「ジュン…見損なったのだわ。」 真紅は涙を流しながら桜田邸を飛び出した。涙でドレスを流しながら鞄を片手に走って行く真紅の 姿を水銀燈に見られてしまうのはそれから間も無くの事だった。 「あらぁ? 真紅どうしたのぉ?」 「うう…ジュンが…ジュンが…。」 悲しみのあまり口調さえおぼつかない真紅だが、水銀燈は理解した様子だった。 「ああ分かったわぁ! あのヒッキー人間にセクハラでもされたんでしょう? いつかやると思ってたわぁ! ああ言う人間は女を子供を産む機械としか思ってないしぃ〜。」 「違う…違うのだわ…むしろその逆…。」 「え…。」 自分の予想が外れて少々驚く水銀燈だが、真紅は続けた。 「私はずっとジュンと一緒に暮らして来たわ。雨の日も…風の日もよ…。確かに最初は 役に立たない下僕だと思ってたけど…次第に本当は凄い子だって見直して…好きになって行ったのに…。 でもジュンは私じゃなくて水銀燈! 貴女が好きなのよぉぉぉぉ!!」 「ええええええええええええええええ!?」 これまた斜め上を行く展開に水銀燈も白目を剥いてしまいそうになった。 「ジュンはいつの間にか撮った貴女の写真をスキャナでパソコンに落として アイドルのグラビア写真の身体なんかと合成させたりして色んな画像を作っていたわ。 そしてそれを紙にプリントしてその写真でオナニー三昧…。」 「な…なんですとぉ…?」 衝撃の余り本来の口調さえ忘れてしまった水銀燈だが、真紅はさらに続けた。 「それだけならまだ百歩譲って許す事だって出来るわ…。」 「いや、許しちゃダメよぉ…。」 「本当に酷い事…それはネット通販で本物のダッチワイフを購入して水銀燈そっくりに 改造してやると言う事…。」 「な…なんですとぉ…?」 「そして水銀燈水銀燈って貴女の名前を何度も連呼して腰を動かすの。酷い…酷いわ…。 どうしてジュンは私を抱いてくれないの? ジュン…ジュン…。」 真紅はまたも泣き出してしまった。しかし、本当に泣きたいのは水銀燈だろう。 「もう怒ったわぁ! 私をオカズにするなんて薔薇乙女の誇りを傷付けたあのヒッキー男は 私がジャンクにしてあげるわぁ!」 「え!?」 水銀燈は立ち上がった。そして翼を広げて飛び立つ。真紅はその姿を何時までも見つめていたが 今この時だけは水銀燈がとても頼もしげに見えたに違いない。 「こらぁ! ヒッキー男! 私がジャンクにしてあげるわぁ!」 水銀燈が格好良く桜田邸のジュンの部屋の窓から現れるのであるが… 「水銀燈! 水銀燈愛してる! 水銀燈!」 「!!」 真紅の言う通り、ジュンは水銀燈そっくりに作ったダッチワイフ人形でやりまくっているでは無いか。 おまけに部屋中には水銀燈の写真を加工して作ったと思われる色んな写真が貼られている始末。 「こ…こらぁぁぁ! あんた何やってるのよぉ!」 「え!?」 やっと水銀燈の存在に気付いたジュンだが、直後水銀燈に飛びかかったでは無いか。 「本物…本物だ…本物の水銀燈だ!」 「キャァ!」 これがヒキコモリの運動能力か? 忽ち水銀燈は捕まり、抱きしめられベッドに押し倒されてしまった。 「わぁぁい本物の水銀燈だ! 良い匂い!」 「あ! こらぁ! 離しなさぁい!」 ジュンは水銀燈を強く抱きしめ、頬擦りする。水銀燈も必死で抵抗するが全くビクともしない。 おかしい、これが本当にヒキコモリの力なのか? はたまたジュンの水銀燈に対する愛が成せる業か? 「こらぁ! 何で…何であんたこんなに力あるのよぉ!」 「水銀燈! 水銀燈!」 「あ!」 やっと離れたと思ったら今度は水銀燈のスカートの中に手を入れ、パンツを下ろし始めたではないか。 「こらぁ! やめなさぁい!」 水銀燈はジュンの顔面を何度も蹴り付けた。しかしこれもビクともせず、本当に脱がされてしまった。 「嫌ぁぁぁぁ!」 「うわぁ…水銀燈の本物のおま○こだぁ…。そしてこっちはお尻の穴…。」 「あ! こらぁ!」 ジュンはノーパン状態となった水銀燈の脚をM字に開き、菊門に指を指し込み弄くり始めた。 「こらぁ! ああ! 嫌ぁん!」 「可愛い…可愛いよ水銀燈…。」 どんなに水銀燈が騒いでもジュンは構わず愛撫を続ける。それどころか愛撫されればされる程 水銀燈の力が抜けて行くではないか… 「ち…力が…何で…抵抗したいのに…身体に力が入らない…何故…。」 頭では嫌がっていても、水銀燈のカラダがジュンを求めていた。 だから体中が脱力され、脚も大きくM字に広がったままになり、女性器も挿入しやすいようにと 愛液が滝のように流れ出ていた。そして何よりも身体全体が燃える様に熱い。 「何で…何で…嫌なのに…こんなヒキコモリにやられるのなんて嫌なのに…。」 「やっと大人しくなったね。大人しい君も可愛いよ。」 ジュンは水銀燈の唇に優しくキスをした。 「ん…んんん…ん…。」 天使のように繊細に…悪魔のように大胆にジュンと水銀燈の唇は10秒間密着し続けた。 「ぷわっ…。」 二人の唇が離れた時、二人の口からは長い糸が引いていた。 「も…もういいわぁ…好きにしてぇ…。」 カラダに続いて頭もジュンを求める事を決めたのか…はたまた諦めなのか… 水銀燈はジュンを受け入れる事を決めた。 「それじゃあ入れるよ…。」 「ん…。」 ジュンから顔を背けながらも、水銀燈がゆっくり頷いた事を確認したジュンは 水銀燈の女性器に己の男性器を押し付け、ゆっくりと挿入していった。 「うっ!」 生まれて数百年の時を生きて来た水銀燈だが、ついに経験する初めてのSEXの味は痛いの一言に尽きる。 ジュンの男性器がまるで水銀燈の淫唇を引き裂かんばかりに勃起し、彼女の処女膜を簡単に突き破った。 「う!」 されど水銀燈は歯を食いしばって耐えた。何故? 嫌だったというのに…泣き叫んで助けを呼べば良いのに… まるでジュンとのSEXを邪魔したくないかのように必死に痛みに耐えていた。 「水銀燈大丈夫かい? 痛く無いかい?」 「痛く無いわけ無いじゃなぁい…でも…我慢するわぁ…。」 水銀燈はジュンの手をキュッと掴んだ。まるで貴方と一緒ならどんな苦痛にも耐えられると言う 意思表示をしているかのように。何故? 分からない。でも不思議とジュンに抱かれてると心が安心する。 「あ…そっかぁ…この子は…。」 やっと気付いた。そう言えばこの時代に目を覚ましたローゼンメイデンのドールズは常に 桜田ジュンと言う一人の少年を中心に回っていた。それは水銀燈も例外ではない。 何故そうなるのかは分からないが…ドールズを引き付ける何かをジュンが持っていた事は間違いない。 「あ…あん…。」 そう思うと自然と水銀燈の身体は振るえ、優しい声を上げていた。 「さて、もうジュンが水銀燈に懲らしめられて反省した頃かしら…。」 真紅が桜田邸に帰って来た。水銀燈によってジュンが過ちに気付き、反省していると 信じる真紅は意気揚々と階段を登っていた。今なら真紅の魅力をジュンに再評価させてもらえる。 またいっしょに暮らしていける。真紅はそう考えながらドアを開いた。が… 「あ! ジュン! 凄いわぁ! ああん!」 「水銀燈! 水銀燈!」 「何…これ…。」 ドアを開いた瞬間真紅が見たのは阿鼻叫喚の地獄絵図だった(真紅にとって)。 ジュンにお仕置きをしなければならない水銀燈がジュンに抱かれ、交わっている。 真紅にはとても信じられない事だった。 「うっ! 出る! 出るよ水銀燈!」 「いいわぁ! 出しなさぁい! 私の中にジュンの精子たっぷり注ぎ込んで頂戴!」 「…。」 気まずい顔で真紅はゆっくりドアを閉じ、階段を下りていった。 そうして真紅が桜田邸を出ると同時に絶頂に達した二人の叫び声が聞こえた。 「あああああああああああああ!!」 「そう…。私はいらないドールなのね…そう…。二人とも…お幸せにね…。」 この日を境にジュンと水銀燈は相思相愛となった。しかし真紅の行方を知る物はいない… おわり 真紅好きな人ごめんなさい。今回はあくまでジュン×銀って事で割り切って書かせて頂きましたorz