EP1の評価が一番低いわけ(その1)
以下、勝手な想像というか、妄想でしかありません。(念のため)
EP1~EP3トータルで「ゼノサーガ」だと私は思っていますので、切り離して考えることはできません。
名を残す傑作になりそこねた失敗作で述べたとおり、ゼノサーガは、EP1が完成したとき、失敗作になるよう運命づけられてしまったというのが、私の今のところの結論です。
そういった意味でEP1の評価が私の中で一番低い。EP2もEP3もEP1のとにかく尻拭いをする、ツケを払うことが大前提になるのですから、大きなハンデがあります。
ただ、その尻拭いの方向を致命的に間違ってしまったのが、EP2だと思います。その為、状況をより悪化させてしまったのではないでしょうか。それは、会社が若かったせい、新監督、新シナリオライターの経験不足、マーケティングのイロハが分かっていないなど色々思いつきますが、これも他と同様想像の域を出ません。
あるかたから、いただいたた情報でゲーム雑誌の記事です。
EP2の新井監督が、ファンの声をどんどん反映していきたい、という事で、
「ここがよくて、ここが困ったなどの生の意見を素直にアンケートハガキなどで伝えていただければ、それが一番いいかなと」
のように、おっしゃっていたそうです。
EP2は失敗作であったEP1の方向性の修正といったところからはじまったのではないでしょうか。ファンの意見を大切にし、悪いところを削り要望を生かそうとしたのではないかと。普通に考えればそれは正しく良いことです。
前に書いた記事と重複しますが、あのポリゴンキャラそのものは当時、評判が決して良いとはいえませんでした。田中久仁彦氏に大きな思い入れはありませんが、それでも、田中久仁彦氏のキャラデザインがまったく生かされていない造形だと思いました。正直、EP2で田中久仁彦氏がおりたのは、あんな妙なポリゴンにされたのが不本意だったから……と思い込んでいたくらい。
ですから、ポリゴンタッチをリアル路線へと変更したのでしょう。でも、それはまったく意味がなかった。リアル路線をと希望した人達は言うだけ言って、皆ゼノそのものから離れてしまったからです。残った人の多くは、EP1のポリゴン造形が気に入っていた人達です。不評であたりまえです。
そして、ファンの声で多かった不満、「キャラの視点が定まらず散漫で分かりにくい」ということでキャラ一人に絞ろうとなります。
これは、正解だと思います。
ゼノギアスは最初から最後まで、どんなにバルトに人気が出ようがフェイ視点でした。(一作にまとまっていたのですから、あたりまえです)。
ゼノサーガももし一人に絞るとしたら、最初に設定した主人公シオンから目を離すべきではなかったのです。人気がなくてもです。でも、サーガはそこでファンの意見を中途半端に採り入れてしまったのではないでしょうか。
「Jr.人気」。
実は、EP1終了時、一応ファンサイト巡ってみました。その時、驚いたのが、とにかく「Jr.」がらみのファンサイトばかりだったことです。
ゼノギアスだって、人気あるキャラのファンサイトが集中していましたが、一人とその周辺のキャラにここまで偏っていたりはしませんでした。しかもカップリングといえば、黒×赤、白×赤、赤×桃で、その逆や黒×白なんて見つかりませんでした。それと、キャラに依存しないファンサイトも見つからなかった。もちろん、統計的な調査をしたわけではない、あくまでも私個人の印象です。
カップリングのバリエーションの少なさは、キャラの関係性を描けていないからということに気がつくべきです。
※対談ゼノサーガを語るで、伊波さんはJr.が薄っぺらいキャラに見える理由を説明されています。
「Jr.やU.R.T.V.に人気がある、ならばJr.中心の話だとファンが喜ぶ。EP2はJr.中心でいこう」
こんなふうに考えたのではないでしょうか(しつこいようですが、もちろん妄想です)。でも、そうだとしたら、大きな勘違いです。
そう考えるのではなく、「Jr.やU.R.T.V.以外に人気がない。他のキャラの魅力を出し切れていない」ということに気がつくべきでした。
(ちなみに、ファンサイトは女性中心ですので、男性陣の人気はコスモスとモモで二分していたようです)
EP1のストーリー進行具合は、ゼノギアスでいえば、アヴェ奪還作戦が失敗して、ユグドラシルがイドに沈められたくらいではないかというのが私の印象です。
ただし、フェイだけのエピソードではなくて、バルトやエリィがらみの単独イベントを別に作りストーリー進行はなくても、シナリオにボリュームを出してみます。というか、バルトやエリィなどのサブキャライベントに拘り過ぎて、それ以上ストーリーを進行させることができなかったと仮定します。「続く」になり、ゼノギアス2が発売になるのが2年後です。
それでも、ゼノギ2が発売になると仮定します。
バルトだけは人気があるのだからと、バルト中心のストーリーにしてしまいます。
スクウェアだったらもちろん、そんな中途半端なもの日の目を見ることはなさそうですが、間違って発売されたとして90万枚近くも売れたかどうか。
まあ、とんでもなく飛躍した邪推でしかありますが、ゼノサーガのEP1は、そんな印象なんですよね。
続きます。