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清水は黙ってしまった。今は敵とはいえ、仁志がそんなことをするとは思いたくなかったのだ。
確かに可能性はゼロではないが、戦闘能力の低い輸送車を戦争中でもないのに奇襲したうえ、爆破炎上させ3人を殺している。そのうち一人は片腕と首が斬り飛ばされ、また別の一人は解剖の結果、生きたまま焼かれて死んだことがわかっている。

「…いや、君の前で彼の名を出したのは悪かった。話を戻すが、今回は残念ながら、横浜まで相手にしている余裕はない。だから、今後の警戒はするが、あの件自体は無視することにした。
 攻め込むチャンスをみすみす逃すのは悔しいが、グライシンガーが万全でない以上、今は博打を打つべきではない」
「なるほど」
「…とにかく、やられたものは仕方がない。こうなってしまった以上、君の役割はより重要だぞ。君自身も戦闘機を操作するなどして、なんとか山本に対抗してくれ。
 以上、急いで各所に通達しておくから、早急に現場に戻りなさい」


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