●2003年10月
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| ただいま〜、あたたた…。 | |
| わ、すっごい腫れてる。 包帯の上からでも分かるくらい。 |
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| もう、たまの運動会だからってはりきり過ぎよ。 目の前ですっ転ぶなんて。 |
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| あんたの所為だ、あんたの。 | |
| あら。二人して悪者呼ばわりするの? バナナ皮の表面を滑らすつきひちゃんも かなり器用だと思うけど。 |
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| そんな自前ツッコミ…。 | |
| 塗り薬塗り直した方がいいよね。持ってくる。 | |
| ああ、そんなに心配しなくても大丈夫。 ちょっとひねっただけだし。 |
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| ちょん。 | |
| 〜〜〜〜〜〜ッッッ!! | |
| あらら、痛そう。 | |
| なにしてるのこよみ姉!触っちゃダメ! | |
| いや、柔らかいのか堅いのか気になって。 | |
| もう、あっち行ってて!なんでそういうこと ばっかりするかなぁ。 |
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| …だって、ブルマじゃなかったんだもの…。 | |
| ……期待するな、そんなこと。 | |
| 包帯取るよ…うわぁ、青紫。 | |
| 言わないでよ…よけい痛くなる。 | |
| どうする?塗り薬、自分で塗る? | |
| お姉さんに任せていいのよ。丁寧に、まんべんなく、 たっぷり塗りたくってあげる…♪ |
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| どっから沸いた、迷惑魔神。 | |
| なによぅ、せっかく打ち身捻挫擦り傷に良く効く 秘伝の軟膏を探してきたというこの姉に…。 |
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| え?そんなのあるの? | |
| ウチのことで分からないことは、少ししかない。 | |
| 貸して貸して、こよみ姉。 | |
| やーよ。私に塗らせて。 | |
| やだー。私が塗るー。 | |
| ……私はどう反応すればいいんだろう。 | |
| じゃ二人で塗ろう。はいつきひ姉、足出して。 | |
| ちょっとだけよ。 | |
| なんで気分出してるの。 | |
| うわぁ、いかにもって感じのいかめしい壺。 …なんか、封印のお札が貼ってあるんだけど。 |
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| まさか、電子ジャーじゃあるまいし。 開けるわよー、べりっ。 |
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| きゃー!ぴっころこうていが! | |
| 出ないって。…うわ、中身も凄いわねこれ。 | |
| 思いっきり新鮮なわさび色…いかにも染みますって感じ。 | |
| …わたし、本当にコレ塗られてしまうの? | |
| 間髪入れずぬりぬり。 | |
| わっ、心の準備が…!あ、でもそれほどには…。 | |
| …ホントに大丈夫?だんだん顔が怖くなってるよ? | |
| あ、後から来るタイプみたい…。あ、ちょっと これ…ホントにワサビじゃないの…?かなり 来るんですけど…!! |
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| あ、ホントにワサビだ。さっきの封印に書いてある。 | |
| 何でそんなモノが壺に入れて保管してあるの〜! | |
| 分からないことは、少ししかない。 | |
| そして、つきひはそのワサビ事件が元で短い人生に 幕を下ろすのであった…がくっ。 |
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| ヘンな自前ナレーションで落とさないでよ…。 |
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