●2004年11月

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楽しかったね、かれんちゃん♪
え、あ、うん、そうね…。
ぐったりやつれた風体で、何を生返事を。
あ、つきひさん、おじゃまします。えへ、今日は文化祭だったんです。
小学校で文化祭やるのも珍しい気もするが…。
で、ふたりのクラスは何をやったの?
メイド喫茶。
カルマ深すぎ。
もうやんなっちゃって…こういう日だから一般公開するんだけど、
なんか変な大人がいっぱい入ってきて…ジロジロと。
えー?そう?お客さんもみんな親切だったよ?私が転んで
ジュースひっかけちゃっても、怒らなかったし。
…ドジっコ萌え…。
ていうか、誰がそんな企画持ち込んだの?
私。
あー。
ネコミミメイドのかれんさん、可愛かったです…ぽ。
しかもネコミミかよ!みそかちゃんも師匠に毒されてきたな…。
あんなドロ…なんとか、はくからスカートの中蒸れちゃった…。
シャワー浴びてくるね…。
そこまで徹底的だったか。…みそかちゃんは応接間で待ってる。
ああん、一緒に浴びたかったのに…。
…写真あとで見せてね。
撮ったことバレてる…。
がちゃ、おじゃましまー。あ、つきひちゃん、イイトコに。
ウチの姉知りませんか?
知らない。…ってか、またなにかやらかしたの?
いや、なんかふたりで姿をくらましたって…。
ふたりって、…まさか。
うん、あなたの、お姉さん。
ど、どういう状況で失踪したんですか?
うん、ボクも伝聞なんだけど…。
わーーーーっっっ!!
な?かれん!?
つ、つつ、つきひ姉!!お風呂が、お風呂が!!
きゃーっ、かれんさん!さ、さっきのデジカメはどこにしまったけ!?
かれん、少しは隠せ。で、話の流れからすると
お風呂にはふたりの手掛かりがある流れなんだが。
…え、つきひ姉、鋭い…。そうなの、ふたりが…。
あ、じゃあお姉ちゃんもそこに?…なにしてたんだか…。
あれ、とおかさん?なんでここに?
そりゃ、そのふたりを追って。…いいかげん隠せ。
え??え??
いや、だからその風呂場にいたふたりを追ってとおかは…。
もう…ちっとも入ってきて下さらない。
げしゅー。
お前らかぁぁ!!
な、なんで師匠達が!?
いや、つきひさんがシャワー浴びにくるのを待ち伏せしようと。
ほら、つきひさん下校したらいつもシャワー浴びるから。
…なんで人の生活習慣を熟知してるんだ。今日はかれんが
入りたいって言ったから先に譲ったの。…で、げしゅたぽは何故?
塩素拾い。
風呂に入れるか!!
…えと、じゃあつきひ姉の言ったふたりって言うのは…
とおかさんがいることだし…。
そ、察しの通り。
あ、それで失踪の状況は、一体…?
あ、うん、お姉ちゃんの学校は今日文化祭で、こよみさん
メイド喫茶やってたんだけど…。
……流行り?
ネコミミメイド姿のこよみさんを見て、我を忘れたお姉ちゃんが
こよみさんを抱えて瞬間その場から消失したって…。
そこで超魔術かよ。てかネコミミも流行り?
ネコミミ…つきひさん……ハァハァハァ。
そこ、妄想を逞しくしない。
げしゅ、てことは?今頃こよみたんは、ぺろり食後?
え、縁起でも無いことをさらりと…。
かれんさんを、ぺろり…ハァハァハァ。
そこ、妄想を逞しくしない。
…まあ、そんなわけでウチに手掛かりを求めてきたワケね。
なんだか先月もこんな流れだった気がするけど、然り。
普通に考えれば、もうこよみさんは無事ではいないですね…。
うわああぁぁん!こ、こよみ姉〜!お、お赤飯を……。
いかん、錯乱してるな。大丈夫、あの図太い姉なら
自力で窮地から脱出してくるよ、かれん。
脱出しないほうが…
我々としては希望が…。
そこ、結託しない。
ん〜、なんかウチらも同性愛しないと村八分な感じ?
いや、気にしなくてイイと思うけど…。
だ、だれが同性愛者よ…。たらいま…。
ああ〜!こよみ姉!なんで無事に帰ってきたのよ!?
な、なんて言い様。妹のくせに。
いや、ネタ的にかれんの言い分にも一理ある。…いやいや、
てかどうしたの?一糸乱れぬメイド服姿で。
ホントだ…すごい、私たちのメイド喫茶とは比べモノにならない。
いや…それがさ、ハンズで買ってきたメイド衣装で給仕してた
わけよ。出来合いのコーヒーとかジュースとか。
…うわ、いきなり萎える現実的文化祭の実情。
こないだハンズでハゲヅラ買ったよー。
流します。それで、急にもの凄い形相でとつきちゃんが教室に
入ってきて、大声で叫ぶのよ。
な、なんて?
「こんなの、ホントのメイドじゃない!!」
………求道者、か。
そんで、連れ去られて、このなんかアンティークなメイド服に
着替えさせられて。…見てよ、スカートの中、カボチャパンツ。
こ、これはドロワーズと言うんです!
…わぁお、みそかちゃん。
で、この姿にして、なんか高級そうなティーセットを持たせて、
その姿を眺めたら満足そうにうなずいて、紳士風に去っていった。
……お姉ちゃん、そんなこだわりがあったんだ…。
まあ、一時はどうなることかと思ったから安心したけど。
で、この格好のが安全かもって、このまま帰ってきたわけ。
メイドさんは神聖なものですからね。
なに、その確信的な発言。
じゃあこれにて一件らくちゃ…なに?この玄関の隙間から
入り込んでる糸の束は…?
こ、これって、髪の…。
ばたんっっ!!
しまったぁぁ!!なんで満足して帰ってるの私!?
目の前に据え膳置いて!!せ、センパァイ!
きゃああ、出たぁ!
お、お姉ちゃん、落ち着いて!もう遅いの!
今回は自分に負けたの、ね、お姉ちゃん?
う、ううう、メイド姿のこよみ先輩を蹂躙し倒すチャンスを…。
私ともあろうモノが…ブツブツ…。
あ、あは、じゃあ失礼しマース。
………そのカッコも安全じゃないみたいね、お姉ちゃん。
うん、着替えてくる。
……えっと、私たちの文化祭はいつでしたっけ?いちとせさん。
ねえよ。
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