金糸雀が俺の家にやってきたので、日ごろの恨みを晴らすべく暴行を加える。
まずは火あぶりだ。2月の寒風に骨の芯まで冷えているところに、いきなり火あぶりである。苦しみは通常の何倍にもなるはずだ。
早速灯油式の火あぶり装置を持ち出してきて、金糸雀をその前に座らせスイッチを入れる。
だが、強情にも金糸雀は泣き喚こうとはしない。このままでは面白くないので更に責め苦を与えてやる。
俺様がじきじきに顔を擦り付け、摩擦熱で加熱してやろうというのだ。更に俺の顔に生えた数千本の棘で顔を突き刺し、二目と見られない姿にしてやるぞ。
「まさちゅーせっちゅ!」と奇声を上げて金糸雀に飛び掛る。ふはは、怖かろう怖かろう。
一通り火あぶりが済むと、ドレスを強引に剥ぎ取る。誇り高いローゼンメイデンを丸裸にするとは、己の残虐さが恐ろしい。
そして40度の熱湯が沸き立つ巨大な水槽に金糸雀をぶち込む。
釜茹でと同時に内部機構がじわじわと錆びる恐怖を味あわせる、鬼畜のごとき責めだ。
これだけでも見るに耐えない光景だが、海草の成分を配合した化学薬品を頭からぶっ掛けるのも忘れない。
より高い効果を示すよう、俺の手で髪の毛一本いっぽんにまで塗りこんでやる。
更に頭から熱湯を浴びせかける。さっきの薬品が少々落ちてしまったが、金糸雀の髪には磯臭い臭いがべっとりと染み付いた。
薔薇乙女でなく海草乙女である。これは笑いものだ。
更に安っぽい木綿繊維をわざわざ毛羽立つように編んだ布で体をヤスリ掛けのごとく掻き毟ってやると、
金糸雀の誇りを粉々に打ち砕き丸裸以上の屈辱を味あわせるべく、男物の粗末な服を与えた。
俺の恨みはまだ収まるところを知らない。食事と称して穀物に水を足して炊いただけのもの、更には発酵した豆の出し汁を与える。
極めつけには鳥の卵を溶いて焼いただけの粗末な餌だ。
しかも俺のどす黒い心は、ただでさえコレステロール値が高いこの鳥の卵に
動脈硬化や高血圧の原因となる塩化ナトリウムという薬品、高脂血症やら心臓病やら、恐ろしい病気を引き起こすスクロースを大量に混入することを思いついた。
食わないと痛めつけられると思ったのか、金糸雀はこの毒物の塊を皿まで舐めんばかりの勢いで食べつくした。
少々気分が晴れたがまだまだ足りない。
鞄に戻ろうとした金糸雀を無理やり俺の布団に押し込み、逃げられないように腕でがっちりと押さえて眠りに就く。
明日はどんな虐待をしようか、今から楽しみだ。