あらすじ 真紅と一緒に「大人のくんくん」ちゅうモンを見取ったJYMが 百体の薔薇水晶に襲われた! 倒したのも束の間、薔薇水晶は合体、巨大薔薇水晶に……! 叫びとともにポーズを決めると、映像効果のつもりなのか周囲に紫の薔薇と背後に幾本もの水晶柱 が出現する。 これで長々とした口上があれば変身合体ヒーローそのものなのだが、余り口数が多いとはいえない 彼女にそれを期待するのは無理であった。 従って無言。 だが、物言わぬ様は返って言い様のない重圧感を発していた。 『どうでしょう、新しい私の姿は?』 「すごく……大きいです」 「大きいわね」 その巨大さ――二階の屋根を越えるほどである――に、真紅までも圧倒される。 「でも、如何なのかしら? これじゃ貴女はドールとは呼べないと思うのだけれど……」 「ちょ…おい、真紅!?」 「ドールは儚くて美しい夢のような存在……今の貴女は怪獣か大仏のようだわ」 しかし、圧倒されつつも、何故か火に油を注ぐが如き発言。 もしかすると、くんくん観賞の邪魔をされた以外に、トロイメントでの一件もまだ根に持っている のかもしれなかった。散々嫌がらせをされたことへの返礼になるのだろうか。 如何いう意図があるにせよ、今の言葉は巨大薔薇水晶を益々激怒させた。 『……その減らず口を利けなくしてあげる』 怒り心頭、素手で家ごと薙ぎ払う。 「うわぁああぁあぁぁああぁぁぁぁぁ――――――――ッッッ!!!!」 外壁と窓枠ごと持って行かれ、ジュンは絶叫する。 おまけに、大きな掌にガッシリ掴まれ捕らわれの身だ。 「うわぁっ!? 糞っ放せっ! うぬっ!!」 力一杯もがいてみてもビクともしない。 「ジュン!」 真紅はちゃっかり逃げていた。 「あっ!? 真紅、お前! 一人で逃げたな!?」 「何のことかしら?」 ジュンが追求するが、しれっとした顔で惚けられた。 「とぼけるな、僕を踏み台にして遠くに跳んだだろ!」 「全く、だらしのない下僕を持つと苦労するわ」 追及を強引に遮られる。真紅がジュンを握り締めている手に向かってローズテイルを放ったのだ。 深紅の花弁が舞い踊り、巨大薔薇水晶の手首まで絡みつく――が、突如、花弁の奔流は散り散りに なって、虚空に消え去ってしまった。 「まずいのだわ……」 真紅は僅かに渋面を見せ、呟いた。 それきり二度目のローズテイルを使おうとも、ステッキを構えもせず睨みつけること数秒。 (本当にまずいのだわ……後、5分でくんくんの本放送が始まってしまう) 真紅は―― 「御免なさい、くんくんが始まってしまうの」 逃げた―― 「おおおおおおおお!!!」 『あっ……!』 脱兎の如く走り去った真紅は物置部屋の姿見から一路、金糸雀のアパートへ。 残されたジュンは絶叫し、巨大薔薇水晶は ( ゚д゚)ポカーン とするだけであった。 「……………………」 『……………………』 程無く、一人と百身一体を包み込む、只管、重たい、空気――。 勝負を袖にされ、憤然とした面持ちの巨大薔薇水晶。 囚われの身でありながら見捨てられ、絶望に打ちひしがれるジュン。 『…………ッ!!』 やり場の無い怒り、巨大な拳に力が篭る。 握り締められたジュンが「ぐぅッ」と唸り声を上げた。 「……よ、止せ……止めろ……し、死ぬ……死ぬ!」 腕や肋骨が軋み、息が詰まる感触に背筋が凍りつく。 恐怖が、彼に引き攣った叫び声を上げさせた。 もっとも、それは何ら彼を苦境から救うものとはなり得ない。 『そう……死ぬのね』 巨大薔薇水晶は笑みを浮かべていたのだから。 虫を生け捕りにした子供の様な、笑み。 飛蝗の足を、蜻蛉の羽を?ぎ、蟻を踏み殺す残酷な笑みをだ。 『ミーディアムが死ねば、真紅の力も一時は衰えることでしょう』 酷薄な一言。 ジュンは総毛立ち、歯がガチガチと鳴った。 涙が頬を伝う。 仇敵の下僕が震えながら慄く様にさも満足げに微笑むと、 人形は五指に更なる力を込めた。 刹那――。 閉じられた指の隙間から光が――。 眩いばかりの閃光が――眼を灼き尽くさんばかりの輝きが、爆ぜた。 『――――――――!!!??』 衝撃が、握り締められた拳を抉じ開ける。 「わっ! と!」 戒めが緩んだことで、巨大薔薇水晶の掌から滑り落ちるジュン。 危うく一指にしがみ付き、難を逃れた目前に、光り輝く二つの物体が、ふわり、と舞い降りる。 「ホーリエ! ベリーベル!」 その光が人工精霊だと気付き、ジュンは歓声を上げる。 真紅と、今は亡き雛苺の人工精霊は密かに薔薇水晶の掌中に紛れ込み、危難から救ったのだ。 精霊達の姿があるということは即ち。 「真紅ッ!」 『真紅……!』 一人と一体は精霊の主である第五ドールの姿を求めて辺りを見回す。 一人は若干の安堵と、拭い去れない危機感を抱いて。 一体は見敵必殺の意思を込めて。 探すこと数秒。 十数秒。 数十秒。 数分。 『…………』 「…………」 厭な予感がしてきた。 ホーリエが、法則性のある点滅をしている。 「うわああぁぁああぁあぁぁ!!!」 ジュンは巨大薔薇水晶の手首まで登攀し、そのまま腕の上を走り出した。 顔は泣き濡れながら笑って、瞳は狂気でランランとしている。 彼を狂わせたのは、ホーリエから受け取った信号だった。 -------------------------------------------------------------- 信号:--・-・ ・-・-・ ・・・- ・- ・-・ ・- 訳文:し ん く い な い 信号:--・-- ・・-・・ -・・・ -・ ・・-- - 訳文:あ と は た の む -------------------------------------------------------------- 真紅は、いなかった。 やはり金糸雀と一緒に、草笛宅でくんくんを観賞しているに違いなかった。 くんくんの方がジュンより大事だった。 精霊達は真紅の命令ではなく、あくまでジュンに同情して残っているだけだった。 嗚呼、本当に見捨てられたのだな。 悟った時、ジュンの感情は爆発し――止められない。止まらない。狂い咲き桜田ロード。 「糞! 真紅! 帰ってきたら犯してやる! くんくんの前…いや! 水銀燈の前で犯してやる!! 水銀燈に笑わせて、罵倒させながら、後背座位で挿入してやる! 中で出しまくってやる!!! ホーリエ! ベリーベル! お前らもハメてやるから覚悟しろよ!!!」 ジュンは狂っていた。自分で何を言っているかも良く分からなかった。 ただ、人工精霊の放つ光が、ちょっとだけピンクがかっていた。 -------------------------------------------------------------------------------------- 堀江:-・・・ ・-・-・- -・・・ --・- ・・ -・・・- ・-・-- ・-・ ・・-- -・-・ ・-・-・- ・・- ・・- 訳文:は、初めてなのに、うう 苺鈴:・・- ・・- ・--・- --・-- ・-- ・--・- ・-- ・--・- --・-- -・- ・--・- 訳文:(恥ずかしがりや故に混乱している様子) -------------------------------------------------------------------------------------- 『……その欲望、きっと果たされない』 呆れた、とでも言いたげな表情で巨大薔薇水晶は腕を走るジュンを、もう一方の手で捕まえようと 伸ばす。が、案外すばしこく動くもので中々捕まらない。払い落とそうと試みても、ひらひらした袖 に纏わり付いて離れなかったりした。 『むむ』 ならば地面に叩き付けようと、腕を振り下ろす。 しかし、なんのとばかりにジュンは肘から二の腕を攀じ登り、肩の上に着いていた。 『アッ!!?』 払う間も無く、ひらひらしたドレスの襟に取り付き、首の真後ろに移動してしまう。 「このデカブツめ! 機能を停止させてやる!!」 ジュンはスイッチを探した。 首の後ろの緊急停止スイッチ……ではなく(それではグレートマジンガーである)、内部機関を司る 螺子穴、ここを攻めるのだ。以前真紅の螺子穴に水銀燈の羽が詰まった時、これが如何に重要な部位 か学習済であった。 「行くぞォ!!」 ジュンは、後ろ襟に忍び込んだ。 『――――――――ッッッ!!!??』 慌てて首の後ろに手を入れる巨大薔薇水晶。 一足早く、ジュンは服の中に潜り込む。 そのまま背中を伝って、腰の辺りまで滑り落ちた。 『んッ!?』 背筋に沿って、つう、と撫でられる様な感触。 ピクン、と体が跳ねた。 ――――――――――――――――――――――――― その振動に揺られつつも、ジュンは螺子穴を探す。 見回した限りでは……ない。そこいらを撫で回してみても……勿論ない。当然呼べども返事はない。 ならばとばかりに自分が止まっている場所、ズロースの縁に手を差し入れてみれば……あった。 「あったぁ!」 莞爾と微笑み螺子穴を攻めんとするジュン。だが背後には巨大薔薇水晶の手が迫っていた。 「っと!」 ドレス越しに危険を察知したジュンは、ズロースの縁をおっかな吃驚渡った。螺子穴のことは後回 しにして、背中から一路、脇腹の辺りまで急ぐ。 動く度に手足や顔、体が、巨大な人形の柔肌をくすぐった。 『や…ひぁっ!』 巨大薔薇水晶の体が、ぎゅう、と強張る。 スリップの中を虫が這うような感触に、怖気だった。 『ぁ…や……くすぐっ…た……ぅ!』 だが、同時にくすぐったさと、 『うぁ…あはっ、んん……』 若干の心地良さを感じていた。 お腹をさわさわと撫ぜられるような感触が、特に良かった。 身を硬くしつつも、どこか弛緩するような……。 『いッ、いい加減に!』 気がしつつも、薔薇水晶はそんな気持ちを振り払うが如く、胸元から手を入れて、お腹で狼藉を働 くジュンを捕まえにかかる。 「うわあぁ――」 程無くして、ジュンの足を掴むことに成功した。 そのまま、ぐぐい、とジュンは引っ張られる。 人工精霊が外にいる以上、最早ジュンに為す術は皆無。 とても、全く以って、凄く、非常に、途轍もなく、如何しようもなかった。 ドールとはいえ、女子の下着の中にまでお邪魔した男子の行く末は容易に図れるところ。 愛し合う仲なら睦み合うところかもしれないが、今のジュンなら『ぐしゃ』か、もっと凄惨な目に 遭うと見て相違あるまい。 「ああもう! 冗談じゃ無いぞォ!」 引っ張り出された時、それが彼の人生の終焉となるだろう。 「な、ないか! なにか?まるモノ――」 必死にスリップの生地を掴もうともがくが、手は悉く空を切ってしまうばかりだ。 何か彼が掴まるものはないのだろうか? 何か彼がしがみ付くものはないのだろうか? 「あっ、あッたッ!!?」 あった。目の前に――。 『あっ!!?』 それは、なだらかな隆起の上で自己主張する突起。 形は丸みを帯び、色はほんのり綺麗な桜色。 それ、に触れられた瞬間、薔薇水晶は驚きの声を上げる。 ジュンはそれが何であるかも判らぬまま、兎に角しがみ付いていた。 『あ……れぇ。あッ!?』 柔らかく弾力に富み、縋るには些か頼りない。 「あ、硬く……」 それも束の間、急に硬さを増して抱き付くに善し。 と言っても小さな突起である為、しっかりと抱き締めねばならない。 『んッ! や…やめ! 離しなさい! あぁッ、あっっ!!』 両腕できゅうきゅう絞め上げるように抱くと、巨大薔薇水晶が騒ぎ始めた。 ジュンの手が、腕が触れる度、今まで味わったことのない、未知の刺激が薔薇水晶を襲う。 『っ!? あッ、ふぁッ……い、一体これって…あッ!!?』 ピンと張り詰めた、謎の器官。 どう考えても乳首です、ありがとうございました。 『ん…やぁ……は、離し…離せぇ! 変態ぃ!!』 その敏感な処にぶら下がるジュンを引っぺがそうと、薔薇水晶はムキになってジュンの足を引っこ 抜かんばかりに強く引いた。 「う! な、何のこれしき!」 これが逆効果。返ってジュンは強く掴まり、乳首への絞め付けも余計にキツくなる。 おまけに彼を引っ張ると、自らの果実をも引っ張られるではないか。 『んぁッ! !!!?』 脳髄から一気に電流が走り、全身にビリリとくる麻痺感。 若干の痛みこそあれど、さして不快ではない。 寧ろ心地良い。 ちょっと感じちゃっていた。 『…うっ! 離して! ……バカ! エッチ! 変態!』 巨大薔薇水晶は真赤になってグイグイとジュンの足を引っ張る。 当然のことながら、乳首もまたキュ〜っと引っ張られた。 「え!? あ……ご、ごめん!!」 この辺で、ジュンは自分がナニを掴んでいたのかに気付き、慌てて腕を解いた。 開放された反動で、乳首がピンと跳ねた。 『――――――ッッ!!?』 ――――――――――――――――――――――――― 軽い絶頂。 乳首だけでイキかけ、巨大薔薇水晶は一瞬我を忘れた。 五指が緩み、ジュンの足がするりと開放される。 ジュンは、再びお腹の辺りに戻って来た。 『あ、ダメ…戻らないで』 少しぼうっとしながら、巨大薔薇水晶が捕縛の手を伸ばす。まだ絶頂の余韻が有るのか、幸いにも手付きは覚束無い。 ジュンは辛うじて避けながら、背中側に回る。それでもすぐに手は追って来るので、一計を案じた。 逃走経路の拡大化である。 彼の足元はズロースとパニエの縁、ここから潜入してズロースの中までを確保する計画だ。 「よし!」と息巻いてジュンは身体を捻じ込む。 ややあって通り抜けると、すべすべしたお尻が彼を迎えてくれた。 「柔らかい、や……」 ドール、ましてや巨大ドールとは思えない弾力に、ジュンは感嘆を漏らす。 肌触りも、しっとりと滑らかで素晴らしいことこの上ない。 手で、頬で感じながら滑り降りると、何とも言えない心地良さ。 「はあ」とジュンは溜息をつくと、目の前の尻肉を撫で、軽く噛んだ。 そこへ、無粋にも近付く巨大な魔手。 ここで捕まるまい、とジュンは転進、お尻の割れ目に身を隠す。 『ひいぃっ!!?』 ぞわりと怖気立つ巨大薔薇水晶。 それもその筈、もしジュンがこれ以上奥に逃げたならば、行き着く先は濡れた間隙。 ジュンの予期せぬ責めに雫も滴る、聖少女領域とズロースとの僅かな空間。 『う、嘘……や、やめて……嫌、そ…そっちだけは……お願い!』 「展開的にも……ここまで来たら、イカないワケにはいかないだろう」 ジュンは、濡れそぼった隙間に頭を突っ込んだ。 ぬちゃ。 秘唇の端に触れると、髪に愛液が零れ、絡まり、後頭部をじっとり湿らせ、首筋を伝って喉仏までねっとりと垂れてくる。 温かく、熱く、糸を引き、そして人形師がどう趣向を凝らしたのか、咽るような薔薇の香気に 満ちていた。 体を捻って、閉じた秘部にめり込ませながら、先へ進む。 『やめッ! 入ってこないで!!』 くちゅくちゅと音を立てながら尚も前進するジュンを拒もうと、巨大薔薇水晶は太股を閉じた。 皮肉にも、閉じられた腿に圧されたジュンは縦方向に滑り、腰の辺りまでが割れ目に食い込んでしまう。 『嫌あッ!! あっ!? んッ!』 「うぐっ!? 苦しッ!」 全身ぬめぬめとした肉の壁に挟まれ、顔面に愛液が滴り落ちてくる。 止め処なく零れ出ては鼻や口に流れ込み、間もなくジュンは息ができなくなった。 脱出しようにも、秘唇に挟み込まれた身体は思い通り動かず、息苦しさにただのた打つしかない。 身を捩ってのた打つ度に、ジュンの全身が柔らかい粘膜を擦った。 『んあッ!』 再びキツく締まる太股。 ただ、今度はジュンの侵入を拒むのとは違っていた。 『らめぇッ! 擦っちゃ…あっ……あッ!!』 腰から腿をそわそわとくねらせ、恍惚とした表情さえ浮かべている。 嫌悪感と怖気の入り混じった悲鳴にも、甘ったるい響きが加わっている。 彼女は、感じていた。 既に、この侵入が挿入に変わることを厭わないほどに。 むしろ、そうなることに微かな期待さえ抱いてしまうほどに。 望んだ形ではないにせよ、ただ純粋に快楽を享受したいという思いに満ちていたのだ。 『ああ……』 その証拠に、いつに間にかジュンを捕縛するための手は止まり、代わりに自らの胸に宛がわれていた。 掌は乳房を摩り、指先は乳首を弄んでいる。 股間でのジュンのうねるような動きも休みなく繰り返され、巨大薔薇水晶の口からは溜息が漏れた。 (気持ち良い……) だが、まだ足りない。 まだ満足できない、飢えにも似た欲求が下半身を疼かせている。 『あぁッ。も、もっと』 もっと快楽がほしい。 今得られているのは胸に当てられた手と、陰唇で蠢くジュンによる快楽。 言わば、前戯に等しい。 必要なのは、その先の行為。 乙女の名を守りたければ、仮令欲しても忍ぶべき行い。 百体の人形は躊躇いながらも、乙女を捨てることを選んだ。 巨大薔薇水晶の手が、覚束ない動きでズロースの中に滑り込む。 恥丘の上を這い、指は秘裂へと届いた。 すぐ傍には、未だ蠢くジュンの身体。 微かに震える指が、ジュンの足を捕らえる。 続いて上肢をも指で挟み、そのまま自らの内側へと押し当てる。 「〜〜!!!??」 ジュンの驚きも束の間、彼の身体は一気に薔薇水晶の膣道へと挿入された。 『あはッ…入った……ぅあッ!!?』 入った途端に、ジュンが身を捩って暴れだす。 巨大薔薇水晶の秘部はしとどに濡れてはいたが、自身の緊張と異物の挿入感に、膣壁は収縮していた。 ジュンが身動きすることで、更に固く縮み、彼を圧し潰す。 圧迫感と狭い膣内での酸欠が、ジュンを混乱させ、より激しい動作へと駆り立てていた。 その動きは時に抉り、擦り上げ、掻き回し、そして突き上げるが如し。 『っく! んん……んッ、すご……凄い、動いて…る。んあァ!!』 今の今まで処女であったというのに、巨大薔薇水晶は膣壁への荒々しい蹂躙に早くも快楽を覚え、 「ううッ、苦しい……キツイ!!」 括約筋を引き絞り、ジュンを圧死させんばかりに締め上げていた。 挿入を終えた指はクリトリスの包皮を剥き、膨らんだ芽に愛液を塗布して捏ね回す。 痺れるような心地良さに唾液が伝う、だらしなく緩んだ口元から悲鳴はもう聞こえない。 ただ桃色吐息と矯正が漏れるのみである。 『お父様ごめんなさい……薔薇水晶は、行きずりの男を受け入れてしまいました……』 悦に入った表情で、父へ謝罪の言葉を述べても、軽々しく響く。 既に彼女は、快楽の虜だった。 (ああ……もう、息が) ジュンは窒息によって、もうじきその短い生涯を終えようとしていた。 朦朧とする意識の中、最後の足掻きとばかりに動いた拍子に、頭が膣の最深部にごつりと当たる。 (あれ……この先は何だっけ……子宮かな?) ぶつかった部位はまさしく巨大薔薇水晶の子宮口であった。 (僕も、こんなところから産まれてきたんだろうな) ジュンは自分の産まれてきた場所――記憶などないが――母の子宮が頭をよぎった。 子宮。胎児の眠る場所。子供の育てるための空間。空間――。 (空間……空間、即ち空気のある場所ッッ!!) ジュンは頭を降り始めた。 縦横無尽のヘッドバンキング。 髪が、子宮口を擦り出した。 愛液まみれの頭髪が触れる感触はまるで、濡れた毛筆で弄るかのよう。 度重なる性感帯への刺激に加えて、胎内までじんわりと滲むような快楽に耐え切れず、人形は膝を付く。 『あああぁぁぁぁ――――ッッ!!』 数瞬後に激しく仰け反ると、絶頂を迎えた。 その時である。 決して開かない筈の子宮口が広がり、絶頂の際に引き締まった膣筋によって、ジュンは子宮の内部へと押し上げられた。 僅かな、それでも辛うじて空気のある空間に辿り着いたジュンは大きく息を吸う。 これが頭を降り始めた理由。子宮は子供を育てる場所だから空気が有ると思ったのだ。 正直開くとは思っていなかったが、一か八かの賭けでやってみて運良く成功したのである。 しかし、彼が入ると同時に子宮口は閉じてしまった。 もう一度開く保障などないし、開いてもまたあの狭い肉壁に逆戻りだ。 ジュンは思考する。 (もう、ここで引き篭もっちゃおうかな?) 幸い暖かく、何故か狭い割に空気も多い。 静かで邪魔が入らない上に、居るだけでとても落ち着く。 (うん……いいや。ここは居心地が良いんだ) 暗闇と静寂に満ちた安息の地。 暫くの雑多な思考の後、ジュンは眠りに付く。 刹那、浮遊感と暖かい光が彼を包み込んだ――。 数時間後。 「さて、そろそろほとぼりが冷めた頃かしらね……ジュンは生きているかしら……あ!!?」 「ふふ、おばばに里芋の煮っ転がしお裾分けして貰ったですぅ……えぇ!!?」 「あーん、家が壊れてるぅ……なあぁ!!!?」 真紅、翠星石、のりは用事を終え、帰宅したところで絶句した。 家が半壊していることでも、巨大な薔薇水晶が居ることでもない。 いや、正確には巨大薔薇水晶が居たことが原因だった。 「これは……」 巨大薔薇水晶は、ジュンを腕に抱いていた。 一切の邪心を取り除いた、愛情に満ち溢れた顔をして。 全身に付着した愛液を丁寧に舐め取り、あやすように髪を優しく撫でている。 その姿は、産まれたばかりの子供を慈しむ母親そのものだった。 一人と二体の頬に涙が伝う。 「おめでとう……おめでとう薔薇水晶! おめでとう、ジュン!」 何だか良く解らないが感動した一同は手に手を取って、無事に出産を終えた母と、新たな生命に賛辞を贈った。 『ありがとう……真紅、翠星石、ジュンの姉』 「みんなありがとう! 生まれ変わった気分だよ!!」 ――――――――――――――――――――――――― ↑おしまい。 ギギギ済みません、オレにはこれで限界です。 でも頑張れたら近いうちに巨大薔薇水晶のオマケと新作書きます。