「ゼンマイ」
「ジュン、ゼンマイをまいてちょうだい」
真紅が背中を向けながらせがむ。
「めんどくさいなぁ、翠星石か雛苺にやらせろよ」
巻き巻き・・・
「ゼンマイを巻くのもローゼンメイデンとミーディアムの大切な絆なのよ」
「時計だって自動巻上げ機能ついてるのに・・・」
巻き巻き巻き・・・
「人形と時計を一緒にしないでちょうだい」
「毎日毎日ゼンマイまく身にもなってみろよ、電池交換とかだったら楽なのに」
巻き巻き巻き巻き・・・
「あら?人間だって1日3回も御飯を食べているでしょ、同じことよ」
「お前ら人形は毎日御飯食べてるくせにゼンマイもまいてるだろ!」
巻き巻き巻き巻き巻き・・・
「あら・・・ジュン、少しまきすぎよ、そのへんでいいのだわ」
巻き巻き巻き巻き巻き巻き・・・
「ジュン、止めなさい!もういいのだわ!」
巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き・・・
巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き・・・
巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き・・・
巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き巻き・・・
「ふ〜〜〜、これで1週間分くらいまいたかな。しばらくまかないで済むだろ、真紅」
「ナンテコトシテクレタノ!!!!!!マキスギルト スピード ガハヤクナリスギルノヨ!!!!!」
それから1週間は真紅の速さが3倍になってしまい、ビデオの早回しのような真紅にかつての威厳はなかった。
翠星石、雛苺に散々笑われた真紅はしばらく落ち込んでしまった。
完