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「実際、孝市法師はスラィリーを目にするのは初めてでしたから、猛獣や下等の妖怪と同じく、少しばかり打撃をくれてやれば退散するとお考えになったのです。
 間合いが人の背ほどに詰まったところで、スラィリーは立ち止まりました。そこで孝市法師は錫杖を地面に衝いてシャンと鳴らし、『かかってくるのかい』、と言いました、
 その瞬間、スラィリーは挑発に応じるように、法師目掛けて、突撃したのです」
「…して、どうなりました」
「孝市法師は目にも留まらぬ速さでスラィリーの間合いに入り、錫杖でその鼻先を思いきり殴りつけましたが…、予想に反して、スラィリーは怯みませんでした。
 そしてすかさず、法師の頭上目掛けて、スラィリーは鼻からアレを延ばしまして」
「ははあ、アレですね」
「そう、アレです。アレをするすると延ばしまして、孝市法師の脳をピロってしまおうとしたのですが…、しかし法師の頭に密生していた、常人を遥かに超える量の毛髪が、なんと、スラィリーのアレを弾いたのです。
 驚いたスラィリーは、手近にあった法師の右腕を、やはりアレを使って絡め取ろうとしました…、しかしそれも、熊のような体毛に阻まれ、まったく手傷を負わせることができませんでした」
「なんと…」
「そうしてスラィリーの一撃をかわした孝市法師は、懐から護符を取り出し、それを握って印を結ぶと…、突然手中に青白い光を生じ、破、という気合とともに、スラィリーに向かって閃光を浴びせ…」
「…」
「その一撃で、巨大なスラィリーを、うち倒してしまったのです」
「おお…」


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