先日、アリスソフトのアトラク=ナクアという18禁ゲームをクリアしました。
このゲームは多くのかたがすすめてくるゲームでしたので、前々から気になっていたゲームでした。
以下、若干のネタバレがあるかもしれません。
未プレイで、プレイしてみようと思われるかたは、読まないように。
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↓ネタバレ改行
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ストーリーは、初音という名の何百年も生きてきた女郎蜘蛛の化身が主人公になります。彼女は宿敵との戦いに傷つき現代の高校に逃げ込みます。来るべき闘いに備えるために、そこで身体を癒すことになります。人間の姿をとり、昼間は転校生として、高校生活を送りますが、結界のない校内から外へ出ると、敵に見つけられてしまうため、校内から一歩も外へは出られません。
そして、常人には見えない巣をはり、獲物を待つことになります。
また、彼女の術により、獲物とされた生徒が消えても誰も疑問に思いません。
世界観の設定は、いわゆる伝奇ものでしょう。伝奇ものとエロは親和性がとても良いと思います。だからでしょうか、ムードがとても艶っぽい。妖しさが、全体に流れる音楽に馴染み、心地よい。
ターゲットにされた人間が逃れられるのか、追いつめられ捕らえられるのかはプレイヤーの選択にかかわってきます。その心理的に追いつめられていくそれぞれのキャラの描き方も丁寧です。
このゲームで、初音は、獲物と交わることにて、相手から精気を得ます。相手は男女を問いません。獲物を犯し、獲物に肉体的快楽を与えることにより精気を吸い取る。もっとも、普通にバリバリと喰らうこともありますが。まあ、大抵バリバリと喰われるのはどーでもいい(性的に魅力のない)キャラになりますので、ご安心を(は?)
獲物は肉体的にも精神的にも汚れがないほど、上等の精気を与えてくれます。
初音は、罠を貼り、目を付けた獲物をじわじわと追いつめ、捕らえます。(ゲームですから、選択によって、贄として意志を奪われ肉欲のみの人形とされるか下界に逃れられるかの分岐はそれぞれのキャラにありますが)
ということで、それぞれがいわゆるエロシーンとなります。これは、エロを絡める伝奇もののお約束かですので、まあ気になりません。
相手が女の場合、初音は自らが持つ、擬似男性器にて犯し、射精(蜘蛛らしく、精液は毒)すらします。これは、いわゆるフタナリジャンルを巧い具合に、伝奇ものに取り入れ、フタナリモノに萌えるオトコノコを狙ったのかなぁ。と笑いましたが。って、この辺はまだ許せる範囲なのですが。
さて、問題はですね。
なんせ、人と交流することもなく、ン百年生きてきた、女郎蜘蛛であるのですから、現代の高校に入学しても、いわゆるカタカナ語はすべからく理解不能なわけです。
シャンプーの意味すら解りません。もちろん、メカにも疎い。自動販売機でジュースの買い方がわからなくて、男の子に買わせてしまったり。
しかも、口調はすべて「あそばせ」言葉(笑) そんな女子高校生いねーよ。
ええ、なかなかお茶目と言えないこともないのですが。
が、しかしです。この女郎蜘蛛、ことエッチということに関しては、最新の情報収集に余念がないようです。どう考えても、その手のSM本とか、ビデオとか、ネットとかを参考にしているとしか思えないんですよね。彼女の施すエッチが。
いや、あのボンデージコスチュームはどっから手に入れたんですか? って言う以前にそういった衣装を着せようという発想になることが、彼女の勉強家であり、努力家であるという一面を垣間見せてくれていて、涙ぐましいです。
しかも、緊縛……。あの縛り方は、やはり一朝一夕で身に付くモノとは思えません。
毎日、雑誌を参考に縛り方の練習をする、女郎蜘蛛……侮れません。
というふうに、初音がすべからく時代錯誤しているに関わらず、エロというかエッチが今風であるということでしょうか。やはり、「これはエロゲーである」と肝に銘じておかないと、こういったエロゲーのセオリーなのか、現代人が抜けるエロを目指しただろうエッチシーンに引っ掛かってしまう、野暮なヤツもいるわけで。
(ここまでヤルなら、是非コンドーム……←まだゆーか)
たとえば、星野之宣とか、諸星大二郎の伝奇ものマンガに、いきなりそういったエロシーンが描かれたとします。
えーと。
…………。
…………。
ギャグでない限り、変です。大まじめにやられたらしらけます。
やはり、頭ン中身をエロゲーを受け入れフォーマットした上でないと、受け入れ難いのです。
いや、何を今更です。エロゲーなんですから、当たり前と言えば当たり前です。
もともと伝奇ものはエロとの親和性が良い。露骨な性描写無しでも、エロチックにできます。であるからこそ「アトラク=ナクア」も、最初から最後まで、艶っぽい雰囲気を持ったゲームと言えるかもしれません。
が、お約束のエロゲーとしての実用性として挿入しただろうシーンに注目してから、伝奇ものという視点でこのゲームを捉えれば、足を引っ張っているようにしか思えないのです。私には。
一般向けゲームという規制の中で、伝奇もの特有のエロチックさを表現するというのは、不可能かもしれません。が、ある意味オカズとしての実用性(=お約束エッチシーンの挿入?)を兼ね揃えねばいけないという、エロゲーとしての規制の中で、こういった艶っぽい伝奇ものを描くというのは、それはそれで、難しいんだなぁと思った次第です。
もっとも、これは重箱の隅をつつくような指摘ですので、このためにこのゲームの評価が下がるとかいうほどもものではないですので、誤解の無きよう。
※エロゲーをプレイして、レビューを読んでみると、オカズとしての実用性について詳細に追求した考察など読んだことがないのが謎です。アトラクも、シナリオとかキャラとか音楽とか……で。一体これをプレイしている男の子たちは、このゲームの実用性を……(以下略)
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