【レス抽出】 対象スレ:魔女シャルロッテ「わたしはほむほむ派です」 ID:BMipfE190    1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 05:03:30.92 ID:BMipfE190 [1/35] シャル「私はほむほむ派でs……」 ほむら「マシンガン」 シャル「きゃあああー!!」 ほむら「……」 シャル「いったたたたた……。もうっ、ひどいよほむほむ!」 ほむら「……」 シャル「あたしはほむほむのこと大好きなのに、どうしてそんなことすr……」 ほむら「パイナップル爆弾」 シャル「またああぁー!?」 ※シャルロッテ http://www.madoka-magica.com/special/dic/card6.html    4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 05:07:00.11 ID:BMipfE190 シャル「……ってことがあったの」 エリー「ふーん。それで?」 シャル「どうすればほむほむと仲良くできるか教えてよ」 エリー「知らないわよ」 シャル「そのカタカタで調べられないの?」 エリー「カタカタ? ああ、パソコンのことか……。そんなの無理に決まってるでしょ」 ※エリー http://www.madoka-magica.com/special/dic/card8.html    5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 05:11:27.71 ID:BMipfE190 シャル「ふーん。その箱って意外と役立たずなんだね」 エリー「……」 シャル「でも考えてみれば当たり前か。だってエリーって私や使い魔以外とはまともに喋れないし。       誰かと仲良くなる方法を調べられるぐらいならそんな風にはなってないよね」 エリー「ちょっとあんた喧嘩売ってんの?」    6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 05:15:34.99 ID:BMipfE190 シャル「じゃあどうすればほむほむと仲良くなれるか教えてよー」 エリー「面倒くさいわねー……。適当に何か物でもあげれば?」 シャル「プレゼントを?」 エリー「ええ」 シャル「うーん。でもほむほむって何を貰ったら喜ぶのかな」 エリー「さすがにそこまでは分からないわよ」    7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 05:19:59.50 ID:BMipfE190 シャル「仕方ない。ほむほむの後をつけて、ほむほむが何を欲しがっていそうかリサーチしてみるか」 シャル「そっと後ろから近づいて、一定の距離を保って、と」 ほむら「……」 シャル「ほむほむはいつみても可愛いなあ」 ほむら「……」 シャル「……」 ほむら「……」 シャル「……」 ほむら「……」 シャル「ほむほむったらどうしてさっきからあんなにコソコソしてるんだろう」    14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 07:37:35.83 ID:BMipfE190 まどか「……」 ほむら「……」 シャル(あれ? そういえばさっきから、あの二つ結びの女の子と一定の距離を保っているような) ほむら「……」スッ シャル(!! おもむろにカメラを取り出した!) まどか「今日はいい天気だなぁー」 ほむら「……」パシャッパシャパシャ シャル(やっぱりだ! あの子の写真を撮ってる!) シャル(ほむほむはあの子が好きなんだ……)    15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 07:44:05.60 ID:BMipfE190 シャル(でもそれならどうしてほむほむはあの子に話しかけないんだろう?) シャル(……) シャル(もしかしてエリーみたいに恥ずかしがり屋なのかな、ほむほむって) シャル(だとすると、ほむほむとがあの子とお友達になるお手伝いをすれば、あたしのこと好きになってくれたりして!) シャル(よし! あの子が一人きりでいる時に話しかけて、ほむほむとお友達になってくれるよう頼んでみよう!)    18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 08:46:48.02 ID:BMipfE190 シャル「こんにちは!」 まどか「わっ、何この子!? ぬいぐるみ!?」 シャル「ぬいぐるみじゃないよ! あたしはシャルロッテ!」 まどか「えへへ、なんだかよく分からないけど可愛いね」 シャル「ありがとう! ところであなたの名前はなんていうの?」 まどか「さやかちゃんや仁美ちゃんにも見せてあげたいよ」 シャル「ねえったら!」 まどか「それにしてもさっきからピョンピョン飛び跳ねてるのはどうしてなんだろう?」 シャル「えっ? も、もしかして……言葉が通じてない……?」    20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 09:30:09.88 ID:BMipfE190 シャル「という訳で、そのまま何もできず帰ってきちゃった……。どうしようエリー!」 エリー「どうするもなにも諦めるしかないんじゃない?」 シャル「そう言わずにー! ねえ! お願いキルスティン!」 エリー「ちょっ、や、止めて! 本名で呼ばないで!」 シャル「キルスティンキルスティンキルスティン!」 エリー「あああっ、止めてったら! その名前嫌いなのよ!」 シャル「じゃあ真剣に相談にのってくれる?」 エリー「はいはい、分かった分かった」 シャル「わーい、エリー大好き! ほむほむの次に!」    22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 09:42:30.64 ID:BMipfE190 エリー「で、シャルはその二つ結びの子を利用して暁美ほむらと仲良くなりたいのよね?」 シャル「利用って言うと聞こえが悪いけど……うん、そんな感じ」 エリー「でも私達魔女が口から発する言葉は人間には通じない、と」 シャル「そうなんだよ! あたしそんなこと知らなかったから驚いた!」 エリー「うーん……。会話することができないなら、文字にしたらどうかしら?」 シャル「文字に?」 エリー「ええ。筆談してみるとか」    25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 09:53:03.39 ID:BMipfE190 シャル「それ名案かも!」 エリー「よし、じゃあ筆談作戦で決定。作戦も決まったことだし私はネトゲに戻るから」 シャル「駄目! エリーも一緒についてきて!」 エリー「えっ!? つつつついていくって、外に!?」 シャル「そうだよ! だってあたし、字が書けないもん!」 エリー「そんなの使い魔に頼めばいいじゃない!」 シャル「あたしの使い魔も字が書けないもん」 エリー「なら私の使い魔を貸してあげるから!」 シャル「ええーっ。エリーの使い魔はなんか怖いから苦手」 エリー「わがまま言わないの! とにかく! 私は絶対外にはいかないからね!       日の光を浴びるなんて真っ平ごめん!」    27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 10:03:42.95 ID:BMipfE190 シャル「どうしてエリーは外に行きたくないの?」 エリー「どうしてってそりゃ……知らない人のいるところとか、苦手だし……」 シャル「大丈夫大丈夫! 何かあったらあたしが守ってあげるから!」 エリー「そんなこと言っても苦手なものは苦手なのよ……」 シャル「どうしても嫌?」 エリー「ええ」 シャル「そっか、なら仕方ないね……」 シャル(ここで嘘泣き、っと) エリー「あ……、しゃ、シャル……」 シャル「無理言ってごめんねエリー。アドバイスありがとう。あたし頑張ってみるね」 エリー「ま、待って!」    32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 10:10:02.76 ID:BMipfE190 シャル「えっ?」 エリー「あのそのえっと、あんたがそこまで不安なら……」 シャル「ついてきてくれるのエリー!?」 エリー「な、何かあったら守ってくれるのよね……?」 シャル「うんうん!!」 エリー「それならまあ、ついていってあげても……いいわよ」 シャル「やったぁー! やっぱりエリーは優しいね!」 エリー「ちがっ、違うわよ! ただその、あんたが私の使い魔相手に無茶やらないか、心配で……」 シャル「またまたー」 エリー「とっ、とにかく行きましょう!」 シャル「照れないでいいのに」    36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 10:23:42.15 ID:BMipfE190 エリー「ガタガタガタガタ」 シャル「ちょ、ちょっとエリー、くっつくすぎだよ」 エリー「だだだって人がたくさん……」 シャル「ここ人間の通学路だもん。人ぐらいいるよ」 エリー「あっ、い、今あの人、私のこと気持ち悪がってなかった……?」 シャル「気のせい気のせい。今は小さい結界を張ってるから、普通の人には見えてないって」 エリー「ううぅ……、ねえシャルぅ、やっぱり帰ろうよ」 シャル「駄目駄目! ほむほむと仲良くなるためには多少の苦労は我慢しないと!」 エリー「いいじゃないそんなの……。ほ、ほら、私も暁美ほむらと同じで長い黒髪よ?       私がいるからそれでいいじゃない。ね? 二人で仲良く引き籠ろうよー……」 シャル「エリーとほむほむはまた別!」 エリー「うううぅ……」    41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 11:05:34.85 ID:BMipfE190 本当はゲルトが好き    42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 11:10:52.08 ID:BMipfE190 シャル「あっ、さっきの子だ! 行こうエリー!」 エリー「……。あの子なら、あんまり怖くなさそうかも……」 シャル「こーんにーちは!」 まどか「あれ? さっきのお人形と……パソコン?」 シャル「よし、エリーお願い」 エリー「うん。えっと、【はじめまして。私はエリーといいます。そちらの彼女はシャルロッテです】」 まどか「文字? ふむふむ……、エリーにシャルロッテ、かあ」 シャル「通じたね! さすがエリー!」    49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 12:09:56.18 ID:BMipfE190 シャル「その子の名前を聞いてみてくれる?」 エリー「うん。【あなたの名前を教えてくれませんか?】、っと」 まどか「私? 私は鹿目まどか。よろしくね、エリー、シャルロッテ」 シャル「まどか……、じゃあまどまどだね!」 エリー「無理に渾名をつけることないと思う」    51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 12:15:14.47 ID:BMipfE190 まどか「それで、二人……でいいのかな? は、どうして私に話しかけてきたの?」 シャル「実は会って欲しい人がいるの!」 エリー「【実は会って欲しい人がいるんです】、と」 まどか「会って欲しい人?」 シャル「うん! その人はまどまどと友達になりたがってるけど、      恥ずかしがり屋だから自分からは話しかけられないみたいで」 エリー「【あなたと友達になりたいのに、恥ずかしくて上手くそのことが伝えられない人なんです。        どうか会ってあげていただけませんか?】」 まどか「私と友達に? うん、それはいいけど……誰なんだろうそれ」    53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 12:27:23.10 ID:BMipfE190 シャル「ほむほむ! ほむほむ!」 エリー「はいはい。【暁美ほむらという子です】」 まどか「ほむらちゃんが私と?」 シャル「うん!」 エリー「【はい】」 まどか「そうなんだぁー。なんだかちょっと意外だけど、でも……嬉しいかな。えへへ。       そっか、ほむらちゃんそんなこと思ってくれてたんだ」    56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 12:53:09.67 ID:BMipfE190 シャル「やったー! なんだか上手くいきそう!」 エリー「よかったわね」 シャル「ありがとうエリー!」 エリー「う、うん。どういたしまして。ところでシャル、お願いが……」 まどか「ああっ、ほむらちゃんだ!」 シャル「どこどこ!?」 エリー「あ……」 ほむら「魔女が二体で群れている……? 一体どうなっているの?」    59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 13:21:29.61 ID:BMipfE190 シャル「ほむほーむ! やったよ! あたし、まどまどにほむほむの気持ち伝え……」 ほむら「まどかから離れなさい!」 シャル「きゃっ!?」 まどか「ほむらちゃん!?」 エリー「シャル!!」 シャル「びびびびビックリしたぁ」 ほむら「相変わらずすばしっこいわね……」 シャル「どっ、どうしてそんなことするのほむほむ……?」 エリー「にに逃げるわよシャル! 私達、鹿目まどかを襲っているんだと勘違いされてる!」 シャル「えええええっ!? そんなぁ……」    60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 13:27:34.40 ID:BMipfE190 ほむら「逃げられた? いいえ、今ならまだこの近辺に――」 まどか「止めてほむらちゃん!」 ほむら「まどか……?」 まどか「どうしてあの二人にひどいことするの!?       てっ、鉄砲を向けるなんて、そんなの絶対おかしいよ!」 ほむら「ちがっ、違うのまどか! あいつらは危険な存在で」 まどか「私には……暴力で物事を解決しようとするほむらちゃんの方が、よっぽど危険に見えるよ……」 ほむら(……死にたい) ほむら(あの魔女、絶対に許さない!)    62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 13:33:24.36 ID:BMipfE190 エリー「なんとか逃げ切れた……?」 シャル「……」 エリー「こっ、怖かった……、死ぬかと思った……」 シャル「……」 エリー「ね、シャル。やっぱり外なんて危ないだけだって。結界の中に籠るのが一番」 シャル「ぅ……」 エリー「シャル?」 シャル「うわぁあああああん!」    66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 13:43:41.23 ID:BMipfE190 シャル「ほむほむに嫌われたぁああああ!」 エリー「いや、それは前からじゃ」 シャル「あたしはほむほむと仲良くなりたいだけなのにー!!」 エリー「もういい加減諦めなって。魔法少女と魔女が仲良くなろうだなんて、そもそもの前提が無茶すぎるのよ」 シャロ「やだやだやだあああああ!」 エリー(あーもう、面倒くさ……) シャロ「ほむほむー! ラブミードゥー!」 エりー(でもこんなんでも唯一の、とっ、友達だしなぁ……)    68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 13:48:53.70 ID:BMipfE190 エリー「……シャロ!」 シャロ「えっ?」 エリー「かっ、髪をほどいてみたんだけど、どう?」 シャロ「どうって言われても、髪の毛長いなあとしか」 エリー「そっか……。やっぱり暁美ほむらみたいの代わりにはなれないか……」 シャロ「エリー……?」    77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 14:17:52.13 ID:BMipfE190 >>71 シャルロッテって名前にルとロが両方含まれてるから 書いてる内に頭の中でごっちゃになったんだと思う    79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 14:29:06.07 ID:BMipfE190 シャル「もしかしてエリー、あたしを励ますために?」 エリー「別にそんなんじゃ! たっ、ただなんとなく、こうしたかったというか……」 シャル「……エリーのばーか」 エリー「ばっ、馬鹿!?」 シャル「ほむほむはほむほむ、エリーはエリー!       エリーはほむほむの代わりにはなれないけど、ほむほむだってエリーの代わりにはなれないんだよ!」 エリー「えっと、それはつまり……」 シャル「誰かの代わりになろうだなんてこと考えないで良いの!       エリーだって大切な友達なんだから!」 エリー「シャル……。そうね、ありがとうシャル」 シャル「魔女って変わり物が多いじゃん。エルザマリアとかいっつも自分の世界に浸ってるし、       ゲルトはお花にばっか夢中だし、パトリシアは手で歩くし」 エリー「パトリシアのはちょっと仕方なくない?」 シャル「そんな中エリーは、なんだかんだ言いながらあたしの相手してくれるもん。       エリーはどう思ってるか分からないけど、あたしはエリーのこと大切なお友達だと思ってるよ」    82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 14:47:46.87 ID:BMipfE190 エリー「ああもう、シャルはずるい! そんなくさい言葉平気で連呼できるなんて!」 シャル「別に普通のことじゃない?」 エリー「その普通のことができないから、私は人間時代一人も友達ができなかったのよね……」 シャル「ええーっ! 一人も友達いなかったの!?」 エリー「あっ……」 シャル「そっか……可哀想な子だったんだね」 エリー「やばいコイツに憐れみの目で見られるとかなり屈辱的」 シャル「でもいいじゃん! 今はあたしがいるんだから!」 エリー「あ、うん……」 シャル「さて、話もひと段落ついたところで」 エリー「ついたところで?」 シャル「もう一丁ほむほむにアタックしてみよう!」 エリー「いや流石に懲りろよ」    84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 14:55:15.04 ID:BMipfE190 エリー「大体どうしてそんなに暁美ほむらのことが気になるの?」 シャル「うーん、そうだなあ。あれは遡ること二週間前」 エリー「ええ」 シャル「ほむほむがね、あたしの結界に牛乳パックを不法投棄したんだ」 エリー「はぁ」 シャル「そうしたらその牛乳が賞味期限をうんと過ぎてて、チーズみたいになってたの!」 エリー「……」 シャル「それでほむほむファンになった」 エリー「えっ? それだけ?」 シャル「うん」 エリー「あの、やっぱあんた馬鹿でしょ」    87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 15:05:51.14 ID:BMipfE190 シャル「確かにあたしは馬鹿かもしれない。       でもほむほむとの思い出を馬鹿にするのは止めてよね!」 エリー「そう言われてもさ……。というかあんた、チーズが好きだったの?」 シャル「ううん、本物のチーズは食べたことないよ。       ちっちゃい頃から病気がちで薬の副作用がどうこうとか言われてて、一度も食べさせてもらえなかったから」 エリー「あ……」 シャル「でも本とかテレビを見てチーズって食べ物の存在自体は知ってた。       だからかな? あたしにとってチーズってのは、憧れというか、健康の象徴というか、そんな位置づけだったの」 エリー「……人間だった時ならいざ知らず、今ならチーズぐらい簡単に手に入るんじゃないの?」 シャル「それが駄目なの。他のお菓子はいけるんだけどね。       どうしてもチーズだけは、まるで呪われているかのように、手に入れることが出来なくって」 エリー「……」 シャル「だから、あたしにチーズを食べさせてくれたほむほむは、あたしにとって特別なの」 エリー(ねえシャル。多分それ、全然チーズじゃない)    91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 15:29:43.82 ID:BMipfE190 シャル「だからあたしは……」 エリー「もういいよ」 シャル「分かってくれたの、エリー?」 エリー「納得しがたい部分もあるけれど、暁美ほむらと仲良くなりたいって気持ちの強さは理解できた。       どうせ乗り掛かった船だし協力してあげるわ」 シャル「ありがとうエリー! さっすがあたしの親友!」 エリー「ししし親友sじゃおfひあfd」 シャル「てな訳でレッツゴー!」 エリー「親友……えへへ……」    94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 15:37:24.78 ID:BMipfE190 シャル「ほむほむ再々発見! よーし、とっつげきー」 エリー「待って、様子がおかしいわ」 ほむら「まどかに嫌われた……まどかに……。       あの魔女、絶対に許さない……」 エリー「いや、だからといって一介の魔女相手にミサイル10基は無いわ」 シャル「あれそんなにやばいの?」 エリー「ワルプルギスさん数体オーバーキルできるレベルじゃないかしら。       見つかったら死ぬ。確実に」 シャル「うおぉ……」    97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 15:42:04.32 ID:BMipfE190 エリー「あっ、誰か来たわ! 隠れましょう!」 警察「ちょっと君、いいかね?」 ほむら「警察!?」 警察「こういうものは日本の法律では、個人が所有しちゃいけないことになってるんだ。分かるね?」 ほむら「ち、違う! これは魔女を倒すために!」 警察「はいはい、話は署できくから」 エリー「ま、こうなるわよね」 シャル「あちゃー……」    99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 15:43:58.44 ID:BMipfE190 [34/35] エリー「で、どうするの? 見たところ暁美ほむらのソウルジェムは、      精神的ダメージのせいかかなり黒ずんでいた。      魔法を使う余裕は殆どないはずよ」 シャル「これは……、むしろチャンス?       ピンチに颯爽と駆けつけてほむほむを助けだせば……!」    110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/01(金) 16:39:47.93 ID:UA49emXI0 [3/10] エリー「簡単にチャンスなんて言うけど、今の暁美ほむらは生半可なことじゃシャルになびかないよ?」 シャル「愛さえあればなんとかなるよ!」 エリー「楽観的過ぎだっつの」 シャル「まあまあまあ」 エリー「いや真面目な話、考えなしじゃあどうしようもないわよ」 シャル「うーん、そういうもん?」 エリー「当然。とはいえシャルにそんなこと期待できないから、作戦は私が考えるわ」 116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 17:39:14.00 ID:UA49emXI0 [4/10] エリー「作戦その1」 シャル「うん!」 エリー「恩を売るって方向性からは外れるけど、暁美ほむらを魔女化に追い込んで同類にしちゃうの。      そうすればきっと容易に友達になれるわよ」 シャル「却下!」 エリー「即答ー!?」 シャル「だってほむほむを魔女にするなんてなんか嫌だもん」 エリー「あんたがそう言うなら仕方がないか……。よし、次いってみよ」 120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 17:48:40.82 ID:UA49emXI0 [5/10] エリー「作戦その2」 シャル「ばっちこい!」 エリー「鹿目まどかの口を通して説得してもらう」 シャル「うー、それ通じるのかな?      『まどか……魔女に操られてるのね、可哀想に』      なんて感じであたし達への恨みをますます募らせそうな予感が」 エリー「確かに……。暁美ほむらのまどかへの溺愛具合を考えると、それもあり得るかも」 シャル「だよねぇー」 エリー「にしてもシャル。暁美ほむらがそういう人間だと分かった上でまだ諦めないなんて、本当に諦めが悪いというか……」 124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 18:01:39.50 ID:UA49emXI0 [6/10] エリー「作戦3」 シャル「こいこいこーい!」 エリー「グリーフシードを差し入れて友好の意思を示す!」 シャル「グリーフシードをぉ?」 エリー「あっ、もちろん私達以外のものをね」 シャル「そんなんで上手くいくかなあ」 エリー「上手くいく保証はないけれど、可能性はあると思うわ」 シャル「ふむふむ、ほむほむ」 エリー「言葉や行動と比べて、グリーフシードという特殊なモノには嘘の入り込む余地がない。      信用ゼロ状態から手っ取り早く好感を得るためには、グリーフシードをあげるって作戦は十分ありじゃないかしら」 シャル「そう言われればそんな気がしてこなくもないような」 エリー「ただ問題は、グリーフシードの入手方よね。誰か魔女に犠牲になってもらう必要があるから……」 126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 18:10:12.03 ID:UA49emXI0 [7/10] シャル「ねえエリー」 エリー「ええ。多分私、シャルと同じこと考えてる」 シャル「誰か今いる魔女を犠牲にするぐらいなら……」 エリー「いっそ今まで私達の仲間をたくさん傷付けてきた魔法少女を魔女にして、その上で倒してしまえば……」 シャル「一石二鳥だよね」 エリー「となると標的はあいつかしら」 シャル「マミマミ!」 132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 18:34:46.20 ID:UA49emXI0 [8/10] ―――― アンソニー「ひぃー!」 ゲルト「アンソニー! よっ、よくもわたくしの使い魔を!」 マミ「あら、怒っているのかしら。ごめんなさいね。     でも同族を傷付けられて怒っているというなら、それはお互い様……そうでしょう?」 ゲルト「あっ、ああぁ……わたくしのバラが……あぁ、せっかく育てた可愛いバラが……ひどいですわ……」 マミ(やっぱりね。この魔女のバラに対する執着心には並々ならないものがあるわ。     まともに戦えば骨の折れる相手でも、そこを突けば勝利は磐石になる筈) エリー「やややっぱ巴マミなんて倒せないんじゃないかしら……。     気配を追って駆け付けてみれば、あのゲルトが一方的にやられてるじゃない……」 シャル「ダメ! ゲルトを助けないと!」 エリー「でもぉ」 シャル「分かった! じゃあシャルはそこで待ってて!」 136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 18:38:48.00 ID:UA49emXI0 [9/10] あ。最後の台詞、名前間違えた 142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2011/04/01(金) 18:49:50.33 ID:UA49emXI0 [10/10] ゲルト「わたくしはただ、静かにバラを育てていただけなのに……」 マミ「悪いわね、生憎魔女の言葉は分からないの。     それじゃあさようなら。ティロ・フィナ―――」 シャル「させるもんかぁああああ!」 マミ「新手っ!?」 シャル「いっただっきまーす!」 マミ「ちょっと……冗談でしょ……」 シャル「う……ゲプッ。あー、まずかった……」 マミ「ティロ・フィナーレを……飲み込んだ……?」 ゲルト(か、かっこいい……まるで……、ああ、まるで! 白馬に乗った王子様! 女の子ですけど!)    238 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:00:25.01 ID:xNyasRNC0 [1/12] ―――― 目が覚めると、あたしは見飽きた病室のベッドに寝転んでいた そう、見飽きたベッドのはずなのに…… 何故だかひどく久しぶりに見る光景のような気がする 「ふあぁー」 欠伸を一つ 何故だか今日は体が軽い 病院、抜け出しちゃおうかな    242 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:05:23.74 ID:xNyasRNC0 [2/12] 病院の外に出るのは本当に久しぶりのことだった パジャマのままだから周りの目は気になるけれど、 でも同時に、そんなことどうだってよくなるくらいワクワクもしている 「まずはどこへ行こうかな……」 そんなことを考えつつ、町を適当にウロウロする ふと、ケーキのイラストが描かれた看板が目に入った 「ケーキ……。チーズケーキ!」 ずっと駄目だ、駄目だと言われてきたチーズ食品 でも、なんだか今ならチーズケーキを食べても大丈夫なんじゃないかなって、そんな気がする あたしは胸を高鳴らせながら自動ドアを潜り抜けた    245 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:10:39.67 ID:xNyasRNC0 「いらっしゃいませ!」 薔薇の髪飾りを頭につけた店員が柔らかな笑みを浮かべる あたしもつられて笑顔になってしまった 「ま、まずい……反則的可愛さですわ……。   白馬に乗った王子様……、いえ、お姫様のような……」 さっきまで優しそうな表情をしていた店員さんが、一転して妙な独り言をつぶやきだした 少し引きつつも、ケーキの並べられたショーガラスへ近づき、お目当てのチーズケーキを探し出す 「あった!!」 他のケーキより地味だけど、てかてかと綺麗に輝いたチーズケーキ ずっと手の届かなかったそれが、今目の前に! 「すみませーん! チーズケーキくださ―――」 言いかけて、固まる そういえばお金を持っていなかった    254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:19:45.54 ID:xNyasRNC0 「もしかしてお金が無いんですの?」 あたしのしょんぼりした顔に気がついたのか、店員さんはそう尋ねてきた 「……」 なんだか急に悲しくなってきて、あたしは何も言えずに俯いた と、何かをがさごそと詰めているような音が自分のすぐ近くから 自分以外にお客さんはいない筈なのにどうして? そう思い、顔を上げると……、 「お客様は可愛いから今日は特別サービスです!」 「ありがとうゲルト!」 突然口をついて出てきた言葉に、自分でも驚いた どうしてあたしはこのお姉さんのことをゲルトなんて呼んだのかしら もちろん店員さんも、面喰った顔を……、 「あらっ? ゲルト? わたくしそんな名前では……。   も変ですわね。何故か凄くしっくりきます……」 するかと思いきや、妙に納得したような様子だった 「では、またのご来店をお待ちしています!」    256 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:23:27.61 ID:xNyasRNC0 ケーキ屋を出ると、今度はまた町をぶらり しばらく歩く内に、あたしは公園へとたどり着いた 「……」 今日は平日の昼間 公園は閑散としているのだが、一人だけ、 ブランコに腰かけてギーコギーコ音を鳴らしている女の子がいた あたしと同い年ぐらいだろうか 「こんにちは!」 あたしは女の子の正面に近づくと、出来る限り明るい声で彼女に話しかけた 「あっ、こ、こんにち……は……」 女の子はいっぱいいっぱいといった調子で挨拶を返してきた    259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:35:00.11 ID:xNyasRNC0 「学校、サボってるの?」 女の子の隣のブランコに腰かけつつ尋ねてみる 彼女の足元には、鞄が一つ放り投げられていた 「ち、ちがっ……、さぼってるわけじゃなくて……早退……」 「あはは、仮病して公園で暇つぶしてるなら一緒だよー」 「い、言わないでね……? パパもママも……、怖いの……」 そう話す彼女の顔は、恐怖に染まっている 家族との仲がうまくいってないのかな 「言わない、というより、言えるわけないよ。だってあたし、貴女のお父さんもお母さんも知らないもん!」 「そっ、そっか。あはは……、馬鹿ね私」 「やっと笑ったね」 「えっ?」 女の子は、一瞬びっくりしたような顔になった後、すぐにまた口元を緩めた 「変ね……私、人と話すの嫌いなのに……貴女とのお話は嫌じゃない……」 そう言って、二つに結んだ髪の毛の内の一つを、丁寧に撫でる その仕草をしている時の彼女は、とても綺麗に見えた 多分この子、内面さえ変われば美人になると思う    265 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:42:50.24 ID:xNyasRNC0 「ね、貴女なんていうの?」 「私? 私は……エリ」 「エリ? そっか、可愛い名前だね」 「そうかな……?」 「そうだよ! エリだって本当はこの名前、心の中では大事に思ってるんじゃないかな。   他の名前なんか嫌! 私にはこの名前しかないんだー! なんて考えちゃうぐらいに」 「ほっ、他の名前……? それは確かに嫌かも……」 「でっしょー? だからさ。そんな大好きな名前をつけてくれたお父さんお母さんとなら、   きっと上手くやってけるんじゃないかなーって、あたしはそう思うんだけど」 「……」 女の子は返事を返さずに俯いた    276 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:49:20.95 ID:xNyasRNC0 「なんか出過ぎたこと言いすぎちゃったかな。……ごめんね」 「ううん。パパとママと、もう一度ゆっくり……話してみるね。こっ、怖いけど……」 「頑張れ! エリならきっとなんとかなるって!」 「そっ、そうだね……。貴女にそう言ってもらえると、本当に何とかなりそうな気がしてくる……」 女の子は、出会ってから今までで一番自然な笑顔を見せてくれた 少しは気持ちを許してくれたかなと思うと、凄く嬉しくなる 「さってと、あたしはそろそろ帰ろうかな」 あたしはブランコから勢いよく飛び降りた 「まっ、また……会えるかな?」 「会えるよ! だってあたし達、友達だもん!」 「とっ、友達!? そ、そっか、友達……えへへ……」 「うん! だから必ず会おうね! 約束だよ!」 「うん! 約束!」    282 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 00:56:16.54 ID:xNyasRNC0 病院への帰り道をたどる 途中、中学生の五人組とすれ違った 「あーもう可愛いなあ、まどかは! このこのっ!」 「おいおいさやか、まどかの奴明らかに嫌がってんぞそれ」 「そんなことないない! そうですよねー、マミさん」 「ふふっ、どうかしら?」 「ちょっ、マミさんまでー!? んじゃ仁美はどう思う?」 「ノーコメントでお願いしますわ」 「ひどっ!? だっ、だけどまだだ。まだ肝心のまどかの言葉を聞いていなぁーい!」 「私は……ちょ、ちょっと苦しいかな、そんなに強く抱きつかれると」 「なっ……い、いつから私の嫁はこんな反抗期に陥ってしまったんだ!」 「ほーらな、言ったろさやか!」 「杏子に言われるとむかつくー!」 まどか、と呼ばれ、みんなの中心にいる優しそうな顔のお姉さん 一瞬だけ目があったような気がした    287 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 01:04:38.82 ID:xNyasRNC0 小さな冒険もおしまい とうとうあたしは、白くて大きな病院に辿り着いてしまった 「……」 さっきまで弾んでいた心がウソみたいに沈んでいく また闘病生活か、嫌だなぁ…… そう思った矢先のこと、 「○○!? ○○なの!?」 眼鏡をかけたお姉さんがあたしの方へ駆け寄ってきた 胸……、ちょうど心臓のあたりを抑えている そう、心臓病の彼女にとって、走るという行為は身体に大きな負担がかかるのだ なのに、彼女は自分の身など心配せず、 「心配したんだから……」 あたしの身体を、ギュッと抱きしめてくれて 「ごめん、ごめんね、ほむほむ」 暁美ほむら あたしと同じ病室で入院している、少し年上で眼鏡をかけたお姉さん 彼女に抱きしめられたその瞬間、あたしは全てを思い出した    293 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 01:16:25.29 ID:xNyasRNC0 あたしは……、QBと名乗る変な生き物と契約を交わして、魔法少女とやらになった 叶えてもらった願いは凄くわがまま お菓子を一杯食べられますように 病気が治りますように ほむほむも学校に通えるようになりますように それを全部、全部 勿論QBには、そんなの無理だよと言われた だけどあたしは、とにかく全部欲しいと言った その結果が、全部不完全な願いの成就 あたしはお菓子をたくさん食べられるようになった だけど、チーズだけはどうしても食べられない呪いにかかった 病気は治った だけど、もう人間の体ではいられなかった ほむほむは学校に通えるようになった ただし、しばしば入院しなければならないぐらいに不安定な状態で それから色々あって魔女になって、やっぱり色々あって人間に戻れて こうしてほむほむの腕の中にいる    294 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします []  2011/04/02(土) 01:17:49.34 ID:xNyasRNC0 「シャル……ロッテ?」 ほむほむも何かを思い出したのか、目を丸くしてこちらを見ている まなじりには軽く涙が浮かんでいた 「ごめんなさい、ひどいことして……本当にごめんなさい……」 「ううん、いいんだよそんなこと。今はこうして仲良くできるんだから」 あたしはほむほむを抱きかえすと、笑顔で元気にこう一言 「わたしはほむほむ派です!!」 本当に欲しいものは初めからここにあったんだ おわり 抽出レス数:12