●2006年7月
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| たすっ おぼっ しぬっ | |
| あにやってんの陽鳥。そうやって溺れたフリして 助けて貰おうと思ってるの?ベタベタよー。 |
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| しまっ そのっ てがっ | |
| …え、まさか、本当に泳げないの!? ちょっと待ってろ! |
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| あ、足つきました。 | |
| ズコー!! | |
| 水中で転ぶなんて、器用ですねつきひさん。 | |
| いやいや…こう言うときにズコーは礼儀作法というか…。 ていうかあんた泳げなかったんだ、知らんかったよ… |
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| …でも、おかげでつきひさんがこうやって助けに来てくれて… ぷにぷに。 |
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| …お腹の肉をつまむのは屈辱的なのでやめて貰えますかしら。 | |
| そういえば以前みんなで海に行ったときも、ロクに水に 入ってなかったっけ。 |
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| そーそ、つきひたんの水着姿に耐えられなくて何度か 向こう見ずに飛び込んでたげしゅけれど。海だけに向こう水ー。 |
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| じゃあ、私は水に浸かっている間は安全というコトね。 | |
| ふやけるよ。 | |
| ほらほらー、陽鳥さーん、あはーん。 | |
| っか、肩紐をずらして! | |
| おぅ、セクシィ。 | |
| つ、つきひさん!!今参りまげげぼぼがぼ……。 | |
| 本当にダメなんだな。 | |
| げしゅね。 | |
| ていうか早く助けようよ!あぁぁ、どっか流れて行っちゃった… あ、おでこ光ってる。あそこだ。 |
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| 優等生で通ってる委員長が泳げませんではまずいんじゃないの? | |
| 放っておいて下さい。泳げなくて困るコトなんて 伊勢湾台風くらいしかありませんし。 |
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| …それ、結構切実じゃないの? | |
| さっきの授業でも結局泳がずじまいだったし… 少しは努力したら?やらなきゃやれないよ。 |
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| 結構です。他の種目で保健体育は及第点ですから。 | |
| …ほ、保健も…? | |
| 実技もばっちこいです。 | |
| なに興奮してるんだ、とおか。 | |
| 細工は流々仕上げをご覧じろー、でげしゅ。 | |
| おー、何処行ってたんだいちとせ。休み時間潰して。 | |
| 休み時間を放課と言うのは名古屋だけらしいげしゅる。 | |
| え、そうなんですか? | |
| あと冷やし中華にマヨ | |
| いいから、何処へ行ってたんだ。 | |
| そうそう、聞いて喜べひどりたん!!いや、ひどりちん? | |
| どっちでも良いです。 | |
| ひどりぼん!朗報げしゅ! | |
| すいません、ぼんはやめて下さい。 | |
| 先生に掛け合って、放課後プールの使用を認めて貰ったげしゅる! これでさんざん特訓したあげくに結局…げしゅ! |
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| その後ろ向きな未来予想図の仄めかしはなんですか! | |
| そういうわけで、名古屋では放課後という言葉は使わないんだよな。 | |
| 授業後になるの?そうなんだ。 | |
| 別段驚く風でもなく! | |
| やるんだろ?陽鳥。夏のネタとしては定番だものね。 | |
| やりません。言ってるじゃないですか、泳げなくて困ってはいないって。 | |
| 放課後、もう一度、あのつきひぼんの水着姿がルックイットアップ。 | |
| ざわ。 | |
| …おお、反応はしたけど、挙手には至らない。 そんなに水が嫌いだとは…。 |
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| あの、ぼんはやめて。 | |
| アレだ、つきひさ、泳げるようになったら何かご褒美あげたら。 | |
| ざわわ。 | |
| 突っ伏しているのに髪が逆立ち始めてげしゅ。 | |
| えー、なんでよ。コイツが泳げるようになったって、百害あって一利なし。 水の中でも襲われるようになっちゃうんよ? |
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| でも、もし伊勢湾台風が来たら…。ひどりぎゅんは…。 | |
| む…ま、まぁ泳げるに越したことはないけど。 じゃあ、賭けにしよう。ご褒美では一方的だし。 |
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| 賭け?どういうこと? | |
| 今日中に陽鳥が、そうだね、25m泳げるようになったら、 二人きりで夏休みにプールに遊びに行こう。 |
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| いちとせさん、プールは具体的には何時から使用可能ですか? | |
| うゎ、すっげえやる気になってる。 | |
| で、泳げなかったら…陽鳥の、毛を剃る。 | |
| ドコの!? | |
| さぁ、行きましょう!午後の授業なんて放棄して! | |
| だからー、放課後だって言ってるげしゅ…。 | |
| 聞いてねえな、リスクの部分。 | |
| ……………。 | |
| さすがのひどりも、物理法則にはあらがえないみたいだね。 | |
| もう日が暮れてきたげしゅね。水温も下がるし、そろそろ。 | |
| まだです!!まだ今日は6時間あります! | |
| というかつきひは帰ったし。 | |
| きゃあ!!水着姿はいずこ!? | |
| しかし、いくらなんでも10mの壁すら越えられないんでは… 水泳部部長のこのいちとせにも、今日一日でどうにかなんて。 |
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| 部長だったの!? | |
| 今のところは。 | |
| …まだ、諦めたくないです。つきひさんの為にも…。 | |
| そんなに、一緒にプールに行きたい? | |
| もろちん♪ | |
| だろうね。 | |
| でも、それだけじゃ…多分、つきひさんは賭けなんて持ち出して、 私にハッパを掛けて下さったんですよ。 |
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| そうかにゃ。 | |
| その厚意に報いるためにも、是非泳げるようになりたいんです。 そして、一緒にプールでぷぷぷぷっ |
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| 赤く、水面が赤く。 | |
| 分かったげしゅ…自分も今回の話を持ち出した身、 最後まで責任もってコーチに当たるげしゅ! |
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| よろしくお願いします! | |
| …ん、がんばれ。 | |
| …ふぁ、もうこんな時間か…日付変わってるし…。寝るか。 | |
| つきひちゃん、電話よー。 | |
| …え?こんな時間に?誰だよ、もう…。はい。 | |
| 「……生え際だけは…これ以上は…勘弁して下さい…。」 | |
| は? |
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