…綺麗な、小河のほとりに、
私はいた。
「のりつねー?」
「義経…か?」
あいも変わらず、敵同士だというのに…
こやつは人懐っこい。
「お前って、何でいっつもふて腐れてんの?」
「なっ…ふて腐れてなど…!!」
義経は私の頬に触れると、
「笑ってみたほうが可愛いのにー」
と、はしゃぐ。
暫くすると、ふっ、と二人の間に笑顔が出来る。
これはこやつの『人徳』なのかと、私は思う。
眩しい程の光を放っている。
それはともに、奥州に留まることなく、
全土に広がるかもしれない。
――そうなっては平家にとっては脅威なのだ。
「…教経?」
ふと考え込んだ私を、義経が見ている。
「どうしたんだよ、また難しい顔して」
「なんでもない」
いつかは会えなくなる
いつかは話すことすら叶わなくなる
だから
今だけここにいたい
平家ではなく、
一人の人として
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初めての遮那王小説で御座います!!
…つか何ヶ月ぶりの文章なんだorz