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マサユキは間違いなく生きている。しかし、自分たちよりも少しだけ、向こう側にいる。その姿は、生死が連続的なものだということを、無言のうちに示しているかのようにも見える。
彼はすんでのところで踏みとどまり、以後、そこで暮らしているが…、しかしその境界は曖昧で、ふとしたことで踏み外してしまう可能性がある。
それはなにもマサユキに限らない。誰でも。いつでも。何なら、明日にでも。

自分は死ねない、と永川は言った。しかし明日行われるのは猟や折伏ではない。戦いだ。
戦いの常として、予想に反して死ぬこともあろう。殺す覚悟はあるようだったが、死ぬ覚悟は、あるのだろうか。
勿論、男である以上、あるのかと問えば、あると言うだろうが…。

そこまで考え、ふと森野は、自身が自分の中の世界に入り込んでしまっていたことに、はっと気づいた。
骨と皮、それと筋ばかりになった肉体を見ていると、また余計なことを考えてしまいそうで、森野は着物を直してやりたい気持ちになったが…、
起こすと厄介だから触るなと言われていたことをふと思い出し、出しかけた手を引っ込めた。


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