「ごめんね、ほむらちゃん。さっきは酷いこと言っちゃって……」 「ううん、お互い様だし気にしないで…… それに、さっき変身してわかったんだけど、多分ソウルジェムのせいだと思う」   ひとしきり泣き終えてスッキリした私たちは……そのままなんとなく、 くっつきあったまま、だらだらいちゃいちゃしていた。   「ソウルジェム?」 鹿目さんは聞き返しながらも、私の胸をいじり続けてる……この、助平さんめ。 とはいえ、私も既に嫌悪感は覚えない。ゆったりとした官能を味わいながら言葉をつなぐ。 「ジェムの濁りが所有者の精神状態にフィードバックしてるんじゃないかな。 さっきから二人とも怒りっぽかったり暗くなりがちな原因はそれなんだと思う」 魔女へと堕ちかけた鹿目さんは言うまでもなく、私も時間停止の乱用で魔力をずいぶん浪費してる。 そして、変身するとより顕著に、ジェムの濁りが感情に作用するのが体感できた。   「それは解かるけど、ジェムのせいだけでもなく、アレも結局本心ってことだから……」 「そういう一面があることは否定しないけど、それが全てな訳ないわ。人間って追い詰められると どうしても極端に走っちゃうものだから……美樹さやかや巴マミが、そうだったでしょう?」 「さやかちゃん……マミさん……」 鹿目さんが瞳を曇らせる。 二人の名を出したことをしまったと思ったが、振り払うように強引に話を続けた。 「だから、なるべく楽しい事だけ考えて、暗くならないように気をつけて。 でないと私達まで自滅しちゃ……きゃぁ、あんっ?!」 突然胸の先端を摘まれて、おもわず一声鳴いてしまう。 「もぉっ! 話してる時、そこは止めてよっ!」 キッと鹿目さんをにらめつけたのだが、彼女は意に介さず、 「楽しい事って、コレでしょ?」 茶目っ気たっぷりの笑顔でそう微笑えみ、更に片手をくわえた愛撫で腰骨のあたりに触れてきた。 「まだ、話は終わって……あ、あぁ……ふぁぁ…んっ…」 羽毛でなでつけるような、絶妙なこそばゆさに溶かされて、たちまち言葉は意味をなさなくなっていく。 ……不用意に仲間の話題を出した私を、諌めているのだろうか。   「ねぇ……そんなの後でもいいでしょ?」   ――違う。 仲間の死を悼んでいるのかと思ったが、違う。 「今は、わたしのことだけ考えて欲しい……」 彼女はただひたすらに私だけを見つめている。 「鹿目さん……」 壊してしまったなと、改めて思う。 昨日までの鹿目まどかなら、亡くした仲間を蔑ろにするような真似は絶対にしなかった。 「わかった。いいよ。だから代わりに、鹿目さんも私のことだけ考えてね……」 そして彼女を壊してしまったのは私だ。そのことを自覚してなお、そんな事を乞い願う。 今は“彼女の一番の存在”になれたことがただひたすらに悦びだ。 ……なんて、浅ましい。   「ほむらちゃんのこと、もっともっと好きになってあげる……だから、ご褒美ちょうだい?」 「……そんなにえっちな事がしたいんだ」 その物憂げな表情を見てると、ちょっとだけ意地悪を言いたくなった。 「あああ、そのっ、して欲しくないわけじゃないんだけどっ、違くてっ…!」 慌てふためく様を眺め、ちょっとだけ溜飲が下がる。 「わかってる。今夜は何もかも全部忘れたいんだよね?」 彼女の頭をかき抱きながら、耳朶に優しく語りかける。 もはや私も肉の味を覚えつつある。官能に溺れる事の効力は解りかけてるつもりだ。 「……うん、お願いしてもいい?」 「そうしたいのは山々だけど……私、へたくそだよ? 何にも知らないし」 ところが例によって問題なのは、知識不足と経験不足だ。 「だったら、解らないことがあったらなんでも聞いて。“前の二人”と違って、 “今のわたし”が教えてあげられるのって、そんないやらしい事しか無いから……」 そのまま深く沈み込む。 「だったら早速だけど一つお願い……そんなふうに自虐するのはもう止めて。 今の鹿目さんだってすっごく素敵なんだから」 「ん、わかった……言わないように気をつけるよ、ありがと……」   そう言ってくれた彼女の唇に、軽く口づけた。 彼女の吐息を吸い込めば、私はほんのちょっとだけ大胆になれる。   「それと本当になんでも聞いていいの?」 「もちろんだよ」 「だったら……その……」 「なに?」 彼女は真摯な瞳でのぞき返してくる……思わず少し目をそらす。 「ええっと……」 「なんでもじもじしてるの?」 私とほぼ同じ状況に陥って口ごもっていた、さっきの鹿目さんを思い出す。 ……なるほど、コレは言いづらい。 逡巡の果て、騒ぎの発端となった彼女の下半身へと手を伸ばし、 下着が覆い包む“その部分”に今度は自分の意志で触れた。   「……ここ、なんだけど」 「きゃんっ!! ほ、ほむらちゃ……?」   “その部分”に指が沿うと、鹿目さんは実にかわいい声で啼いた。 よかった、もう大丈夫。触っても嫌じゃない……そればかりか、愛しさすら感じる。   くちゅ、と。   下着の上から撫でれば、水音。 「ん、あっ……あっ、あの……いきなりは、その……」 どうやら鹿目さんも奇襲には弱かったらしいが、触ることそのものは目的じゃあない。 恥じ入る彼女にようやく、本題を告げる。   「あ、あのね、女の子ってなんでこんなふうに……濡れちゃうの?」   言って、自分のその問いに思わず顔が熱くなる。 「え、えぇぇえっ?! そ、そう来たかぁ……」 鹿目さんはものすごい戸惑ってる。まあ、それはそうだろう。 「だって、あなたもさすがに内心ちょっと呆れてたでしょう? さっきみたいに、びっくりして泣き出しちゃったりとか……そう言うの、もうイヤだし」 「それは、まぁ……」 「だから他にも教えてよ。詳しいんでしょ、こう言うの」 「詳しくはないけど……わたしだって、こんなの、今日が初めてだし……」 「それでもいいの。通りいっぺんでも解ってれば心構えができるじゃない」 「うぅ……わかったよ、もぉ……」   すぅと大きく息を吸い込んで。 鹿目さんの“授業”が始まった。   「えっと……ほむらちゃん、赤ちゃんってどうやって作るか、しってる?」 「それはそのっ、今、私たちがやってるみたいなのを……ちゃんと男の人と、女の人で……」 保険の授業で習ったりして漠然とわかってるつもりだったが、具体的なイメージが結ばれない。 「……うぅん、やっぱりわからない。どうするの?」 質問を質問で返してしまったが、そこの部分は前から疑問ではあったのだ。   「やっぱり、しらないんだ……」 「……ごめん」 「別に謝らなくってもいいけど……その、ホントに知りたい? さっきみたいに嘘って言い出さない? 変態って怒ったりしない?」 「……しないよ。約束する。私から聞いてることだし」 おそらくそういう部分に踏み込む話になるんだろうけど……逡巡の果て、最後には知識欲が勝った。   「ううぅぅう……じゃあ、教えてあげなきゃダメかぁ……」 いっぽう鹿目さんは、数分前とはうってかわって、悩みと恥辱の入り交じった表情を見せた。 「あ、あのね、子供をつくるっていうのはぁ……その、男の人のアレを……女の人のナカに、いれて……」 「……アレ、って、何?」 「ほむらちゃんそれワザと言ってないよね?! それワザと言ってないよね?!」 そしたら鹿目さんが、頬を桜色に染めて怒りだした。 「ワザとじゃないけど……なんでおこってるの?」 「もぉ……天然なんだから……!」 「天然で悪かったわね……それで、アレってなんなの? ナカってどこ?」 物知らず呼ばわりされてちょっとムッとなったが、私のことを一方的にいじめてきてた彼女が、 オタオタと狼狽してる姿を眺めるのはちょっとだけ痛快だった。   「だ、だからぁ……アレって言うのは……」   鹿目さんの顔色が、桜から朱へと赤みを増す。何故か目には涙まで浮かび始める。 そして、右を見て、左を見て、頼りになりそうな物が何も無いことにがっかりし、 唇の動きだけで“ママぁ…”と、母親に助けを求めたあと、 遂には消え入りそうな声でほんとうに小さくつぶやいた。   「お、おちんちん……だよ」   彼女の愛らしい口から、わかりやすくもストレートに卑猥な言葉が飛び出して、思わず耳を疑った。   「えっ、あの、今……なんて……?」 「なんで聞き返すの?! なんで聞き返すの?!」 なんでさっきから同じことを二回言うんだろう。 「ごめん……声小さくて聞き取れなかったかもしれなくて……」 肝心の単語は尻すぼみになっていたが、それでもさっきよりもハッキリとこう言った。 「だから、言ったでしょ……お、男の人の……おちんちん、だよぉ……」     ゾクゾクする。 鹿目さんにもっといやらしいことを言わせてみたい。     ……いや、待った。 今、私ってば何を考えて……とにかく話を続けよう。 「え? じゃあ、ナカって言うのは……」 「今ほむらちゃんが触ってるトコっ! そのぐらい解るでしょ……恥ずかしいのに、言わせないでよ……」 恥じ入る彼女の表情はすごく魅力的だが、しかし今はそれどころじゃない。 「その、触ってる、トコって……」 鹿目さんの、濡れてるところ。 「えっ、えぇぇええっ?! ホントにそんな事するのっ?!」 「……ふぁ、ああんっ?! もぉおっ! 触りながら聞き返さないでよぉっ?!」 思わず彼女の秘所をまさぐってしまっていたようだ。ものすごい剣幕で怒られた。 「ご、ごめっ、だけど……そっか、そうなんだ……」 謝罪しながらも、言われたことが頭の中で意味をなしていく。 そして、手持ちの知識と照らし合わせても、筋は通るのだ。 精子と卵子が結びついて――というのは知ってたが、 その結びつけるための“手段”はシンプルすぎて逆に全然思いつかなかった。 正直、ソウルジェムの真実を知った時と同じぐらい……いや、それ以上の衝撃だ。 「それでね、やっと、なんで濡れちゃうかって話になるんだけど……ちょっとだけ触ってみて?」 「え、ええと……う、うん」 言われるままに、濡れた下着に触れたままだった指先を前後に動かし、感触を確かめる。 堪えていたせいか、彼女は一言も鳴かなかったが、快感に顰めたその表情はとても淫靡だった。 「ぬるっとしてるでしょ? だ、だからそれを男の子の……アレにまぶして、 滑りを良くして……えっと……女の子のナカに……挿れやすく……」   聞いてるだけで、くらくらする。   けれど、いよいよ全体像が見えてきた。 「ひょっとして、それが……セックスって、ヤツ?」 深夜のテレビとか、女性誌の表紙とか、男の子の猥談にときどき出てくる単語だ。 「その言葉は知ってるんだ……うん、まぁ、あってるよ」 「エッチな事っていうのは……なんとなく解ってたんだけど……あうぅ」 淫語を口に出したことを追認し、恥ずかしさが後から追いついてきた。 「わたしも初めて聞いたときは……ちょっと、ショックだったけど、 だけど、せ、せ……せっくすってエッチな事だけじゃないんだよ?」 どうしよう。 いよいよ本当に、鹿目さんが淫語を口にだすのに劣情を覚え始めてる。 つっかえつっかえどもりながら、それでも必要を感じて言い切るところなど、最高にたまらない。 「……ほむらちゃん? 聞いてる?」 「ご、ごめっ……聞いてるよ……でも他にって、どういう事?」 ……私のバカ、変態。 鹿目さんの表情からすると、おそらくコレは真面目な話だ。茶化すな。ちゃんと聞け。 「だって子どもを作るんだよ、それは大事なことだと思わない?」 「それは……まぁ、そうだよね……」 「とっても気持ちいいから、すぐにしたがる男の子も多いんだけど、 後先を考えずにしちゃうと、学生なのに子供できちゃってすごく困ったり……」 「……あー」 未婚の母親ってそういう経緯でなっちゃうわけかぁ。 「だけどママがね……本当に本気の相手だったら、よく考えた上で身体も許してみろって。 そう言うのも含めて相性だから試してみないと解らないって……でも、そのことを 言いふらして自慢するような奴なら、ハズレと思って即捨てろって」 「……肝に銘じておくわ」 言いふらすわけ無いけど。言えるわけ無いけど。 「ふふっ……でも、女の子同士だったら避妊はしなくてもいいし、そこのトコだけはちょっと安心だよね」 「……ひにん?」 聞き返すと鹿目さんは明らかに“しまった”という顔をした。 意味を聞かれたくない単語らしい――だからこそ言わせてみたい。 「ひにんってなぁに?」 いかにも天然ちゃんですという風を装って更に尋ねてみる。 「そ、それは……その……あ、あかちゃんが……」 「……うん」 口ごもってしまった彼女にうなずき、先を促す。   「あかちゃんが……できない、せっくすの……やりかた……」   恥じ入る彼女の言葉を耳にするだけで、胸が甘く疼いてくる。 「……どうやるの?」 もう自制は効かなかった。もっと聞きたい、言わせたい。 「わたしたち女の子同士なんだから関係ないでしょっ?!」 「だって鹿目さんが、なんでも聞いてって言ったじゃない」 「もぉっ……じゃあ、教えたげるけど、今日はコレでおしまいだからねっ! いい?!」 「うんうん」 「興味しんしんって顔しちゃって……ほむらちゃんのえっち……」 「あぅ……」 だけど私、鹿目さんほどえろい子じゃないもん……。   「えっと、男の人のアレって興奮すると、おっきく、硬くなってくるんだけど……」 「ちくびみたいに……?」 「……そうそう、挿れるときにふにゃふにゃだと、女の人のナカって 狭くてきつくて入らないから硬くなるんだって……」 「あの、硬いのいれてって……痛くないの、それ?」 「…………痛いらしいよ。最初は」 「じゃぁ私、男の人とは絶対えっちなんかしない……」 「でも慣れてくるとすっごく気持ちいいって……ママが……」 「……ふぅん」 「……ちょっと興味出てきたでしょ?」 「しないし。男の人なんて好きにならないし。私が好きなのって永遠に鹿目さんだし」 「ココで“永遠に好き”はズルいよぉ……」 「……それは良いから。続けてよ」 そんな反応されるとこっちまで恥ずかしいじゃないか。 「うん……でね、挿れるっていっても、ただ挿れるだけじゃなくって……アレを挿れたまま、 前後に往復させてナカとぐちゃぐちゃってこすり合わせると……二人ともどんどん気持ちよくなっちゃって……」 「う、うん……」 熱っぽくなってきた鹿目さんの語りに、思わず息を飲み込む。 「それで男の人がガマン出来ないぐらい気持ちよくなっちゃうと、 おちんちんの先からぴゅーってお汁が出て、女の人のナカに流し込んじゃうの……」 今、鹿目さんが明らかな淫語を口にした。 語りながら自分の話に興奮して訳がわからなくなりつつあるのだろう。 「そのお汁がね、せーしの混ざったせーえきだよ……女の人のナカにだされちゃうと、 赤ちゃん出来ちゃうの……それがフツーのせっくす。わかる?」 「……うん、わかる」 世の中の恋人たちって、そんなすっごい事をやってたんだ…… 「でね、避妊のせっくすはね……えっと、見せたほうがはやいかな……」 鹿目さんは脱いだ制服から財布を探り当て、更にその中から何かを取り出した。 「コレを万が一の時のためって……ママに持たされてるんだけど」 手渡されたそれは、一包づつ小分けにされた薬だろうか……いや違う、 透けて見えるモノは触った感触だとゴム状の何かだ。 「……輪ゴム?」 「ゴムっていうのはまあ当たりかな……薄くてね、ぴったり張り付くゴムの袋なの。 それを、その……おちんちんに被せてせっくすすれば、袋の内側にせーえきが溜まって 女の子のナカには流れこんでいかないから……」 子どもができずに、純粋に性行為だけを楽しめると。 ……しかし、そこで一つの疑念も湧いた。 「でも、それって、なんかズルくない?」 「……ズルい?」 「子供を作るからこそ尊いっていうなら、それ無しで快感だけを享受しようするのは、 やっぱりただのいやらしい行為じゃないの?」 「じゃあね、聞くけど……女の子同士でえっちしちゃってるわたし達ってズルい関係なのかな?」 「……うぅ」 凄いブーメランが帰ってきた。 「わたしはそうは思わない。子供作るの抜きでも、やっぱり大事な事。 だって、好きって気持ちは結局……えっちしたいって気持ちと同じ物だから。 えっちするって事は、好きって気持ちを伝えるのと同じ事……違う?」 「……違わないと、おもう」 「ほむらちゃんだってもう解ってるでしょ? 好きなヒトとはしたくなっちゃうって…… ていうか……さっきから、わたしにえっちい事いわせて楽しんでるよね?」 「そ、そそそそ、それはそのっ?!」 バレてるしっ! 「いいよ、別に……いじめられる方もコレはコレでアリかなーって思い始めてたし……」 「アリなんだ……」 「うん、だから、言葉で教えるのはココまでだよ……後はちゃんと実践して?」 実践と言われても、女の子同士で役立つ知識は殆ど無かった気もするが、 「うん、わかった……」 ……それでも私の気持ちも、もはや性行為を指向していた。 「じゃあ、ほむらちゃんは何がしたいのかなー?」 同じ年のはずなのに、こんな時は鹿目さんがすごくお姉さんに見える。 だから私も小さな子供のようにストレートに欲求を口にした。   「……穴見せて」   「……穴って?」 「だから……その、男の人のアレを入れるってことは、ココに穴が開いてるんでしょう?」 「……ちょ、ちょっと、待って……せ、生理の穴だよぉっ……女の子なんだからそのぐらい解るでしょっ?!」 ピンとこなかったが、記憶を検索。 「えーっと、あそこから血が出ちゃうって言う……アレ?」 「……………その様子だと、ほむらちゃん、まだなの?」 鹿目さんは絶句した。 「えと……私、遅れてるみたいで……」 人様より遅いというのは、分かっていたのだが、 他にも色々発育不良なのだが、病気からの快復を優先するあまり、正直あまり気に留めていなかったのだ。 「ホントに身体がお子様だったんだ……それで余計なんにも知らなかったんだね」 「そうなのかも……」 「だいたい、見たいだけなら……自分の見ればいいじゃない……」 「だって、自分のなんて位置的にほとんど見えないでしょ?」 「鏡使えば見えるよ……」 「……へぇ、なるほど、見た事あるんだ、鏡まで使って」 「あ、あ、あ、あ、あ……」 「勉強熱心だね、鹿目さんは」 にっこり笑っていってあげた。 「バカあっ……」   どうしよう。慌てふためく鹿目さんが可愛すぎる。 年上ぶった雰囲気も一気に吹き飛んで、一瞬で私と同じ歳相応の小娘に戻った気がする。   ――そしてこうなってしまった女の子の扱い方は、鹿目さん自身がさっきよーく教えてくれた。   「ふぁぁんっ?! ほむらちゃんっ?! ん……やぁ…そこ、だめぇ……」 “急所”にさっきあから触れ続けて、身体が出来上がりつつあったのが高を奏したのだろう。 ぐちゃ、ぐちゃ、と濡れた下着をまさぐれば、鹿目さんは身じろぎ、あえぐ。 「どうして?さっきはあんなに触って欲しがってたでしょう?」 「なんかほむらちゃん、“穴が見たい”とか、即物的すぎてイヤなのっ!」 ちょっと怒ってる……けど、反撃は軽微だ。 解ってきた。先にエッチしたくさせちゃえばいいんだ。 そしたらいじめっ子の鹿目さんだって、もうなにも怖くない。 「だいたい、ココもどうせ見せてくれるつもりだったんじゃないの?」 「……今日は、脱がせてからのさわりっこの時には、電気消す予定だったの!」 “はずかしいし”と、きえいるような声で付け加えた。 「ちょっと待って。さっき私を脱がしかけたときには、明かりを消そうともしなかったじゃない」 「……はう! え、えええっ、と……それはっ、その……」 「私の恥ずかしいところだけ、一方的に見てくるつもりだったんだ……」 「ご……ごめっ……」 「だーめ。許さない」   立てた膝で挟みこむように、鹿目さんの身体を背中から抱え込んだ……逃さないんだから。   「何にも出来ないぐらい、くにゃくにゃの身体にしてあげるね?」 「ほむらちゃん――後で絶対酷いからねッ!」 うわ怖い。その鋭い眼光に思わず少しひるんでしまうが、 どのみち仕返しが避けようがないのなら――やらなきゃ損だ。 「怒るよ……! わたし怒ってる……だ…か……やぁ……あ、あぁ……」 耳たぶをはみ、喉元に舌を這わせ、脂肪分控えめの胸を揉みしだき、濡れたあそこをいじり続けるうちに、 バタバタと暴れていた鹿目さんの身体からは徐々に力が抜け、おとなしくなっていった。   「いやぁ……いやぁ、ほむらちゃんのいじめっこぉ……」 「ふふっ、なんか立場逆転だね……可愛がってあげる」   鹿目さんだって今夜が“はじめて”なのは同じなのだ。 どっちが主導権取れるかという違いだけなのだろう。 はーっ、はーっ、と熱に浮かされたかのような鹿目さんの乱れた吐息を直接食べたくなった。 口付ける――激しく吸い返された。 うん、鹿目さんも口で言うほど嫌がってない。 やっぱり身体はすっごく欲しくなっちゃってるんだ。   「この下着、鹿目さんに貸すから新品をおろしたのになぁ…… いやらしいお汁がいっぱい染み出してくるから、もうこんなにドロッドロになっちゃったよ?」 「ほむらちゃんが……やぁ……ぁあ、あ、さわるから……なのにぃ……」 「ふーん、私のせいにするんだ。 そもそもエッチしたいってお願いしてきたのは鹿目さんの方だったのになー」 「はぅ……ご、ごめんなさ……」 「今すぐ脱いでお洗濯したら、まだ大丈夫かもね?」 「もぉ、脱げばいいんでしょ、脱げばぁ……」   ついには観念したかだらんと全身を脱力させたので、遂には下着に手をかけた。 「脱がせにくいから腰上げて?」 「……イヤ。勝手にすれば。ばか……」 非協力的だったせいで、ゆっくりゆっくりと脱がせる事となったのだが、 ……おかげでちょっと素敵なものを見ることが出来た。 「うわ、すっごい……ぱんつと鹿目さんのあそこが、ねちょってくっついて糸引いちゃってるよ……」 えっちな粘液が幾筋もの銀糸となり、すうっと伸びては切れていく。 「……ふぇっ?! だめ……そんなの言っちゃダメぇ……」 とうとう恥ずかしさが限界を突破したのか、鹿目さんは顔を両手で覆っていやいやをする。 ……けれど、興味もまた隠せぬのだろう。指の隙間からこっそりこっちの様子を伺ってるのはバレバレだ。   ぐっしょりとなった下着は鹿目さんの、太ももに、ふくらはぎに足首にべっとりまとわりつき、 いやらしいお汁をデコレーションしていく――そしてとうとう一糸まとわぬ姿となった。 「脚まで全部どろどろになっちゃったね」 「だ、誰のせいだと思って……」 「鹿目さんのあそこがだらしないから、エッチなお漏らし一杯しちゃったんだよね?」 「見ないでよ…ばかぁ……」 彼女の顔を隠してた手がいつの間にか股ぐらへと。かわりに今度は少女の蕩け顔が見放題だ。 「鹿目さん……すっごいかわいい顔してる……」 たまらず目尻に溜まった涙に吸い付いた。 そのまま頬や首筋にキスの雨を降らせれば、不機嫌だったお嬢様が たちまち相好を崩して笑顔を作る。 「もっとちゅーしてぇ……」 彼女に求められるまま、ねっとりと大人のキス。 おとがいを捉えて口をひらかせれば、従順に私の舌を受け入れる。 やっと鹿目さんの口内を犯せる喜びに打ち震えながら、文字通りの意味で彼女を味わっていく。 舌でふちどるように唾液まみれの唇をなぞれば―― 「ひきゃぁんっ……ほむらちゃ……きもちぃ……きもちいぃよぉ……」 ――あ、鹿目さんの弱いトコひとつ見っけ。   「ごちそうさま」 鹿目さんの口元を美味しくいただいちゃったあと、ぺろりと一つ舌なめずり。 「なによ、ほむらちゃんのクセに、さっきからヘンに頑張っちゃって……」 肩で息をしながらも虚勢を張るのは、主導権を少しでも取り戻したいからだろうか。 ……でも嫌な事、悲しい事を忘れさせてあげるのならば、手を緩めずに責め続けるべきだ。 「止めろって言うなら止めてもいいよ。だけどあなたは私に汚れて欲しいんでしょ? それとも真面目でつまんない元の“暁美ほむら”のままでいて欲しかった?」 「ううぅ……だって、ほむらちゃんがココまでエッチになるとは思わなかったよぉ……」 「自業自得でしょ……さ、今度はこっちを食べてあげる……」 スラリと伸びた鹿目さんの脚を取り、ぱんつを脱がすときに 蜜のこびりついた、足の甲や裏をなめまわす。 「あぁ! やぁ……っ! そんなトコ……そんなトコ、きもちいぃの……わたし、ヘンになるよぉ…」 んーと、わかってきた。 だいたい、くすぐったいトコが気持ちいいトコだ。   脚全体にこびりついていたお汁を舌を使って掃除しながら、徐々に腿の付け根の方へと登っていく。 さっきまで抵抗していた脚の力は、舌が這い回るほどに弱まって、 彼女の両膝に手を添えて、ぐいぃと左右に力をいれれば、驚くほどあっさり大きく股が開かれた。   「そろそろ鹿目さんの恥ずかしい所、良く見せてほしいなぁ」 「へんたい……ほむらちゃんのへんたいぃぃ……」 「あーあ、とうとう鹿目さんに変態呼ばわりされちゃったぁ……これでようやく、おあいこだね」 おかしなもので、そうと呼ばれる側に回ってみれば妙な達成感さえある……とは言え少々傷付くが。 「じゃ、変態さんとしましては、目の前のかわいいかわいい女の子にたっぷりイタズラしちゃうんだから」 彼女の割り開いた膝裏を、肩で担ぐようにして身体をねじ込み、むっちりとした太ももに頬ずりする。   「手、どけて?」 「どけたら見えちゃうじゃないっ!」   最後の防衛ラインということもあって鹿目さんの抵抗は激しかったが、太ももに口づけ舐めまわし、 脇腹をつついて、外堀を埋めるかのように責めて行けば、徐々にではあるが隠す両手の力も弱まって……   「毛……はえてないんだ……良かった。私と同じだぁ……」   遂には彼女の秘密の領域が、私の眼前にさらされた。 これも私と同様な、一本筋の女性器からは、割れ目からこんこんと液が分泌され続けていた。 「わ、わたしっ……ちゃんと生えてるもんっ! よく見なさいよぉっ!」 「……え、見ていいんだったら遠慮無く」 「やっぱダメっ……やっぱダメぇっ……」 またもや暴れる彼女の両腕を抑えつつ、特等席で鹿目さんの一番大事なところを鑑賞する。 目を凝らしてよく見れば、彼女の髪の毛と同じ淡い色の体毛を、わずかに確認できたのだが、 「うーん、生えてるといえば生えてるけど……でもコレってただの産毛なんじゃ……」 「違うもんっ! ちゃんと大人の毛だもんっ! お子様のほむらちゃんと一緒にしないでよ!」   むかっ。   「さっきからお子様お子様って、鹿目さんだって子供じゃない……」 あんまり繰り返して強調されるとさすがに私だって腹がたつ。 「違うもんわたし大人だもん。毛だって生えてるし、ちゃんと生理も来てるし ……ほむらちゃんよりおっぱいおっきいもん」 最後のはいけない。それを言ったら、もう戦争だろう。 「そこまで自信を持って大人だって言うんだったら、証拠見せてよ……」 「……証拠?」 「本当に大人だったら、エッチな事だって全然平気のはずでしょ。 何よさっきから、いざ、自分が責められる番になったら恥ずかしがってぴぃぴぃ泣いちゃって」 とうとう売り言葉に買い言葉、ポンポンと互いに罵声が飛び交っていたのだが……   「わかったよ! 見せればいいんでしょ! 見せれば! ……なかみ、見したげる。見たいんでしょ……入れる、あな」