「ブレーンバスターですぅ!!」 
「ローリングクレイドルなの~~!」 
雛苺と翠星石がプロレスごっこで遊んでいる、元気だな。 
「バックドロップなの~~!!」 
一際大きな雛苺の声が響く、どうやら必殺技らしい。 

ドシーーーン!! 

地響きをたてて翠星石の体がカーペットにめり込む、すると何かが僕の足元に転がってきた。 
「なんだこれ?ビー玉か?」 
ガラス球が2個、赤色と青色。 
拾い上げてみるとまるで目の玉みたいだ。 

「痛いですぅ、目の前が真っ暗ですぅ~」 

えっ!?慌てて翠星石を見ると目が無い!! 
目の位置にぽっかりと穴が空いた翠星石は手を前に出しながらフラフラと歩いている。 
「翠星石の目がなくなっちゃったの~~!怖いの~!うわ~~ん!!」 
雛苺が大声で泣き出す、このビー玉が翠星石の目なのか! 

翠星石を抱き寄せて目を嵌め込もうとすると必死にしがみついてくる。 
「チビ人間、助けてですぅ。翠星石の目はどこにいっちゃったですか?」 
大丈夫、すぐ直してやるよ 
翠星石の眼窩にガラス玉を押し込んで、パシッと頭をはたく。 
しばらくすると目の焦点が合ってきたのか、目がクリクリと動き出す。 
「お、直ったみたいだな。ちゃんと見えるかい?」 
「ありがとう、ジュン君。僕の目が外れちゃうなんて思わなかったよ」 

そうかそうか、直ったみたいだな・・・って誰だ?? 
「お、おい。自分の名前を言ってみろ、頭だいじょうぶか?」 
僕は翠星石の肩をつかみ、目を覗き込む。 
「僕は翠星石だよ。ジュン君、どうしたんだい?」 
雛苺が僕の服の袖を引っ張る。 
「ジュン~翠星石の目の色が逆なのよ~」 
あっ!!右目が赤、左目が青だったのが逆になってる。 
慌ててガラス玉を眼窩に押し込んだので間違えてしまったようだ。 
目の色の間違いのせいで外見は翠星石、性格は蒼星石になったようだ。 

これはおもしろい・・・ 
もう一度いれなおせば性格も元に戻るだろうが、面白いから放っておこう。 

「こんにちは、何を騒いでいるんだい?」 
ちょうどいいところに本物の蒼星石が遊びに来た、すかさず捕まえて頭を殴る。 

バシッ!!ころころ・・・ 

翠星石も同様に目を取り出すと手元にあるガラス玉は4個になった。 
翠星石に赤・赤、蒼星石に青・青の組み合わせで入れてみる。 

「遊びに来たのに殴るなんてひどいのだわ!」 
ああ、もういいや。これは真紅の性格だな、黙ってろ。 
「目の色を間違えて入れるなんて本当におばかさぁん」 
おお!期待通りに水銀燈の性格になってくれたぞ! 
「翠星石、お茶でも飲むかい?」 
「そんなのより乳酸菌はないのかしらぁ?」 
うんうん、これでこそ水銀燈だな。 

翠星石と蒼星石が喧嘩をはじめた、やっぱり真紅と水銀燈の性格じゃ合わないか。 
二人の戦いを特等席で見学をしていると、いつの間にか夕食の時間になっていた。 
「みんな~ご飯よ~」 
ノリがみんなを食堂に集める、台所から良い匂いもただよってくる。 

「もうこんな時間ね。そろそろ失礼するのだわ」 
蒼星石がトランクに乗って飛び去っていった。 
目の色戻すの忘れたけどいいかな。 

翌日、蒼星石が泣きながらやってきた。 
真紅の性格のまま家に帰った蒼星石はマスターのお爺さんにいきなり 
「下僕、紅茶を入れてちょうだい」 
とやって、さらに 
「ぬるいわ、淹れなおしなさい。まったく使えない下僕ね」 
とやらかしてマスターの家を追い出されてしまったそうだ。 

緑茶をいれておやつを食べさせると蒼星石も落ち着いて泣き止んだ。 
「それは大変だったね、これからどうするんだい?」 
僕の質問に蒼星石は当然のように答えた。 
「これからはこの家に住んであげるのだわ、感謝するのだわ」 

もちろん家から叩き出してやりましたとも 
真紅は家に一人いれば充分ですよ。 

困ったのは水銀燈の性格になった翠星石と真紅が喧嘩することかな 
戦闘力は真紅のほうが強いけれど、真紅は相手が翠星石ということもあって遠慮がち 
だいたいは引き分けにおわる。 

「真紅!覚えてなさぁい、次は許さないわぁ」 
「翠星石、水銀燈ごっこもいいかげんにするのだわ」 
翠星石は窓際に立ち飛び去ろうとする。 
「お、おい!ここは二階だぞ!」 

ヒューーーーー!ドスン!! 

自分に羽があるつもりで二階から飛ぶ翠星石は地面に叩きつけられ全身打撲 
困ったものですよ。 

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