それが、小説だろうが、マンガだろうが、ドラマだろうが、特撮ものであろうが、アニメだろうが、ゲームだろうが、またファンタジーであろうが、童話であろうが、SFであろうが、学園ラブコメであろうが、フィクションは一つの世界観の中で構築される「幻想」というか「嘘」であるわけです。
だから、どんなに荒唐無稽な設定だろうが、荒唐無稽な科学(?)理論であろうが、その世界観の中で整合性があれば、すんなり受け入れることができたりします。
逆にいえばその「嘘」の中にリアリティを感じさせることに成功しなければ作品に集中没頭させることはできないでしょう。
ただ、そういった作品集中の妨げになる「え?」なる部分が結構あったりします。そういったものを私は「ひっかかりポイント」と勝手に呼んでいます。
しかし、厄介なことに、「どーいったことにひっかかり、どーいった具合にそれがその作品世界に没頭させることの妨げになるのか」ということは、人によって違います。つまり、ひっかかりポイントは人それぞれだということになります。
大なり小なり、このひっかかりポイントはすべてのフィクションの中にあるだろうし、素直で純粋な子どもはほとんど気にせずにすんなりその世界観を受け入れてしまいます。
人間歳をくったりして、つまらない経験をして、つまらない知識がつけば、このポイントは多くなります。
昔、「トラウマ」をモチーフにしたドラマがあったそうです。評判になったドラマらしいのですが、私はいわゆるTVドラマはほとんど観ないのでなんというドラマかはわかりません。で、そのドラマについてある精神科医が何かに書いていたのですが、「そんなバカなことはない」な描かれかただったそうです。が、心理学の素人の視点ではそんなこと気付きようがない。だから、そのドラマにリアリティを感じ集中できるし、感動すらしてしまう。
前々から、私がエロゲーの中での「コンドーム」というものに、拘るのもその辺に理由があるのでしょう。エロゲーの主人公たちは、妊娠というものを少し気にすることはあるようですが(もっとも、「今日は安全日よ」の一言で納得してしまう)、いわゆる「性感染症」に対する危機感がほとんど見受けられません。先進国では、徹底的な教育の結果、減少しているという「AIDS」。だが、日本では10代~20代という若い層にて、集中的に増加しているといいます。おそらく、こういった意識の低さがエロゲーの世界でも表れているのかなぁとは思います。
コンドーム着けずにいきなり突っ込む男にも、それに流される頭の悪い女にも正直ムカつくし、共感なんてしようはありません。
他にも、「幻想水滸伝」でのいかにも、嘘っぽい戦争の描き方とか、「ゼノサーガ」における、マネキン人形とペコちゃん人形が同居しているようなキャラデザイン設定バランスの悪さとか、「アトラクナクア」における、中途半端に現代的エッチもそうだと言えます。
そういったひっかかりポイントは、どんなもでも見つけることはできます。それが、作品没頭への足枷になるかどうかは、作品トータルでの出来と相性によるんだろうなあと思います。
もちろんこういったひっかかりポイントは人それぞれである以上、私が疑問に持たず、すんなり受け入れてしまうような作品に、引っ掛かるかたもいるでしょう。ということで、私のひっかかりポイントに引っかからないヤツが変だとか言っているわけではありませんので。
ええと、前置きが長くなってしまいましたが、遙エンドと水月エンドをクリアした「君が望む永遠」。随所随所に見られたひっかかりポイントのせいか、シナリオに集中できなかったというのが、本音です。
こういったノベル形式のゲームは、数多くはプレイしていないので、一般的にどうかはよくわからないのですが、演出が巧く技術的に完成度も高そうですね。どこでもセーブでき、その数もほとんど無制限に近いというのは、優れモノなんだろうなぁと思います。
で、肝心要のシナリオですが、「何が言いてえんだよ」なところは無いし、まあ、丁寧に巧みに展開を持っていっているとは思います。
が、あのへそ出し制服とか、胸の谷間にもそって山二つができるぴちぴちスーツのOLとか、乳首までくっきりな、ぴちぴちの服の上にだらしなく白衣をはおっただけの女医にまずは首を捻ってしまいました。(これは美少女ゲームに限ったことではないが)
あと、病院舞台の展開にひっかかりポイント多発していました。銜え煙草で病室に赴く女医。重病人がいる棟であるに拘わらず、風邪で高熱を出していてもまったくお構いなしに、見舞おうとする連中。それを知っていても、止めもしない看護士やら医者やらの、無神経さに唖然。
しかも、風邪で高熱を出し、ぶっ倒れて、目が覚めたとたん、集中治療室へ向かうというのはいかがなものでしょうか。集中治療室に入るさい、上着を着せられマスクをつけさせられ、手をアルコールで消毒するということが、描かれていてそれはないだろう、おい。
他にも、三年間寝たままのとき、何故きちんと髪を切ってやらなかったのか謎で、もう頭の上で?が点滅しまくっていました。前髪は切ってあげているのだから、少なくても事故にあった時点の髪の長さにカットしてあげれば、清潔に保ってやることも楽だったろうに。もともとロングヘアで目覚めたときにショックを受けないように伸ばしておくというのなら、まだ理解はできます。でもねえ、遙ってもともとショートボブでしょう。しかも、目が覚めたとき、長くなった髪の毛で三年の時間経過を気付かれたらどうしようなどと、周りはびくびくしています。
何を考えて敢えて伸びるまんまにしていたのでしょうか。親なり看護士なりどういう神経しているんでしょう。
それと、交通事故により、寝たまま目を覚まさず、三年ぶりに目覚めたという設定は別にいいのですが、もう少し病状やら治療法に、医学的説明があればあの世界にリアリティがあったのではなかろうかと思ってしまいます。脳外科の範疇と、精神科の範疇をごっちゃにしているようにしか思えませんでしたし。
「いつ、また眠ってしまうかわからないし、その時は命に関わるかもしれない(うろ覚え)」というまったく医学的根拠の示されていない説明になっていない説明には「はぁ?」だったですね。
なんというか、医学的に有る程度きちんとした(それっぽい)小道具としての理論を使いリアリティを演出する気などないのでしょうか。時間と手間がかかりすぎるのか、面倒なのか。
こういったことは、美少女ゲーム、所詮エロゲーだからこそ許されることであって、まともな小説やドラマであったのなら、許されるとは思えないんですよ。(病院が多く登場するドラマだったら、専門家の監修くらいつきそうだし)
まあ、他にも色々あるのですが、一々あげていたらキリがない。
いずれにしろ、美少女ゲームにそれを言及するのはナンセンスというものであり、美少女ゲームをプレイする資格はないだろうということで、別にこの君望が、駄作だとか言っているわけではもちろんありませんので。
ちょっと不安になって、ネットにちらばっているレビューいくつか読んでみたのですが、「感動した」「泣いた」等、シナリオ絶賛されまくっていますね。こういったアホなことにひっかかている人っていないようでしたので、私がとんでもなくずれている可能性の方が高そうです。
別にギャグで、軽いノリであるのなら私でも気にならないと思うのですよ。確信犯ということで。
でも、このゲームはもともと、意図的にシリアスで重い演出されているために、私的にはひっかかるのだろうなぁ。
作品そのものの感想までいかなかったので、残りは後日。
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