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愛の性教育(完璧なる避妊)

ヒュウガ「先輩、結婚したんですね。おめでとうございます」

ジェサイア「ああ、まあな」

ヒュウガ「(ジェサイアの顔を覗き込みながら)何か浮かない顔ですね。もしかして、予定外の結婚でしたか?」

ジェサイア「ああ、いずれ……とは、思ったがこんなにはやく結婚するハメになるとはな。俺はいいんだが、ラケルの親族の目が冷たい」

ヒュウガ「それじゃ、噂通り、避妊の失敗、できちゃった婚ですか?」

ジェサイア「かわいい顔して、しれっとそういうことを言うなよ、このお子さまは」

ヒュウガ「先輩はずぼら過ぎるんですよ。どうせ、いい加減な避妊をしたんでしょう」

ジェサイア「なんとなーく、だいじょーぶだと思ったんだよな」

ヒュウガ「根拠の無い大丈夫なんて、非科学的ですよ」

ジェサイア「まあ、ラケルだったからいいようなものの、これからは気を付けないとな」

ヒュウガ「でしたら、ずぼらな先輩でも、絶対に失敗しない完璧な男性用避妊薬があるんですけど、試してみます? なんせ、一度服用すれば、一年間その効果が持続します。誰も妊娠させることはないんです。臨床データさえとらせてくれれば、タダで、差し上げます」

ジェサイア「どんなんだ?」

ヒュウガ「(赤いカプセルを差し出して)えと、これです」

ジェサイア「(しげしげと見つめ)普通のカプセルだな」

ヒュウガ「はい、これを飲むと、勃起しなくなります」

ジェサイア「何考えているんだ! それじゃ、意味がねーだろうが」

ヒュウガ「(意味がない? なぜ意味がないんだろう)え、ダメですか? それならこれはいかがでしょうか?」

ジェサイア「これか? 普通の錠剤だな」

ヒュウガ「はい、これは勃起はしますが、射精しなくなります!」

ジェサイア「ぐっ……。バカヤロー!! 俺を殺す気か?」

ヒュウガ「(射精しなくなって、死ぬ人間っていたっけかな。症例を調べてみよう。過去50年くらいでいいかな……)我が儘な人だなー。次は、最期の避妊薬ですが……」

ジェサイア「どれだ?」

ヒュウガ「あれ? ここにあったはずですけど」

ジェサイア「無くしたのか?」

ヒュウガ「おかしいな。おや? 先輩……、それ、何、飲んでいるんですか?」

ジェサイア「おまえが煎れてくれたコーヒーだろうが」

ヒュウガ「え? ……あの」

ジェサイア「?」

ヒュウガ「それが、避妊薬」

ジェサイア「って、見た目も味もコーヒーだぜ」

ヒュウガ「ええ、第三の避妊薬は、煎じ薬なんですよ。で、味も見た目もコーヒーそのものなんですが」

ジェサイア「ぶぅぅぅーーーっ!!」

ヒュウガ「もう、全部飲んでしまいましたね。まあ、一年間は避妊しなくていいんですから、いいじゃないですか」

ジェサイア「おい、これはどういった効果があるんだ?」

ヒュウガ「それはですね、男性は女性になってしまうんですよ。まあ、肉体が完全に変化するのに、二十四時間はかかりますけど、女性になれば、誰も妊娠させなくて済むでしょう?(にっこり)」

ジェサイア「っつーことは、なにか? 俺は一年間女でいなければならないってことか!? うそだろー」

ヒュウガ「もう、起きてしまったことを悩むのは時間の無駄ですよ。せっかく女性の身体を手に入れたのですから、それを楽しむくらいの気概がないと」

ジェサイア「いや、俺が心配しているのが、あと一年もの間、ラケルとセックスできないということだ!」

ヒュウガ「そんなにセックスというものをしたいのですか? 女同士ではできないものなんですか?」

ジェサイア「女同士で……(妄想中)それもいいかも……(ぶんぶんぶんと首を横に振って)そうじゃなくて! ラケルに同性愛的指向があるかどうかはわからんし、そもそもあったとしても、この俺が女になったようなのが趣味かどうかは甚だ疑問だ。いや、そういった問題じゃない」

ヒュウガ「つまり、こうですね。やはりセックスというものは、男女でするほうが先輩にとってベターであり、無難であると」

ジェサイア「まあ、そういうことだ」

ヒュウガ「ああ、それなら方法はあります。この薬をラケルさんに飲ませてください(茶色の小さいボトルを差し出して)」

ジェサイア「今度は何だ?」

ヒュウガ「えとですね、このシロップ薬ですが女性用避妊薬でして、女性が男性になっちゃうんですよ。これでラケルさんに男性になってもらえば、女性の先輩とセックスというものができるんですよね」

ジェサイア「(ほっとして)そうか、そんないいものがあるのなら、さっさと教えろよ。それをラケルに飲ませて………(はっ!) ちょっと待て! それを俺が飲めば済むんじゃないか」

ヒュウガ「まあ、確かに理論上そうですが、それではあまり面白くない……いえ、女性用避妊薬としての臨床データが取れないから、やはりラケルさんに飲んでいただかないと」

ジェサイア「冗談じゃない! さっさとよこせ」

ヒュウガ「イヤです。それじゃつまらないし(と、素速く逃走)」

ジェサイア「こら、待ちやがれ! このくそガキ!」

その後、ジェサイアが無事に薬を手に入れられたかどうかは、定かではない。

おしまい

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