| な、なんであんたそのコトを…!? | |
| 今日もつきひは休みかー。 | |
| どしたんげしゅかね?ひどりん何かご存知では? | |
| ……あの一発で、真っ黒に日焼けしたんだって…。陽のもとに出られないくらい痛いって…。 | |
| い、一発って、お前…! | |
| とおかりゅんの思惑とは違うと思われ。…えっち。 |
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