●2005年4月
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ふぁぁ…おはよぉ。…あら?かれんは? | |
あ、おは。まだ寝てるみたいだよ。 | |
へぇ、珍しい…。普段なら一番に起きてて、 コーヒーとかトーストとか用意しててくれるのに…。ちら。 |
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な…あ、あたしにそんなモノ期待するな。 いいじゃない、春眠暁を覚えず。春休みだし。 |
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そうね、たまには。今日は自分でパンを焼きますか。 | |
そうしろ。 | |
ばたん、かちっ、ぶううぅぅぅ……ん。 | |
それは電子レンジだ。 | |
ぴんぽーん。 | |
はーいはいはい。今行きますよー。 | |
そんなに何回も返事したって聞こえないよ。 | |
がちゃ。あら。 | |
あ…お、おはようございます。 | |
おはよぉ、みそかちゃん。どうしたの?かれんに用事? 温かいパン食べる? |
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なんで生なのに温かいんですか…? いやあの、そうじゃなくって。てことはかれんちゃんは? |
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まだ寝てるわよー。起こしてこようか? 寝起きの顔は面白いわよー。 |
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あ、それはいいかも…。いえ、あ、あの。 今日、お出かけの約束があったんですけど。 |
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え?そうなの?おかしいわね…かれんが約束の 時間を忘れて寝坊するなんて…初耳だわ。 |
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………………みそかちゃん…? | |
あ、かれん…って。ちょ、ちょっと? | |
ばたんきゅう。 | |
きゃーっっっ!!かれんちゃんっ!! | |
なんだなんだ?どうしたぁ? | |
近所の野次馬みたいにのっそり出てくるんじゃないの! ほら、手伝ってつきひ! |
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…はぅぅ…。 | |
はぁ…はぁ…。 | |
なんでこーいう時に限って風邪を引くかなぁ。 せっかくの春休みなのに勿体ない…。 |
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もう、こんなに汗かいて…胸もこんなに真っ平らで。 | |
そ、それは関係な……あぅぅ…。ぺちゃ。 | |
そんな…ツッコミを入れる気力もないだなんて…。 | |
季節の変わり目はひきやすいって言うしね。 今日は安静。風邪薬持ってくるから飲んで寝なさい。 |
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え…あ、みそかちゃんとの約束が…。 | |
そ、そんなのいいから!お買い物なんていつでも いけるから!休んで下さい! |
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で…でも、苺タルトの半額セール、今日まで…。がくっ。 | |
か、かれんちゃん、かれんちゃーん!! | |
寝かせたいのかそうでないのか。しかし、かれんの 食い意地も風邪には勝てなかったか。 |
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私、行きます! | |
どこへ? | |
もちろん、苺タルトを買いに!止めないで下さい! | |
…いや、止める理由もないし。じゃついでに、 アレとコレとソレとドレと買ってきて。 |
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あれ……使いっ走りですか? | |
まあ…でも、みそかちゃんみたいな臆病なコに 駅前の喧噪を一人歩きさせるのも可哀想か…ぴっ。 |
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え…ケータイ?なんですか? | |
うん、私。…イヤ、泣くなよ。ええとね、お願いがあって… みそかちゃんが…タルト……え?あ、ちょま……。 |
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??? | |
いや、陽鳥をつきあわせようと思って連絡したんだけど、 話の途中で飛び出していったみたいで。 |
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あ、師匠ですか。 そりゃ電話なんか貰ったら舞い上がるだろうなぁ。 |
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うっしゃあああぁぁぁっっ!! | |
うわ!早! | |
つ、つきひさん!ご注文の品お届けに上がりましたわ! 『天からタルト!』全巻セット!初版! |
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違う。 | |
え…じゃあ大穴の『まじかるタルートくん』…? | |
なんでマンガばっかり持ってくるんだ。 | |
うう…あとは本命の苺タルトしか…。 | |
それだよ!てか本命を最初に出せよ! | |
素敵です、師匠…。 | |
うぅ…ん。ひどり…さん? | |
あら!?かれんさんが寝てますよ? お風邪をお召しのご様子…苦しそうですね。 |
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電話は最後まで用件を聞け。ていうか知らないのに かれんの部屋に飛び込んで来るかよ。 |
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愛の……嗅覚? | |
全然相容れない単語だな、愛と嗅覚って。 | |
ほら、かれんちゃん、苺タルトだよ。元気出して。 | |
なんでいまわの際に接するような態度で。 | |
ほら、まだそんなモノ食べさせちゃダメ。 とりあえずこのおかゆ食べて、食後にクスリ飲んで。 |
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あ、おかえり。おかゆなんか作ってたから遅かったのか。 | |
レンジでチンだけど。 | |
今日はレンジ大活躍だな。 | |
ふー、ふー。はい、あーんして。 | |
あーん。 | |
はい、ぱくっ。 | |
ぱくっ。 | |
わー!!それやりたい!私それやりたいです! | |
そうなの?じゃはい、あーん。 | |
いや、食べる側じゃなくて。 | |
とつきさんだったら失神モノだろうな…。 | |
………出ましょうか。 | |
法廷へ? | |
争いません。ここはみそかさんに任せて。 | |
…そうね。たまには陽鳥ちゃんもいいこというじゃない。 | |
うは、とげとげしい。 | |
…ん。じゃ、そういう事なんで。お願いねみそかちゃん。 | |
え…あ、はい。 | |
ぱたん。 | |
へへ…任されちゃいました。看病なんて手慣れないけど 勘弁して下さいね。 |
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ううん…ごめんね、こっちこそ。せっかくだったのに。 | |
いいえ、タルトも師匠が買ってきてくれたし。 それに、みそかはいま幸せですよ。 |
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ん…あ…そーなの…?じゃ良かった…。 | |
なんかぽーっとしてる見たいですね。とにかく、 冷えないウチにおかゆを…ぷーっ、ぷゅーっ。 |
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それ、わざと唾液を混ぜようとしてない? | |
うっ、ツッコミは相変わらず鋭い。 | |
ぱく…もむもむ。 | |
………。 | |
えへ…おいしい。 | |
作ったのは私じゃないんだけど… そういわれると照れちゃいますね。じゃ、もう一口…。 |
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ありがとう、ね。 | |
え? | |
ありがとう…みそかちゃん。 | |
な、なに?改まって…お礼を言われる事なんかないですよ。 | |
…なんとなく、ね。ごめ、ちょっと寝るね…。 | |
あ、じゃあこのお薬を…。水差し水差し…。 | |
………すー。 | |
あ、寝てしまいました…。お薬も飲んで貰えないなんて 看護婦失格ですね…。おかゆも残っちゃったし…ぱく。 |
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すー、すー…。 | |
そっか、鼻が詰まってるから口が半開きなんですね…。 | |
すー、すー…。 | |
唇…ちょっと乾いちゃってるけど、ぷるぷる…。 | |
すー、すー…。 | |
え、ええと…。 | |
すー、すー…。 | |
………………………。 | |
すー、すー…。 | |
……………………………………………………。 | |
すー、すー…。 | |
や、やっぱりダメですっ!! | |
なんじゃそりゃぁぁ!! | |
きゃぁぁっ!!み、みなさん!ドアの向こうで聞いてたんですか!? | |
いや……だってねぇ。 | |
そのために退室したんだし。 | |
そーいうウブなところがみそかちゃんの可愛いところだけどね♪ | |
なー、な…あ…あうぅぅ…。 | |
怒るんじゃなくて照れるのがまた可愛いわよねー。 | |
も、もーっ!知りません!ぱくぱくっ。 | |
あ、また食べた。 | |
みそかさん…それ、間接キッス。 | |
!!!!!! あ、あああああああああぁぁぁぁぁ……ぷしゅぅぅぅ。 |
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伸びてしまいました。 | |
かれんと一緒に寝かせておこうか。起きた時の反応が きっと面白い事でしょうよ。 |
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ふふふ…おぬしも悪よのう……。 せっかくだし、ふたりとも服を脱がせて…。 |
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それは、やりすぎ。 |
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