●2009年3月
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ただいまー…っと。 | |
せんっぱー!おかえりなさー! 私とお風呂に入ります?私を食事します?それとも、わ・た・し? |
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さってと、今日の買い物当番は私だっけ…。 | |
あぁん、さっそくの放置プレーイ!熟練の技ですわ! 先輩先輩!もうすぐ春ですよ?変をして見ませんか!? |
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あなたは先走って変しちゃってるわけね…。いつもだけど。 | |
言うじゃないですか、春先はおかしな人が増えるって。 | |
実感してるわ。もう、無人の我が家に先んじて乗り込んでいる点に ツッコむ気力もないし。で、今日は何? |
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春だけに!サワラせて下さい! | |
あぁ、魚へんに春で「サワラ」だから?面白い面白い。じゃあね。 | |
つれないなぁ!魚なのに! | |
上手いこと落とすな。まぁ、今日は買い物以外することないし 大人しくしてるんだったらお茶の一杯くらいごちそう…。 |
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大変大変大変!こよみ姉こよみ姉! | |
あ、かれんちゃんおかえりなさい、おじゃましてます。 | |
あー、とつきさんいらっしゃーい。 | |
…さっきまでの慌てっぷりは…? | |
そ、そうなのそうなの!どうしよう!? | |
慌てないで良いから、落ち着いて、最初から順番に話しなさい。 | |
それは約46億年前のこと…。 | |
そんなに最初から話さなくて良い。はい、深呼吸。 | |
ひっひっふー。 | |
先輩ったら…このうちではこんな深呼吸を伝えてるんですか? もう、準備万端なんだからぁ! |
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そんなわけないだろう。それで? | |
こ、これ! | |
…にゃー〜…。 | |
あら。 | |
わ、ネコちゃん。可愛いわねぇ。…食べちゃいたいくらい。 | |
あらあらあら。 | |
…あの、今のは割とツッコミどころだったんですけど…先輩? | |
あらあらあらあらあらあらあら。なでなでなで。 | |
あ、あのね、こよみ姉は極度の動物好きなの。 ウチは姉妹全員動物好きだけど、こよみ姉がいちばん。 |
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あらあらあらあらあらあらあらあらあらあらあらあらあらあら。 なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで。 |
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や、やめたげて先輩!この子のひたいが擦り切れちゃう! | |
お姉ちゃん、それでね…? | |
んもう、分かってるわよ。お父さんお母さんの遺言で動物は飼えないけど、 引き取り手を見つけるまでくらいなら捨て猫の一匹くらい…。 |
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え、死んでるんですかご両親? | |
死んでません…。 | |
あ、あの、それが…。 | |
あら、みそか嬢、いっしょに来てたの? | |
は、はい。それでですね、こよみさん、実は…。 | |
にゃ〜にゃ〜にゃ〜にゃ〜…。 | |
一匹どころじゃないんだ…。 | |
あらあら(×100)。 | |
や、やめて、やめたげて先輩!まんべんなく全部の猫がはげる! | |
老師…意外とお優しいんですね…。 | |
い、意外とは余計よ。 | |
だからね、里親が見つかるまで一時的に預かれる数じゃないの…。 どうしよう、こよみ姉…。 |
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元の場所に戻してらっしゃい。 | |
無理! | |
そうね、あたしも無理。 こうなったら、一刻も早く里親を見つけだすしかないわ…。 |
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え、で、でも、この数ですよ!?そんなにすぐに全員の引き取り手なんて…。 | |
無茶だと分かっててもやるしかないじゃない。 この子達は、おもちゃみたいに捨てて良いモノじゃないんだから。 |
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先輩…カッコイイ……! | |
とつき、指令。 | |
はい! | |
この子達を捨てた輩に、あらゆる方面からの制裁を。 | |
先輩…オソロシイ……! | |
…どうだった?かれん。 | |
ダメー…。この辺は犬飼ってるお家が多いし、団地とかはペット禁止だし…。 | |
ペットじゃないよ!家族だわよ! | |
そうは言っても…。あ、みそかちゃん、おかえり。どう? | |
…関連企業当たればすぐだと思ったのに…「良い機会だから 自分で何とかして見なさい」ってお父様に…。 |
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割と教育熱心な親御さんなのねぇ。 | |
とつき!あんたはずっと居間にいたの!?ちょっとは協力しなさいよ! | |
何をおっしゃいます、私が先輩の力にならないわけがないじゃないですか。 今、私の影分身がこの町中を徘徊して…。 |
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壁新聞? | |
影分身。あ…あっ!?こ、コレは…!? | |
ど、どうしたの!?何か見えたの!? | |
4丁目のコンビニが潰れたと思ったら、アダルトショップになってる…! うわ、コスチュームとかすご、ナニコレ、こんなトコに穴が…。 |
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分身が人に見られないからっておかしなところ探索してるんじゃないわよ! | |
…?何のことだろうね、みそかちゃん。 | |
え、えっと…は、はい、なんだろうね…? | |
ちなみにこの分身を使って、時折先輩の寝姿を…。 | |
嘘おっしゃい、いつも寝る前にはとおかちゃん謹製塩辛結界を張ってるわよ。 | |
くっ…!よく出来た妹め! | |
あのさ、漫才は良いからさ、この子たち…。 | |
にゃ〜…にゃ〜…。 | |
あらあらあらあらあら。 | |
くっ…!まただ!また先輩が、私にも見せたことのない恍惚の表情に! 早く何とかしないと! |
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うん、早く何とかしないと。 | |
使命感の向いている方向が違う気がします。 | |
ただいまー…ん、猫くさい。 | |
何で分かるの!? | |
おかえり、つきひ。見てよ、この子たち…。 | |
…おぉ…。なんだコレ、桃源郷ってダンボールに入るサイズなのか? | |
触っても…良いのよ? | |
…あったかくて、ぷにぷにしてる…。毛もまだまだ柔らかいんだね…。 | |
あっ…!あんまり強くしないで…! | |
良いなぁ、あたしもそれ、やりたいなぁ。 | |
???なんだろうね、みそかちゃん? | |
え、えっと…あの…なんだろうね、毛って? | |
ん、大体事情は察した。ちょっと、ついてきて。 | |
??? | |
はい、たしかに、お預かりしましゅ。 | |
おしまい。 | |
……は? | |
いやね、ウチの神社、もともと境内にいぱーい猫が住み付いてたんげしゅる。 ほしたら、ソレが話題になっちゃって、今や猫目当てでの参拝客が多数…。 |
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今さら数匹増えても変わらないってワケね。はー。 | |
お客がエサも持ってきてくれるし、頼んでないのにボランティアさんが 用足しの処理もしてくれるし、客も増えたし、ウチはありがたいことづくめで。 |
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…商魂しか見えないんだけどなぁ…。げしゅは猫好きなの? | |
つきひたんくらい好きげしゅ! | |
それは、かなりのものね。 | |
うん、そうだね。 | |
な、なんでそういう判断になるんだよ…。と、とにかく一件落着! | |
あたしも、かれんちゃんのこと…。 | |
じゃ、先輩先輩!時々ここに猫さんたちに挨拶に来ましょうね! | |
うん、そうね。お土産にユーカヌバとか持って。 | |
また高級品だなぁ。 | |
一緒に! | |
ひとりで。 | |
がーん! | |
あはは…。私たちは、一緒に来ようね、みそかちゃん。 | |
うん…! | |
あー、ところでチミたち。 | |
あに? | |
猫目当ては構わないが、神社なんだから来るたびに 賽銭くらいは入れてくれたまえよ? |
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萌える商魂! |
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