山本は俺の中に残っていたこれっぽっちのプライドをズタズタに引き裂いた人だ。どうせ俺なんか何やったって駄目だし、元々大したプライドなんか持っていないつもりだったのに、俺の中の最後の砦とも言える、男としてのプライドを山本はズタズタに引き裂いた。一度引き裂いた上に踏みつけて粉々にした。山本は自分の行動が俺のプライドをズタズタに引き裂いていることを知らない。俺は情けなくて情けなくて死んでしまいたくなるのに山本はいつも楽しそうだ。

「動くと危ないぜ」
 俺の下腹部の茂みにシェービングローションを塗りたくって、山本は剃刀を構えた。剃刀が肌に当てられると暴れたくても暴れられない。いつ手が滑ってスパッといくか分からない。怖い。痛いのは嫌だ。
 ゾリゾリと嫌な音をたてて毛が剃られていく。剃刀が当てられる度に毛穴が引っ張られて、チクチクした淡い刺激が俺を襲う。茂みが消えて肌が露出した部分がスースーする。
 やがて茂みは綺麗に取り除かれた。シャワーで肌に張り付いた毛を洗い流しながら山本が満足げに笑う。恥ずかしくて直視できない。毛を剃られながら俺は自然と勃起していた。先から透明な液体が溢れて亀頭はぬるぬるになっていた。
「変態」
 山本が耳元で囁く。酷く情けなくて泣きたくなった。 大の大人が陰毛を剃られてここだけ子供みたいにされたのに、俺はぞくぞくした快楽が身体を這い上がってくるのを感じていた。
「可愛いよツナ」
 言いながら今まで毛に覆われていた柔肌に舌を這わせた。余計なものがなくなったせいで感度が増した気がする。下腹部がびくんと震えた。
「性器にホクロあると淫乱らしーぜ」
 山本が俺の陰のうを揉みしだきながら言う。
「ここにホクロあんの、知ってた?」
 言いながらチンコの根本を指でつつく。そんなの知るもんか。俺は首を振る。
「見てみる?」
 そんな自分の性器なんかわざわざ見たくない。山本は俺を煽って俺のプライドをズタズタにするのが得意だ。
「チンコだけ子供みたいになってて可愛いのな」
 言いながら山本は俺のチンコの根本、今まで毛に覆われていた部分を執拗に責める。舌が肌を撫でる度に、直接触って欲しいとアピールするようにチンコはピクンと震えてカウパーを垂れ流すのに、山本は触ってくれる素振りすら見せない。
「や、だ……」
 俺は呟いた。
「何が嫌?」
 山本は俺に卑猥な台詞を言わせようとする。その台詞を言うのは逃げてしまいたくなるほど恥ずかしい。だけどそんな自分に興奮する。
「っ、ツナのケツマンコっ……山本の、おっきいチンポで、っ、突いて……!」
 山本は黙ったまま俺の両足を抱え上げ、カウパーと唾液が垂れてグズグズになっていた俺のアナルを一気に貫いた。
「あっ……あぁあっ、山本っ、」
 待ちわびた刺激に思わず背中を震わせた。
「気持ちぃ、かよ、淫乱っ……!」
「ぅ、んっ、きもち、い……!」

 山本はガンガン腰を振る。俺はそれが堪らなく好きだ。身体的に気持ち良いのは勿論だけど、山本にガンガン掘られるのは酷く興奮する。
「毛、剃られてチンコビンビンにして、ケツ掘られてアンアン言って、ホント変態なのな、ツナは……!」
 山本は俺を蔑むようにハッと短く笑った。
 男のくせに尻の穴にチンコ突っ込まれて尻の穴で気持ちよくなって、ついでにトコロテンしちゃった時点で俺のプライドはズタズタだったのだ。それもとっくに昔の話で、山本は俺の残り少ないプライドをどうやって殲滅しようか今も考えているのだ。でもどうしてか、今はそうされることに興奮している。パイパンにされても変態の淫乱と罵られてもチンコをビンビンにしてしまうのは、やっぱり俺が変態で淫乱だからかもしれない。それとも山本が俺をそういう身体にしたんだ。辱しめられると興奮する身体。
「イっ、イく、あっ」
「駄目」
 山本が腰の動きを止めた。どこまでも意地悪だ。俺のプライドをジリジリ削り取る気だ。
「や……」
「じゃあ、おねだりして」
「お願い、イっ、イカせてくださいっ……!」
 ビリリと引き裂かれる音を聞いた。
「……っ、可愛いなツナは……!」
 山本が腰を振る。硬くて熱いチンコで前立腺をズリズリ擦られて思考に星が散る。俺はもう何が何だか分からなくて男の癖に女みたいに扱われてひいひい喘ぐのに、山本はそんな俺がいいらしい。俺が喘ぐと山本は熱に浮かされた顔をして可愛いと呟く。俺はそれが好きだった。
 山本の毛が生えた大人のチンコが俺を犯す。俺のチンコは毛のないツルツルの下腹部の上でビタビタ腹に叩き付けられながら、ダラダラ情けなくカウパーを垂れ流す。そのコントラストに目眩がした。
「こんなんで俺以外の奴とセックスできんの? ツナ」
 山本はこうしてまた俺のプライドをへし折る。パイチンだから山本以外の誰ともセックスできないのは勿論、俺はケツ穴を掘られて気持ち良くなっちゃうような男だから、この先女の子も抱けないだろうと、山本はそう言っているのだ。
 確かにそうかもしれない。最初は嫌だったけど、今は山本の与えてくれる快楽が気持ちよくて仕方がない。
「やっ、あっ、イきそ……!」
 太さや硬さがはっきり分かるくらい、俺のケツ穴は時折ひくひくしながらぎゅうぎゅうと山本のチンコを締め付けていた。その度に山本が眉間にシワを寄せて耐えるような表情をするのが堪らなく好きだ。それからその後ニヤリと笑うのも。
「ケツ穴だけでイくのかよ……変態」
「――……っ! ぁっ、あああぁっ!」
 耳元で囁かれた途端、俺はイってしまった。精液がびゅくびゅく胸に跳ねる。またトコロテンしてしまった。しかも今日は最初から最後まで一度もチンコを触ってないのに。山本も腰を大きく振って、俺の一番奥に射精する。その感覚に身震いした。山本のいいように扱われて都合のいいように変えられていく身体。それを思うとまた興奮してしまう。
 ずる、と山本がチンコを引き抜いた。ぽっかり開いたアナルはまだひくついている。毛のない下半身が精液でドロドロなのを見て山本はフッと笑った。俺は堪らなくなって山本にしがみつく。すると山本は嬉しそうに、優しく俺を抱きしめるのだ。まるで酷く愛されているみたいで、それでまた俺は山本にだったら全てを許してしまいたくなるのだった。











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