注意

・アダルトビデオのぬるい描写があります
・下品です
・最終的には山→ツナ
・→は性欲の矛先
・ちあきでもちはるでもちえでもちなつでもなく“でーちも”の“ち”















 俺が今熱をあげているのは、無名のAV女優だ。いやそもそもAV女優なのかも分からない、どこにも名前が出ていないのだ。男優のおっさんは彼女をちーちゃんと呼ぶ。ち、から始まる名前なのだろうか。ちあき、ちはる、ちえ、ちなつ……挙げたらきりがない。素人かもしれない。でも素人が顔出しでAVに出たりなんかするだろうか?その辺は俺にはよく分からない。何にせよ探しようがなかった。
 ちーちゃんは小柄な女の子だった。身長が低く痩せ気味で、胸もなくてお尻も小さい少女。柔らかそうな茶色い癖っ毛と黒目がちな大きな瞳が印象的。でもそれだけだった。ロリ嗜好な男には堪らないのかもしれないが、生憎俺は胸のでかい大人のお姉さんのほうが好きだ。好きだった、筈だった。

 彼女と出会ったきっかけは、通販で手に入れた激安AVセットだった。レンタル落ちしたものや何らかの事情でケースが紛失したものを数枚まとめ売りしている奴。有名な女優が出てるものは含まれていない。激安というだけあって、値段相応の内容ばかりだった。中には何も書かれていないDVDもあって、もしかしたら違法コピーとかそういう奴なのかもしれない。

 ちーちゃんはその中の一枚のDVDに出演していた。DVD自体には何も書かれていない。再生すると、ベッドの縁に腰かけて恥ずかしそうに俯くちーちゃんが現れる。画面が変わってベッドの上。ここからちーちゃんは太った汚ならしいおっさんに汚されていく。カメラワークはなかなかだった。ちーちゃんは恥ずかしそうに嫌々したり目を瞑ったりする。おっさんの指が身体を這い回る度、唇を噛んで耐えるような表情をした。時折控え目な喘ぎ声が聞こえてくる。おっさんはちーちゃん可愛いねと鼻息を荒くしながら自身の赤黒いそれを一気にちーちゃんに挿入した。ちーちゃんは浅く息を吐いておっさんを受け入れた。おっさんは小さな彼女の細い腰を掴んで激しく腰を振る。ちーちゃんは喘ぐ。喘ぐ喘ぐ喘ぐ。暫くしてちーちゃんは小さな声で、いっちゃう、と溢す。おっさんは腰を打ち付けるのを止めない。ピクンとちーちゃんの足が痙攣して、おっさんはその瞬間に素早く自身を引き抜き、ちーちゃんにぶっかけた。このときのちーちゃんの表情が堪らない。恍惚の表情。初めて見たとき、その半開きの口にねじこんでやりたいと思った。こんな年幾ばくもない幼い女の子に対してそんな感情を抱いたのは初めてで俺は愕然とした。変態じゃん俺。つーか犯罪。

 勿論大人のお姉さんも好きな俺は、普通にお姉さんの揺れるでかい乳を想像しながら自慰したこともあった。でもちーちゃんを想像して自慰したときの、何つーか後味?みたいなのが、他のオカズとは全然違う。幸福感っつーか満足感っつーか、とにかく何か満たされる。普通だと虚しくなるだけなんだけどな。

 それに気付いてからは、ちーちゃんを使って自慰をすることが増えた。純情そうな彼女の顔を滅茶苦茶に歪ませたい。脳内でちーちゃんは遠慮がちに腰を振る。可愛い。小さな、最初は恥じらっていた女の子が自分から腰を振っている。異常に興奮している自分に気付いた。ロリ嗜好な男の気持ちが分かった気がした。征服感が満たされる、っつーかそんな感じなんだろう、多分。

 それでも俺はリアルでロリを好きになることはないと思っていた。小学生の女の子が道を歩いていても裏路地に連れ込もうなんて思考は全く浮かんでこない。そう俺はロリなら何でもいいわけじゃない、ちーちゃんが特別なんだ。俺は普通の女の人が好きな常識人だ。



 しかしそう誓った数ヶ月後、俺は絶句したまま動けないでいた。目の前では茶色の髪の毛が居心地悪そうにしている。俺はそれを凝視していた。いやでも、世界には自分に似てる人が三人居るって言うけど。

「……お前、姉とか妹とか居る?」
 唐突の質問にそいつは変な顔をしたが、ちゃんと答えてくれた。
「俺、一人っ子です」
 俺。そうだ男だ。紛れもなく男なのだ。着ているのは男子の制服なのだ。だがしかしどうして、顔が俺の専らのオカズ、ちーちゃんにそっくりなのだ。彼に見つめられるとちーちゃんに見つめられている気になる。つまり、このシチュエーションは……そう、俺の性欲に直結するのである。いや待て俺、こいつは男だ。女じゃない。胸はないぞ。いや、確かにちーちゃんもそんなになかったけど。それにこいつには何より俺と同じモノがついている。そんなんが裸になってみろ、欲情するわけがない。モノを目にしたところで萎えるに決まって……、

「あの……山本、くん?」

 男のくせに身長の低いそいつは上目遣いで俺を見る。ちゃんと顔を上げてこっち見てくれよ、何でよりによって上目遣いなんだ。俺の中の欲望がムクムクと頭をもたげてきている感触がした。いや実物の話じゃなくて。

 そいつは俺にガン見されて恥ずかしいのか、そわそわしている。AVのワンシーン、ベッドの縁に腰かけて恥ずかしそうに俯くちーちゃんの姿とダブる。純情そうな彼女の顔を滅茶苦茶に歪ませたいと思ったのだ。脳内で映像が勝手に再生された。

 ベッドの上。俺が組み敷いているのはちーちゃん……じゃなくて、目の前にいる男だった。別に自分と同じモンがついてたって気持ち悪いなんて全然思わない。むしろ身を捩らせて抵抗する彼に欲情した。その顔を滅茶苦茶に歪ませたい、ぶっかけて汚したい、恍惚の表情を見てみたい、その半開きの口にねじこんで……って。

 そこまで暴走して俺はやっと我に返った。と同時に、目の前の彼から慌てて視線を反らした。男に対してそんな感情を抱いたのは初めてで俺は愕然とした。変態じゃん俺。つーか、ロリコン以上に変態。変態に以上も以下もないかもしれないけれど、まさか自分が男に興奮するなんて夢にも思わなかったから。

 散々待たされて痺れを切らしたのか、彼が俺の手を取ってぐいと引っ張ったので、俺は慌てて逃げ出しトイレに駆け込んだのだった。












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ごめんなさい




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