●2009年8月
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| 君、知るかね。 | |
| ええ、知ってますよ。 | |
| なら、良い。 | |
| …おい、会話が続かないだろ。 | |
| だって知ってますもの。アレでしょ? 三丁目のラーメン屋が3ヶ月持たずにもう潰れたって話。 |
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| しょっぱ!塩ラーメンだけに! | |
| 味噌だったよ。 | |
| えっと、もちろん違うげしゅり。 | |
| あら、違ったの。 | |
| 満を持して潰れたラーメン屋の話をされても困るぞ。 | |
| 最近…とあるwebサイトが話題になってるのげしゅ…。 | |
| タレントブログ炎上とかいうヤツ? | |
| あー、私そういうの良くわかんない。ケータイもパソもないし。 | |
| とおか家は健全なんですね。 | |
| そんなとーかりゅんが愛しいわい。 | |
| 続けろよ、話。どういうサイトなんだよ。 | |
| つきひたそがまさかの進行役。 | |
| 早くしないと、ただではおきません。 | |
| ひっ!ウワサよりつきひんの方が怖ス! | |
| なに?怖いサイトなんですか? | |
| そ、そう!ソレが言いたかったんげしゅりん! | |
| 会話を尋常に進めない天才だな、ボクたち。 | |
| そのサイトを見たものは、…必ず身辺に魁夷が現れると言う…! | |
| …それは、怖いですね…! | |
| 怪異だろ。 | |
| ソレが言いたかったんげ | |
| で?アドレスは?見てやろうじゃん、この陽鳥のケータイで。 | |
| ややややめてー! | |
| …誰も、アドレスは知らないのげしゅ…。 | |
| ナニソレ、それじゃ誰も見られないんじゃ。 | |
| …とある単語でで検索して、はじめて発見できるらしいげしゅ…。 | |
| その単語とは…? | |
| その単語とは…? | |
| その単語とは…? | |
| ……その、単語とは…。 | |
| こよみ姉ー! | |
| お、お姉ちゃん!? | |
| あら、どうしたの二人とも慌てて帰ってきて。トイレ争い? | |
| 用を足しに姉を誘うかよ! | |
| あのあのあのあのね、今日学校で変な噂聞いて、それで…! | |
| はい?その噂が私と関係あるの? | |
| とにかく、身辺に何も変なこと起こってない?大丈夫? | |
| 変なことって…今まさに変な妹たちが。 | |
| …ふぅ、大丈夫そうだね、つきひ姉。 | |
| よくよく考えたら、お姉がサイト見たってワケじゃないしな。 | |
| ???…見えないんだけど…どんな噂? | |
| き、聞いてもしょうがないよ、下らないし。 | |
| そそそうそう、お姉は心配せずにダイエットに励んでて。 | |
| …ぬあぁ、ソファに座ってるようで空気イスなのばれてたか。 | |
| さて…と。帰ったらいつものようにPC起動ー。 ゲーム情報サイトを巡回しないと…。 |
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| コンコン、つきひ姉、入っていい? | |
| ん、かれん?どうぞ? | |
| おじゃまします…ねぇ、つきひ姉は、気にならない? | |
| …そりゃ、気になるに決まってるけど…見たら災いが起こるって。 陽鳥も結局見せてくれなかったし。 |
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| 普通ならソレで良いけど、私たちは避けてたらダメだと思うの。 もし、知らないところでこよみ姉に何か起こったら…。 |
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| ……そうだな、私も迷ってたけど…見てみるか。 | |
| うん、二人で見れば怖くないよ、きっと。 | |
| ん。じゃ、ググるぞ…。 | |
| 検索ワードは…。 | |
| こ よ み 。 | |
| ねえねえ、とおか聞きなさいよ。聞けって言ってんだろ。 | |
| 聞いてるよ…何? | |
| 最近私ッたら、ブログなんて始めて見たのよコレがまた。 ほらぁ、今どきの女子高生ならブログの一つや二つ当然じゃない? |
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| 貴方が今どきの標準的な女子高生であるかどうかに対しては 疑問符の一つや二つ当然だと思います。 |
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| 切り返し長いわよ。勢いやテンポを考えなさい。 | |
| お笑い番組の構成作家か。 | |
| ま、これも日々つらつらと文章を書いてる成果かもね。 最近になってアクセス数がモノすごく伸び始めて。 |
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| へぇ、物好きもいるものだ。 | |
| それに関しては同意するわ。何しろ私自身のプライヴェートな心情を セキララに吐露してるだけだし、まさか他人に理解してもらえるなんて。 |
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| お姉ちゃんに理解者ねぇ…理解に苦しむよ。 | |
| そういうわけでまたブログ更新しなきゃ。 あんたと話してる暇はありゃしないの、引き止めないでよねっ。 |
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| 塩辛の瓶で殴るぞ。………ちょっと待って。 | |
| あによ、引き止めないでって…。 | |
| お姉ちゃん、パソコンなんて持ってないよな。 | |
| 持ってないわよ。 | |
| ケータイも、持ってないよな。 | |
| あんなチャチなカラクリ持たなくても、通話なんて脳髄一つで出来るもの。 | |
| じゃどうやってブログなんて…。 | |
| おバカね、人間の神経伝達はみんな電気信号なのよ。 | |
| いや、その理屈は全然わっかんないけど、いつものやり口なのは理解できた。 …それじゃ、もちろん文章の内容は…。 |
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| もちろん!私の大好きな…。 | |
| ちょっと、二人ともつきひの部屋?もう晩御飯できるわ…何? | |
| イエ…ナントカ…。 | |
| 解くべきじゃなかった…この謎は、解くべきじゃなかったんだ…。 | |
| 何を言ってるの。パソコン?ゲームでもやってたの? | |
| だ、ダメ!こんなの本人が見たら!私たちでさえ深い傷を…! | |
| ダメだ、ブラウザが閉じない!何という悪しき想念…!! | |
| あら、コレ、もしかしてとつきの日記? | |
| え。 | |
| こよみ姉…なんともない? | |
| 何が?全く、相変らず病的な文章ねぇ。読む人のこと考えないのかしら。 と言うかサイト全体からなんだか禍々しい瘴気が出てるわね。 |
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| そ…そんだけ? | |
| こんなウィンドウ、消しちゃいましょう、えいっ。 | |
| 消えた!なんで!? | |
| 無益なことに時間使ってないで、配膳手伝いなさいー。先下りてるわよー。 | |
| ……こよみ姉…。 | |
| お姉は…いつもこんなのと闘ってたんだ…。そして勝利してきたんだな…。 | |
| 私たちのこよみに、敬礼っ。 |
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