多分漫画の3巻あたりで。 
「キャアアアア!」 
けたたましい音と共に姉の叫ぶ声が聞こえた。 
「ジュンく〜んどうしましょうぅ〜;お夕飯のシチューひっくり返しちゃって・・・」 
「はあぁ!?てか何でそんな多く作ってんだよ。」 
「だって、最近は翆星石ちゃんもいるし、・・・それに真紅ちゃんに元気になってもらおうっと思って・・・」 
真紅。その言葉をきくと胸がズキリと痛んだ。 
今の真紅には腕が無い。あの水銀灯とかいう奴に取られてしまったからだ。 
もちろん真紅はいつものような傍若無人な振る舞いをしているのだが、 
時折見せる横顔がとても痛々しくて、やっぱり無理をしいるのがわかった。 
なによりそんな彼女を見ているのが・・・・とてもつらかった。 
「ねぇねぇ、どうしましょう;今から作るととってもおそくなっちゃうわあ。」 
ふとのりの気の抜けた声で我に返る。 
奥では雛苺のごはんコールが聞こえてくる。 
「ったく、しょーがないから外でなんか買ってくる。」 
その瞬間のりはパアアアッと顔を輝かせて「ジュンくぅぅぅん」とイキナリ抱きついてこようとした。 
「おーげさなんだよ馬鹿女!!」 
といいつつ突進してくるのりをよけながらジュンは外に出た。 
外は予想以上に寒かった。 
ジュンは身震いをしながら近くのスーパーで適当に惣菜を見繕い、 
真紅にはお気に入りである紅茶の葉を買った。 
「あいつ・・・喜んでくれるかな。」 
まあ素直じゃないから簡単にはいかないだろうけど。 
そんなことを考えながら帰っていると、ふと途中の公園でがさがさと物音がした。 
なんとなく気になって音のした方向へ向かうと、ふと見慣れた鞄と人形の足らしきものがみえた。 
「誰だ。」 
急に呼びかけられ振り向いた先には、 
真紅の腕をとった水銀灯と手を組んだと言われている翆星石の双子の妹蒼星石であった―。 
―――――――――――――――――――――――――
その声を聞いた途端自分の中で何かが切れる音を聞いた。 
ジュンは暗がりでよく見えない小さな体を、思いっきり地面に叩きつけた。 
こいつがよくも――!! 
ジュンは自分でもよくわからないほど切れているのを感じた。そしてそのまま目の前の体に叫んだ。 
「おいお前!!あの性悪人形の姉妹だかしらないが、お前らのせいで真紅はッ!!!!」 
「っます・・たぁ・・」 
蒼星石の消え入りそうな声でふと我に返った。 
なにをやってんだ僕は―――――――――!!! 
ジュンはあわててそのからだを抱き起こした。 
するとだんだんその体が露になっていくにつれて彼女の体の異変に気づいた。 
蒼星石はぐったりしており、着ている服は所々破られていて精液がこびりついたような跡があり、 
さらに顔には叩かれたような痕まであった。 
一体誰が・・・ 
ジュンは先ほどしてしまった行いに胸を痛めながら、そっとその体を抱き上げ、ひとまずベンチで休ませる事にした。 
蒼星石はまだ起きる気配は無い。 
手持ち無沙汰になってさらさらと指をすり抜ける亜麻色の髪をなでていると、ふとピクリと動いた。 
「・・・?ここは・・・・?」 
「気がついたか。あ・・・その、ごめん。あの時はどうかしてて・・・・」 
「・・・いや・・・謝る必要なんてない・・僕は・・・君たちにとても酷い事をしたから」 
そう言うと蒼星石は起き上がろうとしたのだが、 
力が入らないのかこてっとまたベンチにからだを預けてしまった。 
「おい無理するなよ・・・それよりそれ・・・どうしたんだ?誰にやられたんだ?」 
ジュンがそう言った途端、蒼星石は今にも泣きそうな顔をして俯いてしまった。体は微かに震えている。 
ジュンは見ていられなくて思わず蒼星石を抱きしめた。 
しばらく時間がたつと、腕の中にいた蒼星石が 
「あのっ・・・苦し・・・っっ;」 
といったので、「ごっごめん!」といって慌てて腕を放した。 
その後しばらく二人はお互い黙り込んでいたのだが、 
「ありがとう・・・。」 
とひかえめだったがこないだの冷徹な雰囲気から考えられない、はにかむ様な笑顔で言ってきた。 
同時にこんな子を殴って・・・おそらく強姦した奴がとても許せなかった。 
「なあ・・それってだれにやられたんだ・・?まさかお前の契約者とか―」 
ジュンがふと適当に言った途端、蒼星石はみるみる顔を青ざめていった。 
「お願いだ!!翠星石には言わないでほしい!!!」 
「えっほんとにそうなのか!?」 
「っ・・・マスターは悪くないんだ、ぼくがいつまでも・・駄目だから。とにかく翠星石には言わないで・・・」 
蒼星石は、ジュンを一筋の涙を流しながらまっすぐ見て、コートをぎゅっと握りしめた。 
「わかった・・・言わない。言わないよ。」 
「だけど・・せめてつらくなったら家にこいよ・・・あ、皆には会わせないようにするからさ」 
ジュンは言い聞かせるようにいうと、蒼星石は安心したのか「ありがとう」とまた言った。 
―――――――――――――――――――――――――
「こぉおらあぁちび人間!!!どこほっつき歩いてきやがったですぅ〜!!!」 
「もうねーのりがごはんつくったなのーvV」 
「ごめんね…ジュン君、雛ちゃんたちがお腹すいたって泣いちゃったから・・・;」 
「で、ジュン。貴方が買ってきたものはどこへやったのよ。」 
「あ・・・置いてきた」 
「愚かだわ。」 
「まったくですぅ。脳みそも小さいとはある意味尊敬するですぅ」 
「ジュン鳥あたまなのーちゅんちゅん」 
「ッッお前らぁぁぁー!!!!いい加減に・・」 
そこまで言いかけて、ふとさっきの事を思い出してしまい止まってしまった。 
「・・・ジュン、何かあったの?」 
真紅が心配そうな顔で訊ねてきた。 
「いや、なんでもない。それよりもう寝るから邪魔すんなよ!」 
パタン、とドアを閉めるとジュンはそのままベッドに倒れこんだ。 
―同じ人形なのにどうしてこんなにも違うのだろう。 
家にいる真紅たちと同じローゼンメイデンでありながら、蒼星石は何かが違っていた。 
やっぱりあのマスター・・とかいう奴のせいなのだろうか。 
とにかく今は無性に会いたくて仕方が無かった。 
「 明日・・・」 
もう一度あの公園に行ってみよう。蒼星石に会いに。 
ジュンは蒼星石のことを思い描きながら段々と深い眠りへと堕ちていった――。 
「―只今戻りました、マスター。」 
蒼星石は今にも倒れそうになる身体をなんとか奮い立たせながら、いつもの様に言った。 
「木は何処にあるかはわかったのか。」 
木。マスターはある人の木を探している。僕はそれを探しだし壊す―道具だ。 
「・・・・今はまだ。」 
その答えに彼は顔をしかめると、 
「まさか・・・・まだ殺したくないなどと思ってはいないだろうな。 
お前の主人はだれだ?――それともまた罰せられたいか。」 
「そんな・・・滅相もございません。・・僕は貴方の道具だ。マスターの為になら何だってできます。」 
そう―それが誰かの命を奪わなくてはいけなくても。 
大好きな翠星石を裏切る様な事となっても。 
「ふん・・・どうだかな。それを証明してみせてもらおうか。」 
そう言われると、蒼星石は押し黙ってしまった。 
「どうした。」 
「いえ・・・御免なさい」 
蒼星石はそういいながら、座っている一葉の前に立ち、 
ズボンのチャックをさげ、、下着の下から一葉の一物を取り出し、 
そして舌を彼の竿の裏に合わせ走らせた。 
その後はまるで大切なもののように丁寧に愛撫を続けていく。 
「んぅ・・」 
そして今度はその先端を幼さの残る唇に含みしゃぶるように激しくしていく。 
彼女が舌を動かす度、横に長い髪の毛が さらさらと伝い、伏し目がちに見つめるオッドアイが時折強い輝きを放つ 
「っは、誇り高きローゼンメイデンが堕ちたもんだな・・・もういい、蒼星石・・・っ」 
そういうと蒼星石は股間から自身の唾液で汚れている顔を離した。 
ちゅぱっという大きな音が、部屋に響く。 
一葉は蒼星石をひざの上に乗せると 
「今日はお前が自分で入れるんだ。先ほどさんざん犯されたから慣らさなくても平気だろう。」 
蒼星石は一瞬と惑ったが、おずおずとズボンを下ろすとすでに濡れている自分の秘所へと手をかけた。 
一葉の物がずぷずぷと傷ついた蒼星石のナカに入っていく。 
思わず顔をしかめると、気に入らなかったのか、 
蒼星石の細い腰を掴み、一気に進入した。 
「ひ…ッ、や…ぁあ、あ!!」 
出し入れを早められ、痛みの中にいつしか快楽が生まれてくる。 
「あぁっますたぁ・・・っ」 
びくびくと反応する自分の中心を感じ、蒼星石は無意識に腰を振り始めた。 
「淫乱な子だな…、あれだけ犯されてもまだ感じるか。」 
「ます・・・たーは、・・・ぼくできもちい・・・ですか・・・?」 
「そうだな・・・いい退屈しのぎにはなる・・・・ッ」 
――退屈しのぎ。 
その言葉が心に突き刺さった。思わず涙がでそうになる。 
今日の自分は変だ。こんなにも弱かっただろうか。マスターにお仕置きされてしまったからだろうか。いやそれとも―― 
目を閉じて浮かんでくるのは大好きな姉―とそのマスター。 
翠星石ッ・・・・・・・・・・・・!! 
心にそう叫べば、目の奥が熱くなって涙が止まらなくなった。 




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