雪華綺晶は実体を持たぬ。そう言う意味では霊に近い彼女は精神攻撃を得意として来た。 
物理的な攻撃は出来ないが、相手の精神をコントロールして狂わせる事が出来る。 
この力で彼女は今まで幾多の人間を廃人へ変えて来た。 
そして今夜、彼女の標的となるのは桜田ジュンである。 
彼を標的とした理由は三つある。それは真紅と翠星石のマスターであるが故に 
まず先にマスターを潰そうと言う事。そして雪華綺晶が食べてしまうまで 
真紅&翠星石と共にいた雛苺を含め、3体のドールをフルドライブさせても 
体調一つ崩す事の無かったジュンのマスターとしての強さの秘密を探る事。 
そこからさらに上手くいけば、その力をまるごと自分の物にしてしまおうと言う思惑があった。 
「こんばんわ。」 
「わぁ! 何だいきなり!」 
幸い真紅と翠星石は一階でくんくん視聴に勤しんでいた様子であり、 
ジュンは部屋に一人。これは雪華綺晶にとって都合がよかった。 
「私は薔薇乙女第七ドール 雪華綺晶。以後お見知りおきを…。」 
「なんだ? また新しい呪い人形か? ほら、もう分かったから帰れよ。」 
ネット通販に忙しいジュンは再びパソコンに向かおうとするが、雪華綺晶は帰らない。 
「おい! いい加減帰れよ!」 
ジュンが片手で雪華綺晶を払おうとしたが…その手はすり抜けてしまった。 
「え…。」 
一瞬気のせいかと思ったが、再度触ろうとしてもやはりすり抜けてしまう。 
目の前に確かに雪華綺晶が存在していると言うのに… 
「な…幽霊…?」 
「確かにそう思われても仕方ないかもしれません。私は実体を持たないドールですから…。 
と言う事で…真紅のマスター…、私の目を見て?」 
「え…うっ!」 
雪華綺晶の目を見た瞬間ジュンの身体が一人でに動き出し、ズボンとパンツを下ろして 
己の男性器露出させてしまったではないか。 
「うわぁ! 手が勝手に!」 
「フフフ…可愛いオチンチン…。」 
雪華綺晶がジュンの男性器に軽く手を添え、撫でた。それだけでジュンの男性器は勃起して行く。 
「あら…もうこんなに大きくなって…元気良いのね…。」 
「うわぁ! やめろ!」 
「や〜めない!」 
今度は雪華綺晶の口が大きく開き、ジュンの男性器をそのまま頬張ると共に嘗め回し始めた。 
「うわぁ! やめろやめろ! やめろぉ!」 
しかしおかしい、実体の無い雪華綺晶がジュンを愛撫する事はおろか触れる事さえ出来ないと言うのに…。 
そう。確かに雪華綺晶は物理的にジュンをどうこうしているワケでは無かった。 
全てはジュンの精神にはたらきかけ、自己暗示によってジュンに快感を与えていたのである。 
「自己暗示」「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言う言葉があるが、 
まさにそれを体現する技であった。だがそれを実行するには思い込みの強さが必要となる。 
我々が簡単に真似出来ないのは頭の中に「そんなはずはない」と否定する感情があるワケであり、 
逆に少しの否定も無く完全に思い込めば…火もまた涼しい物となる。 
現にとある裏格闘技界の若きチャンピオンもまた、この自己暗示の力によって 
イメージの対戦相手を作り出し、それを相手にダメージを感じる程にまで 
リアルなイメージトレーニングを繰り返していると言う。 
雪華綺晶はジュンの精神に「男性器を嘗められている」と言う感触を与え続けた。 
そうして行った末にジュンが射精意を感じるのは当然の事だった。 
「ああ! やめ! 出る! 出るぅぅ!」 
直後、ジュンの男性器から大量に濃い精子が雪華綺晶の口の中にぶちまけられた。 
雪華綺晶はそれを飲み込むのだが、するとどうした事であろうか。 
みるみる内に力が沸きあがって来る。これこそジュンの力。 
ドール3体をフルドライブさせても平気な程の強力なドールマスターの力を 
雪華綺晶は垣間見たのである。 
「ハア…ハア…ハア…。」 
「まだまだ、これからよ。」 
射精したばかりで萎えたジュンの男性器をゆっくり持ち上げ、雪華綺晶は 
ジュンの唇に軽く口付けをした。ジュンの精子まみれにされたばかりで 
イカ臭い唇を当てられるのはジュンにとって心地悪かったが、股間の男性器は 
それだけで元気を取り戻して勃起していた。 
「ウフフ…第二ラウンド開始〜…。」 
「うわぁ! やめろ!」 
雪華綺晶が嫌がるジュンを尻目に男性器の上を跨いだ。ジュンも抵抗するが触れる事は出来ない。 
そして雪華綺晶が脚を開きながらスカートをゆっくり捲ると小さな女性器と菊門が姿を現した。 
「どっちでやりたい? 貴方に選ばせてあげる〜。」 
雪華綺晶は自分からジュンに女性器と菊門を見せ付け、さらに挑発するかのように 
指を差し込んで弄くり始めた。 
「普通にオ○ンコでやる? それともこっちでアナルセックス? どっちがいい?」 
「うわぁ! やめろ! どっちもダメだぁ!」 
首を左右に振って抵抗するジュンに雪華綺晶も困った顔をした。 
「そう…なら普通にやっちゃうから…。」 
雪華綺晶がゆっくり腰を下ろし、ジュンの男性器の先端が女性器に当てられた。 
そして徐々に開きながら、挿入されていくのである。 
「アッ! おお…きぃ…。」 
「うわ! やめ! やめ!」 
ジュンの抵抗も空しく男性器は女性器の中に全て挿入された。そして雪華綺晶が 
腰を動かし、男性器が抜ける寸前の所まで持ち上げた後に再び一気に奥まで潜り込ませる。 
この行為を繰り返し始めた。 
「うふふふ…気持ち良いでしょ?」 
「やめろやめろやめろ!」 
「そんな事言わないの。もう理性なんて飛ばしちゃって正直になりなさい。」 
雪華綺晶は優しい微笑みを与え、ジュンも次第に抵抗する力が弱くなっていく。 
ジュンも快感を感じ始めたのである。そうなれば雪華綺晶の思う壺。 
ジュンは精神を破壊され、廃人と化してしまうだろう。 
「やめ! 気持ち良い! 僕…狂っちゃうよぉぉ!」 
「狂いなさい…狂いなさい…フフフフフ…。」 
「あああああああああああ!!」 
ついにジュンは行ってしまった。ジュンの男性器から再び放たれた大量の精液は 
雪華綺晶の膣を一杯にしていた。これがまた彼女の力へ変換されるのである。 
そしてジュンは全ての力を奪われたかのように椅子によりかかったまま動かなくなった。 
「フフフ…これで真紅達はおしまい…。」 
雪華綺晶の力によってジュンは廃人となった。そうなればジュンを媒介としていた 
真紅と翠星石もお終い。逆に雪華綺晶はジュンの力でパワーアップしたのである。 
雪華綺晶にとってこれ程美味しい状況は無い。 
「それじゃあ…さようなら…真紅のマスター…。」 
雪華綺晶は再びジュンの唇に軽くキスをし、立ち去ろうとした時だった。 
「ちょっと待てよ…僕はまだまだやれるぞ…。」 
「え!?」 
さっきまで動かなかったジュンが動き出し、雪華綺晶の肩を掴んで止めていた。何故? 
雪華綺晶の力で廃人になったはずなのに…と言うか何故彼女を掴む事が出来る? 
「お前の方から誘っておいて…もうお帰りなんて事は無いよなぁ…。」 
「キャァ!」 
ジュンの目を見た瞬間雪華綺晶が悲鳴を上げた。その目は今までのジュンの目では無かった。 
まるで三度の飯よりオンナを求める猛獣の様な恐ろしい目になっていたのである。 
「そんな…一体どうして…さっきまで死んだようにぐったりしていたのに…。」 
「僕はまだまだやれるぞ! 今までのは軽いウォーミングアップだ。」 
「痛い!」 
ジュンの両手が雪華綺晶の両乳房を掴み、まるで握り潰さんばかりの力で握られた。 
「何で!? 何で私に触れられるの!?」 
「そんな事知った事じゃない! お前だって僕を触れるじゃないか!」 
実体が無いが故に相手に触れられた事の無かった雪華綺晶はいざ実際に触られたら脆かった。 
そしてジュンは雪華綺晶の乳房を揉み解し、上下左右に動かしていくのである。 
「痛い! やめ! ああ!」 
「何を泣き言を! お前の方から誘っておいて!」 
ジュンの平手打ちが雪華綺晶の両頬を叩いた。痛い。実体の無い雪華綺晶が感じた事の無かった感情。 
それにしても…このジュンの豹変っぷりは一体何だと言うのであろうか… 
ジュンは真紅に下僕とされ、翠星石からも何度も酷い目にあわされて来た。 
彼の平和なヒキコモリライフは薔薇乙女のドールズによって破壊されたと言って良い。 
そんな彼が薔薇乙女を怨みに思わないはずはない。 
「犯してやりたい」「殴ってやりたい」「本当に上なのは僕だと言う事を分からせてやりたい」 
「そして自作のメイド服を着せてローゼンメイデンならぬローゼンメイドにするんだ」 
「奴等が僕をご主人様と呼ぶ様に教育…いや調教するんだ」 
ジュンは心の中でドールズに対しその様な感情を潜ませていた。 
その憎しみの感情も、ドールズと暮らして行く内に芽生えた家族と言う感情に 
押し潰され弱まっていったのだが、雪華綺晶の力によって再び爆発した。 
そしてその感情の穂先は真紅達ではなく、雪華綺晶にぶつけられたのである。 
ジュンの唇が強引に雪華綺晶の唇に密着した。 
「んー!! んんー!!」 
苦しい。息が出来ない。これも初めて感じる感触。 
力一杯抵抗してもジュンの唇はますます密着する。そして何とか唇から離れた時、 
二人の唇からは糸状になった唾液が橋のようにかかっていた。 
「それぇ! 跪けぇ!」 
「嫌ぁ! 痛い!」 
今度はジュンは強引に雪華綺晶をうつ伏せにさせると今度は逆に尻を持ち上げ、 
露出された女性器に向けて自分の高々に勃起した男性器をドカンとぶち込んだ。 
「あああああああ!!」 
「ハッハッハッハッハッハッ!! 僕の本当の力を見たか!?」 
ジュンは笑いながら腰を激しく動かし、雪華綺晶を突きまくった。 
先程雪華綺晶がジュンに対しやった奴の比ではない。まるでマシンガン。 
その上、後背位と言う姿勢がまるでケダモノの交尾のようであり、 
ジュンに一方的にやられていると言う状況も合わせて嫌だった。 
「嫌ぁ! 痛い! やめて! 真紅のマスター!」 
「ああ!? 何だその呼び方は! ご主人様と呼べ!」 
「え!?」 
ジュンに対しご主人様など、雪華綺晶のプライドが許さない。しかし、そうしなければ 
ジュンは止めないだろう。雪華綺晶は生き延びる為に…助かる為にプライドを捨てた。 
「痛い…です…やめて…下さい…ご主人様…。こ…壊れてしまいます…。」 
「聞こえんな〜! もっと大きい声で!」 
なおもジュンは雪華綺晶を激しく突きまくる。痛い。苦しい。耐え切れない。 
ここで、ジュンの力を吸い取ってさらにパワーアップすれば良いじゃないか? 
と思う者もいるかもしれない。しかしそれが出来ない理由があった。 
それはジュンの力が雪華綺晶の許容量を遥かに超えていたからである。 
風船に空気を送り込みすぎれば破裂するように、これ以上ジュンの力を 
吸い取れば自分が破滅してしまうのである。 
「おねがいですぅぅ!! ご主人様ぁぁぁぁ!!」 
「今更言ってももう遅い! 行くぞぉぉぉ!!」 
「ああああああああああああああ!!」 
ジュンを陥れる所か逆に雪華綺晶がジュンに陥れられた。 
これをきっかけとして雪華綺晶はジュンを愛するようになった。 
ジュンを自分が愛するに値する器であると確信したのである。 
そしていずれは真紅&翠星石と決着を付ける決意を固めた。 
ただしそれはアリスゲームの為ではない。 
ジュンを手に入れる為なのであるが…それはまた別のお話である。 
                 おわり 




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