204:ホラー[シグ+バル+フェイ+シタ]
ユグドラシルのギアドッグで深夜になると、何かが出ると言い出したのは誰だったか。
噂は徐々に広がっていく。
結果的に失敗に終わったアヴェ奪還作戦時に、キスレブ国境に配置されている部隊の足止めへとフェイと共に向かい、戦死したミロクの亡霊ではないかという噂が広がった。
彼は、何か心残りがあったのではと。
「で? ミロクの大将が? 化けて出たって?」
胡散臭そうな目を向けバルトは言った。
「困った噂です。かといって、無理して否定すればするほどこの手の噂は真実味が増しますしどうしたものか」
シグルドは腕を組んでちらりとギアドッグの方へと目を向ける。
ミクロの名を聞いて、フェイが沈んだ表情で俯いた。
「俺があの時もう少ししっかりしていれば……」
バルトはフェイの肩をぽんと叩いた。
「おいおい、落ち込むなよ。ミロクが死んだんだって、おまえのせいじゃないって。それにあいつは恨みがましく出てくるようなやつじゃない」
そこへ、シタンが登場する。
「みなさん、例の噂ですか?」
「ああ。噂は噂だし、大きな影響があるとは思えんのだが……。こういった話の耐性には個人差がある。駄目な人間は駄目だし、個人の名誉のために名は伏せるがある整備士など、夜中にギアドッグに近づけもしない有様だ」
シグルドが口をへの時に曲げる。
「それでしたら、これなどいかがでしょうか」
と、シタンが差し出したもの……なんか、のおもちゃ……というか小型の感知器のようだった。
「先生すごいや!」
どんな機械かも聞かずにフェイは無条件に感心している。
「で? 何なんだ? これは」
その一方シグルドは聞きもせずに無条件に警戒していた。
「あ、これはお化けを関知するレーダーです。名称はまだ決まっていないのですが」
シグルドの眉間にムカマークが浮き上がっていった。
「ヒュウガ……、どういった仕組みだ?」
シタンは待ってましたとにっこり笑って説明する。
「これはですね、空間の温度、時間、振動、音圧、電磁波、その他未知のエネルギーの影響を受けることで真性乱数の発生を可能にした超小型の真性乱数の発生装置と、空間へのフィードバックディスプレー、及び評価プログラムにより出来上がっています。
つまりですね、空間のノイズレベルを拾って異常を探す
……という理屈になっています」
「な、なんか難しくてよく分からないけど凄いぞ」
とバルトまで身を乗りだして感心している。
「で、これはバリア機能もついていますから、いざ出ちゃっても大丈夫ですよ」
「もういい、ヒュウガ。俺は持ち場に戻る」
シグルドは頭をかかえ、ふらりとその場を離れた。
「なあ、先生俺にこれくれよ」
「ええ、構いませんよ」
シタンはバルトにレーダーを手渡した。
深夜。
バルトとフェイは無人のギアドッグにいた。
レーダーが反応している。
だけど、二人には何も見えなかった。
バルトはぽつりと言う。
「俺、おまえに謝らないとな。アヴェ……奪還失敗した。おまえが身を挺してキスレブ国境部隊の足止めをしてくれたのにな。だけど、必ずおまえの為にも俺、奪還してみせるよ。だから、あと少し待ってくれよな」
続けてフェイも言った。
「俺……頼まれたことちゃんとやるよ。だから、心配しないで。大丈夫だから」
ミロクが最後にフェイに「若の力になって欲しい」と言ったのだ。
「おい、フェイ。ミロクに何を頼まれたんだよ」
「ナイショだよ」
フェイやにやりと笑った。
「おい、ずるいぞ、吐け」
「駄目だよ」
やりあう二人がふと見れば、レーダーの反応が消えていた。
その後、幽霊を見たという訴えはぴたりと止まった。
先日、うっかりばけたんストラップを購入していまったので、つい(笑)。
ユグドラシルのギアドッグで深夜になると、何かが出ると言い出したのは誰だったか。
噂は徐々に広がっていく。
結果的に失敗に終わったアヴェ奪還作戦時に、キスレブ国境に配置されている部隊の足止めへとフェイと共に向かい、戦死したミロクの亡霊ではないかという噂が広がった。
彼は、何か心残りがあったのではと。
「で? ミロクの大将が? 化けて出たって?」
胡散臭そうな目を向けバルトは言った。
「困った噂です。かといって、無理して否定すればするほどこの手の噂は真実味が増しますしどうしたものか」
シグルドは腕を組んでちらりとギアドッグの方へと目を向ける。
ミクロの名を聞いて、フェイが沈んだ表情で俯いた。
「俺があの時もう少ししっかりしていれば……」
バルトはフェイの肩をぽんと叩いた。
「おいおい、落ち込むなよ。ミロクが死んだんだって、おまえのせいじゃないって。それにあいつは恨みがましく出てくるようなやつじゃない」
そこへ、シタンが登場する。
「みなさん、例の噂ですか?」
「ああ。噂は噂だし、大きな影響があるとは思えんのだが……。こういった話の耐性には個人差がある。駄目な人間は駄目だし、個人の名誉のために名は伏せるがある整備士など、夜中にギアドッグに近づけもしない有様だ」
シグルドが口をへの時に曲げる。
「それでしたら、これなどいかがでしょうか」
と、シタンが差し出したもの……なんか、のおもちゃ……というか小型の感知器のようだった。
「先生すごいや!」
どんな機械かも聞かずにフェイは無条件に感心している。
「で? 何なんだ? これは」
その一方シグルドは聞きもせずに無条件に警戒していた。
「あ、これはお化けを関知するレーダーです。名称はまだ決まっていないのですが」
シグルドの眉間にムカマークが浮き上がっていった。
「ヒュウガ……、どういった仕組みだ?」
シタンは待ってましたとにっこり笑って説明する。
「これはですね、空間の温度、時間、振動、音圧、電磁波、その他未知のエネルギーの影響を受けることで真性乱数の発生を可能にした超小型の真性乱数の発生装置と、空間へのフィードバックディスプレー、及び評価プログラムにより出来上がっています。
つまりですね、空間のノイズレベルを拾って異常を探す
……という理屈になっています」
「な、なんか難しくてよく分からないけど凄いぞ」
とバルトまで身を乗りだして感心している。
「で、これはバリア機能もついていますから、いざ出ちゃっても大丈夫ですよ」
「もういい、ヒュウガ。俺は持ち場に戻る」
シグルドは頭をかかえ、ふらりとその場を離れた。
「なあ、先生俺にこれくれよ」
「ええ、構いませんよ」
シタンはバルトにレーダーを手渡した。
深夜。
バルトとフェイは無人のギアドッグにいた。
レーダーが反応している。
だけど、二人には何も見えなかった。
バルトはぽつりと言う。
「俺、おまえに謝らないとな。アヴェ……奪還失敗した。おまえが身を挺してキスレブ国境部隊の足止めをしてくれたのにな。だけど、必ずおまえの為にも俺、奪還してみせるよ。だから、あと少し待ってくれよな」
続けてフェイも言った。
「俺……頼まれたことちゃんとやるよ。だから、心配しないで。大丈夫だから」
ミロクが最後にフェイに「若の力になって欲しい」と言ったのだ。
「おい、フェイ。ミロクに何を頼まれたんだよ」
「ナイショだよ」
フェイやにやりと笑った。
「おい、ずるいぞ、吐け」
「駄目だよ」
やりあう二人がふと見れば、レーダーの反応が消えていた。
その後、幽霊を見たという訴えはぴたりと止まった。
先日、うっかりばけたんストラップを購入していまったので、つい(笑)。