拘束
「だぁめ」
僅かに身を引いたのを止める様に、ザックスのかすれた声が耳元の髪を揺らしながら脳へと波状信号をつなぐ。
かちゃり、かちゃりとゆっくりと掛けられる首輪は、皮膚の表面を柔らかく撫でた。
目をつぶるとジンとした電流が神経の周りを暴れ回っているのがわかる。
寒くないのに鳥肌が立って、少し震えた。
頭がぼんやりとして上手く考えがまとまらない。
そうこうしているうちにシャツもジーンズも取り去られて、ベッドの上にぼんやりと座っていた。
まるで壊れやすいトッピングのされたディナーの皿でも運んでいるかのように運ばれて来たことを、微かに覚えている。
鎖を一回り絡ませながらそれを握る手と、嬉しそうに俺の髪を撫でる手の対比が面白くて、ザックスの肩口に額を当てて笑った。
そう、ずっと握ってて。
はなさないで。
捕まえてて。
ずっと。ずうっと。
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2006.5.8
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