今日も一日楽しかったです 
蒼星石と一緒に遊んだですし、チビ苺や金糸雀を苛めて気分壮快でした 
真紅とはくんくんの推理合戦で盛り上がったです。 
結局は真紅に言い負かされちゃいましたけど・・・ 
けど、あの事件の犯人は絶対あの猫の小娘だと思うのです。翠星石が言うんだから絶対そうです。 
のりの作ってくれたハンバーグも美味しかったですし 
どうしようもないチビ人間も・・・・この翠星石が構ってやってるおかげで 
引篭りとしては真っ当な日々を送ってるです。 
とにかく、今日も楽しかったです。 

そんな風に、何気なく一日を振り返る緑のドレスに頭巾を被ったドールが一人 
明日はどんな楽しい事が始まるのだろうか・・ 
太陽はすっかり沈んでいて、空には数多の星とまん丸のお月様が浮んでいる 
時計の針は9時を指していて、もう寝床に着く時間である 
「おやすみなさい」 
「おやすみなのー」 
「あぁ、おやすみ」 
そう眠りの挨拶をすると、2人は鞄を閉め深い眠りに着く 
ドールにとって、睡眠の時間は過去と今を繋ぐ大切な時間なのだ 
机で勉強に勤しむジュンは、私達がせっかく声を掛けたのに 
本人ときたら教科書とばかり睨めっこして 
まぁったく、翠星石達が声を掛けてるんですから少しはこっちに振向いたらどうなんですー? 
大体チビ人間はですね〜・・・ 
何て頭の中で一人説教をごねていると 
「おい」 
「ひっ!」 
「ん・・・寝ないのか?」 
「い、いきなり振向くなですぅ!」 
突然のジュンからの声にあわてて部屋から出る 
「なんだよ・・まったく・・・」 
バタン、そのまま背中に腕を組みドアにもたれ掛かる 
何だろう、この胸のドキドキは・・ちょっとジュンに声を掛けられただけなのに 
「こんなんじゃ、眠れないです・・」 
「あら、どうしたの翠星石ちゃん」 
振り向くと寝間着を着たのりが心配そうにこちらを窺っている 
彼女はいつも私達を気遣ってくれて、引篭りの弟もいるのに大変な野郎ですぅ 
そんな人柄から、この娘には何でも相談したくなるのだが 
今回ばかりは打ち明けるわけにもいかないので、頭の中でストッパーがそれを押し止める。 
「な、なんでもないですーのりはもう寝るですか?」 
「うん、翠星石ちゃんも早く寝なきゃダメよ」 
翠星石のその言葉を聞くと、のりの曇っていた顔が途端に晴れ渡る 
この女の前じゃおちおちあくびも出来ないですねぇ 
お節介にも等しい心配性の彼女だが 
でも、そんな所がみんなから好かれていると翠星石はいつも思っている 
「それじゃあ私もそろそろ寝るね」 
そう言い残し、のりが自分の部屋に戻ろうとしていたその時 
そんなのりの背中を見詰めながら、翠星石の頭の中で1つの考えが過ぎった。 
そして、その考えが口に伝わり声に漏れてしまう 
あわてて頭の中で揉み消そうとしたがもう遅かった 
「ちょ、ちょっと待つです」 
「え、何かしら」 
案の定、のりの歩が留まりこちらを振り向いてしまった 
思わず頭の中で後悔と混乱が渦を巻く 
何で引き止めちゃったんだろう、こんな事したらどうなるか・・・ 
ええーい、落ち着くです翠星石!言っちゃった物は仕方ないです!こうなったらとことん貫いてやるです! 
「えーと、ですねーー・・・」 

「・・・・」 
翠星石が部屋を出てからもう30分くらい経つだろうか 
あれからすっかり気が滅入り、一応机に座ってはいるが勉強に気合いが入らない。 
「・・・僕が何したって言うんだよ」 
誰もいない部屋で(2体のドールはいるが)答えの帰って来ない疑問が宙を舞う 
僕が何したって言うんだよ、悪いのはあいつだろ?勝手に出てって・・・ 
なんでこんなに気にしているんだ僕は・・ 
「・・・トイレに行くだけだからな、あいつの事はついでだからな・・」 
そんな言い訳をしながら、何一人で喋ってるんだろう僕は・・・ 
席を立ちトイレへ、もとい翠星石を探しに部屋を出ようとする 
ジュンがドアの前まで歩を進め、取っ手に手を掛けようとしたその時 
ガシャ、 
「うわっ」 
ドアが開き翠星石が戻ってきた、しかし 
ジュン「なんだ、人がせっかくトイレ・・・いや、・・ん?」 
「えーと・・・」 
ドアが半開きで、翠星石は頬を赤らめ顔だけ出している 
何と言うか、全部出てこない。 
「どうしたんだよ、さっきの事気にしてるのか? 
・・・えーと、何か気に障る事したんなら謝るけど」  
「そんなんじゃないです、べ、別にあれは何でもないです・・・」 
どうやら自分のせいじゃないらしい。そうと解ると、少しおちょくって見たくなった 
・・・が 
「そうなのか、あーじゃーわかったぞ、おねsッグハッ!」 
"おねしょ"と言う前に消しゴムが飛んできた、どこに隠し持っていたのやら 
顎に当たってそのまま後ろのベッドに倒れ込む 
「だ、だぁ〜れが!ドールはチビ人間みたいに汚い老廃物なんか出さないのですー! 
乙女の前でそんな汚い事吐きやがるんじゃねーです!この老廃チビ人間!」 
頭を抑えながら、・・・倒れた拍子に打ったらしい。必死に言い返す 
「いってて・・・、消しゴム投げる乙女何て聞いた事ないぞ!じゃーなんなんだよ」 
「そ、それは・・・・」 
この反論に翠星石がわずかにたじろぐ、効いたのか? 
「わ・・・笑うなですよぉ・・・・」 

そう一言告げると、頬を赤らめたままドアを開き全貌を露わにする 
次はどう言い負かしてやろうか、そんな事を考えていたジュンだが 
翠星石の姿に途端に思考が止まってしまった 
目の前にいる翠星石は、いつもの緑のドレスに頭巾を被った服装ではなく 
長袖に長ズボンで首の付け根に留め具のボタンが二つ付いた、布は緑色の柄に水玉模様の 
言わいるパジャマ姿の翠星石がそこに立っていた。 
「ど、どうしたんだよ・・・その格好」 
あまりの予想外の展開に戸惑うジュン 
いや、別に服装が変わる事はおかしい事じゃないんだが、こいつらがいつもと違う服を着ている所何て 
金糸雀のミーディアムの家でコスプレ何て事をしたらしいけど・・・ 
この目で見たのは初めてだったので、尚更なのかもしれない 
「え、えーと・・・」 
戸惑うジュンとはまた別に、翠星石の頭の中もてんてこ舞いになっていた 
のりにお下がりのパジャマを貸して貰って、それを着たまではいい物のそこから何も考えてなかった 
困り顔でちらちら自分を覗うジュン 
それが更に彼女の顔を赤くさせる、もう少しで真っ赤なリンゴになってしまいそうだ。 
そして、そんな時間がしばらく流れた。そして、この空気を断ち切ろうとジュンが口を開ける 
「とりあえず、寝たらどうだ・・?その、ドールにとって眠りの時間は大切なんだろ? 
ほら、もう9時も過ぎてるし」 
ジュンは目線を時計に向ける。時刻はもう10時半だ 
本来9時になると寝ているドール達、翠星石にとっては結構な夜更しだろう 
「・・・いやです」 
「え?」 
「・・・せっかくパジャマを着たですのに、このまま鞄で寝る何て 
それじゃ着た意味がないです。翠星石はごめんです」 
これまた予想外の事態に困り果てるジュン 
そして翠星石は顔を赤らめ俯きながら、・・・腕を揚げ、ベッドで頭を抱えて座るジュンに指を指した 
「・・そこで、寝たいです・・・」 

・・・どうした物か、僕はただいつもの様に 
翠星石達が鞄で寝て、机で教科書の問題を解いて、その後僕も寝て、起きて・・ 
そんな普通の日常を、いや、動いて喋る人形がいる何て普通じゃないか、いや、今はそんな事じゃなくて 

どうしてこんな事になったんだ? 

どうしてこんな成り行きになったのか、そんな多くの不確定要素が頭の中を渦巻きながら 
今僕はベッドで寝ている 
そして、その傍でパジャマ姿の翠星石が一緒に寝ている、同じ布団でだぞ!? 
もちろん、こんな状態で易々と寝れるはずもなく 
2人して目がギンギンに開いている。 
お互いに背を向けて、何を喋っていいやら、この場をどうすればいいやら 
1つのベッドの下で激しい心理戦が繰り広げられている 
そしてそんな中、最初に口を開いたのは翠星石だった 
「ジュ、ジュン・・、は・・・」 
後ろから聞こえてくる声 
掠れた声で、一言一言言葉に迷いながら綴られていく 
「真紅の、事・・どう思ってるん・・・ですぅ?」 
「え?」 
これまた予想外の、これで何度目だろうか 
「僕は、別に・・真紅の事は何とも、思ってないぞ・・・」 
そう言葉を告げて、またしばらく沈黙が続いた 

そして、また翠星石の声が背中から聴こえてくる 
「嘘です。・・・いつも真紅とばっかり、・・翠星石は解ってるんですよ?」 
「別に・・そんなつもりは・・・・」 
何でそんな事を聞いてくるんだろう・・・そんな事が頭を過ぎったその時 
「・・・!?」 
背中に衝撃が走る、けどさっきの消しゴムをぶつけられた時の様な感覚とは違う 
そう、何かに抱き付かれている様な、・・・え? 
「す、翠星石・・・?」 
「え・・えぐっ・・・・」 
背中から返って来た声は、とても掠れていて、・・泣いてるのか? 
思わず振り返ろうとしたが、後ろから抱き付かれているので下手に振り向くわけにもいかず 
仕方なくそのまま彼女に声を掛ける 
「ど、どうしたんだよ・・また僕が何か・・・」 
「ジュンは翠星石と契約したんです!もう、真紅だけのジュンじゃないんです!なのに、なのに・・・」 
背中を掴む手が次第に強くなる 
「でも、ジュンは真紅の事が好きなんです!翠星石はわかってるです!でも、・・・翠星石はっ!」 
「泣くな!」 
気付くと、自分が翠星石を抱きしめていた 
何をしているのか自分でも解らない、けど 
彼女が泣いてる姿をこれ以上見たくない! 
「僕は、僕が真紅の事が好きかどうかは解らない、けど、僕にとって大切な人なのは本当だ」 
「え・・えぐ・・・」 
泣き続ける彼女を、僕は強く抱きしめ続ける 
「けど、それは翠星石、お前も一緒だ!お前も僕にとって、とても・・・大切なんだ」 
「お前が居なかったら、僕はここまで強くなれなかったと思う、いや、なれなかった」 
「だから、そんなお前が僕の前で泣かないでくれ。お前は、僕にとって大切・・・だから・・・・」 
そう一人で叫んでいると、いつの間にか胸元の彼女の泣く声はやんでいた 
泣き止んでくれた事に安心するが、それから声が返ってこない 
「翠星石・・・?」 
あまりに何も喋らないので、心配になり声を掛ける 
「ッグハ!」 
胸元に顔を覗き込もうと下を向いたその時、勢い良くヘッドバットが顔面に飛んできて、そのまま倒れ込んだ。 
「やぁーれやれ、チビ人間はとんだ語り野郎ですねぇ〜 
ちょっとの事で熱くなり過ぎなのですー」 
あまりの態度の変貌ぶりに面を食らうジュン 
「いきなり抱きつかれて、チビ人間の体臭が服に付いちゃったじゃないですかぁ 
あーぁ、こんなチビ人間の臭いが付着した服を他の人間が着たら 
その人間も引篭りに変身しちゃいますねぇー 
恐ろしい呪いの引篭り増幅マシーンになっちゃったもんですぅ〜」 
「な、なんだとー」 
「さぁーて、茶番も済んだ事ですし、翠星石はもう鞄で寝るですよー 
おやすみです〜〜」 
ジュンが反論する間もなく、瞬く間に翠星石は鞄の中に入ってしまった。 
残ったのは、やり場の無くなった想いと、顎と後頭部、顔面の打撃痕が計三ヵ所 
「・・・まるで僕がバカみたいじゃないか・・・・」 

鞄の中で、翠星石は寝ずにいた 
まだ少し目が潤むが、手で擦り取る 
だって、哀しむ事何てないのだから・・・ 
ジュンにはあぁ言った物の服に付いたジュンの臭いをかぎくと、自然と顔が和らぐ 
ジュンに想われている実感、それがとても嬉しかった。今まで悩んでた自分がバカみたい 
それから一通り妄想にふけ、翠星石は一言ぼやき、眠りついた。 
「真紅には負けないですよっ!」 

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ただパジャマ翠が見たかっただけ何ですが 
いざ出来上がってみると予想とは大きく違う出来となってしまいましたw 
本当にありがとうございました 

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