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そこまで言われ、山崎は黙した。
意味がわからないのはお互い様だが、折角の差し入れに対しこれ以上疑問を並べるのも得策でないと、常識的にそう考えたのだ。

「……まあ、折角じゃけ、気が向いたら食って。ここ置いとくけー。これ箸ね」
「ああ、ほんまおおきに」

病室を出て行く梵の背中を見送って、山崎は早速パックを開けて中身を一口頬張った。

「…うまいやん」

そう、仮に空腹が手伝わなくとも味は最高なのだ。しかし。

「…これがお好み言われてもなあ……」

こんな、お好み焼きにソバが入っているようなところで、果たしてこれからどんな生活が待ち受けているというのか……、
真白い病室にひとり、山崎は思いを巡らせた。


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