●2005年7月
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楽しかったねー、みそかちゃん。また来ようネー。 | |
あ…うん、でも…わ、私とで、いいの? | |
え?何?いいじゃんまた来ようよー。 | |
だ…だって、私、泳げないし…今日だって、膝までの プールでビーチボール遊びしてただけだし…。 |
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面白かったんだから良いじゃない。別にプールに来たからって 泳ぐ義務があるワケじゃないし。楽しくなかったの? |
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う、ううん!楽しかった!すっごく楽しかった! | |
うん、じゃあ約束ね!また今年の夏の内に、もう一回来る! | |
ゆびきり…げんまん。えへ、約束。 | |
じゃ、また明日、学校でねー。夏休みに入ったら もっと遊ぼうねー! |
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うん!!また明日ね! | |
はぁ……威勢良く別れたのはいいものの、あれだけ楽しい時間を 過ごした後だと、やっぱり一際寂しい一人の帰路…。 |
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む、おぬし、死相が出ておるな。 | |
きゃ、し、師匠。電信柱の影で待ち伏せて縁起でもないこと 言わないで下さい。まだまだ死ぬわけにはいかないんです。 |
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告った? | |
え?…あ、あわわ?な、なななななにを!?!? | |
だから、いい加減かれんさんに告白したの?みそかちゃん。 | |
こ、告白って…!わ、私たちはとっても仲が良くて気の置けない 親友同士なんですから、なんで告白なんて行動に出る必要が…。 |
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してないのね。 | |
…ぐっ。 | |
今さら親友を気取ってもダメよ。世間にはそういう体裁を繕っている かもしれないけど、私には全てお見通しなんだから。 |
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ていうか、もともとその辺をお互い知っているから師匠と弟子の 関係になったわけですけどね。 |
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御託は良いの。みそかちゃん、貴方夏を前にして、このままの 二人で良いと思っているの? |
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な…なんですか、急に差し迫ったような表情で…。 | |
夏は女を開放的にする季節。もし、あなたとかれんさんが女と女の 関係であったなら、その勢いで一気にゴールイン、なんて事も…? |
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ご、ゴールって何処なんですか?女と女のゴールって!? | |
モロッコ? | |
性別が逆ですよ…。それに、私今の状況に満足してるんです。 わざわざそれを壊しかねない行為に出るなんて…。 |
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…本当は、満足なんてしていないくせに…。 | |
…ぐっ!?さっきから、心の奥を抉るような事を…!? | |
当たり前よ、私と貴方は同類なんだから。手に取るように解るわ。 ましてやかれんさんは貴方のことを憎からず思っているはず。 なんであと一歩に踏み出さないの!? |
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今日はやけにつっかかりますね、師匠…。 まさか、また…? |
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……つきひさんったら、私の再三の告白ににべもなく……。 | |
…実はもう今のいたちごっこを楽しんでたりするでしょう? | |
とにかく!!夏休みまでに!かれんさんに告白をすることを 貴方に義務づけます!玉砕覚悟で当たって砕けれ! |
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あ…あの、悪い方をイメージする単語をふんだんに 盛り込まないで下さい…。 |
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振られたって死ぬわけじゃなし!女は他にもいるって! | |
も、もう砕けたあとの慰めに入ってますよぉ…!! | |
でも、本音ではいつまでもこのままズルズルってつもりじゃ なかったでしょう?いい機会だと思って。 |
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…じゃあ、師匠もつきあって下さい…。もう一度、つきひさんに 告白、してもらえますか…? |
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え?そんなことでいいの?安いモンだわ。 | |
……ソコまで慣れるのもどうかと思うなぁ……。 | |
おっはよー!みそかちゃん、昨日は楽しかったねー! | |
あ、か、かかか、かかかかれんちゃん、おおおはよーヨーグルト…。 | |
「よー」がかぶってないよ…?どうしたの?ちょっと顔が赤いよ? | |
(うわぁぁ…師匠があんな事言うから、なんだか意識しちゃうよー…) なななんでもないよ?か、かれんちゃん。 今日も薄手のキャミソがさりげなくえろっちいね。 |
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きゃ!?そんなトコ見てたの?今日もって、もしかしていつも? | |
わ、わーっ!つい本音が!?じゃなくて、誤解誤解! 冗談だよもう…!お、女同士でそんなこと考えないよぅ…! |
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うーん…でも、姉二人があんな感じだから、女同士でも そーいうのはアリかと思っちゃうんだよねー。 |
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(あ…チャンス…!) か、かれんちゃんは、女同士の関係ってどー思う? |
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こよみ姉やつきひ姉みたいな?うーん、アリかナシかで言えば、 アリだと思うなぁ…。恋愛にさ、決まった形なんて無いと思うし。 |
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ほ、本当?じゃあ…! | |
でも、私はちょっと柄じゃないなぁ。男の子の方がいいなぁ。 | |
…?みそかちゃん?目に見えない何かを吐き出してるような表情? | |
あ…あはは…いえ、なんでもないっす…。 | |
やっぱり調子悪いの?無理しない方が良いよ? プールって想像以上に体力使うモノだし、疲れが残ってるのかも…。 |
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いや、体力というか精神力が…。 | |
どーしよう?まだ学校に着いてないのになんだけど、 保健室いく?私、一学期は保健委員だし。 |
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え?…い、いいよ、わざわざかれんちゃんの手を煩わせなくても…。 | |
…ていうかさ、一時間目っていきなり図工じゃない。 私、絵を描くのって苦手だし…。 |
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あー。 | |
……そんなに深く納得されるのも寂しいなぁ…。 それにさ、実は絵の具忘れちゃって。 |
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あー。 | |
だからそんなに納得しなくても…。 そういうわけで、口実になってくれない? |
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…じゃあ、かれんさんのお役に立てるのなら…。 (実際、傷心で授業に身が入らないだろうし…)。 |
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うん、じゃあ、私が時間中つきっきりで看病してあげる! | |
え!?そんな!? | |
いやなの? | |
いや、そんなわけ無いじゃないですか! (今だけは一人にして欲しい本音ですけどー!) |
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じゃ、行こう、保健室。直接校舎の外から入れるから、こっちこっち。 | |
ああ……幸せなような残酷なような、複雑な心境……!! | |
保健の先生、一時間目は会議なんだって。風邪薬置いて 行っちゃった。いい加減だねー、風邪かどうかも解らないのに。 |
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あ、いえ…お構いなく。草津の湯でも治らないと思いますし…。 | |
くさつ?特撮?まあいいや。寝た方が良いよー。せっかくだし。 あ、何なら子守歌でも歌ってあげようか? |
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いえ、いいです。お絵かきもそうだけど、かれんさんの 芸術方面への感性は現代には先進的すぎるので…。 |
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…それ、褒めてないよね。ふんだ。もう諦めてますよ。 じゃあさ、何かして欲しいこと無い?保健委員にお任せ。 |
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え、えーっと、あの……何でも? | |
うん、何でも。 | |
本当に?本当に何でも?あられもないことでも? | |
あられは保健室にはないけど…あ、ある。あの先生…お茶菓子まで。 あられ食べたいの?違うよね? |
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ツッコミづらいボケはやめて下さい。 | |
…それがお願い? | |
ちゃうねん。そ、そーじゃなくて…。 (こ、この際、もう叶わない恋なら思い切って…!) か、かれんさん! |
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うん、何? | |
て!手を…握っててください…!ね、眠るまで………。 | |
うん、いいよー。 | |
………えぇぇええ!!い、いいんですか!そんなはしたない! | |
果てしなくはないでしょう、寝るまでなんだから。 | |
…またツッコミづらい…。 | |
ほら、ぎゅ。 | |
!!!! | |
おやすみ…みそかちゃん。 | |
あ、あうううう………。 (逆に興奮しちゃって、眠れそうにないよぉ…!!) ……あの、少しお話ししてても良いですか…? |
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うん、なぁに? | |
かれんさんは…男の方しか、好きになれないんですよね…? | |
好きの意味にもよるけど…。女の人と恋愛出来るほど、まだ 愛とかそういうモノを知らないだけかも知れないしね。 |
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じゃあ、あの、将来的には…? | |
わかんないよ。さっき言ったじゃない、愛は自由だって。 私も、出来れば年齢や性別に縛られない、自由な恋愛をしてみたいし。 |
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(あ…ダメ、ドキドキしてきた…手から鼓動が伝わっちゃうかも…!?) も、もしも、私が、かれんさんの事を…。 |
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??もしも? | |
………………………………………………!! もしもじゃないです!仮定じゃないです! 私、わたし、かれんさんのことが、好きです! |
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わたしもみそかちゃんのコト、好きだよー。 | |
……は? | |
なに?今さら。私たち親友じゃない。好きとか今さら。 また変なマンガでも読んだの? |
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そ、そんなベタベタなぁぁ……。 | |
……あ、寝ちゃった。話し疲れたのかな?おやすみなさい。 | |
……すや、すや…。 | |
へへ…私たちの好きも、もしかしたら未来には形を変えているかも…ね。 手、温かい…。 |
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……というわけで、一応告白したにはしたんですけど…今まで通りで。 師匠は、どうだったんですか? |
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…………あぁ!? | |
…聞くなって顔ですね。 | |
あらぁ、どうしたのお二人さん?しょぼくれた胸して。 | |
胸は関係ないでしょう! | |
老師、おはようございます。ずいぶんとご機嫌ですね。 | |
んふー♪そりゃそうよ。何たってこよみ先輩と夏の予定を 取り付けたんだから♪るん♪ |
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…それって、現実のこよみ義姉様ですよね…? | |
さぁ?どっちでもいいし。 | |
(…この人には、勝てない…!!) |
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