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「言うておくが、こいつは正真正銘、ただの刀じゃぞ。大阪軍で支給された大量生産品じゃけ、なんか値打ちのある業物なんかじゃありゃあせん」
「ええ刀かとか…、関係ないわ。足びっこや思たから、しめた、パクってなんぼか金にしたろ思たんや。そしたら飯食えるし…」
「そんなら、頭じゃのうて、足元をまず掬うべきじゃったの。それからすぐ、刀持っとった左手をはたいとったらば…、そうじゃの、もしかしたかもしれん」

そう言って前田はフッと口元に笑みを浮かべ、ヒョイと軍刀を少年に投げて渡した。

「…え、なん」
「くれてやるわ。そげぇなもん」


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