259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/27(土) 03:43:42 ID:h+NrV68C
「ふぅ、持ってきてあげたわよぅ」
「あ、買ってきてくれたの?」
「まさか。適当なのをとってきたのよ」
「流石ね……私はそこまでのワルにはなれないわ」
「なんなの、これ」
「フフ……いいものよ。ここの看護士どもは食べさせてくれないの」
「ふぅん、食べ物なのね」
「ジャンク・フードよ」
「なっ!?」
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>>259
「ふふ。甘ーい、辛い、こっちはしょっぱいっ
みてよ、これなんかきっと中性脂肪と化学調味料がたっぷりね。
おいしい……身体に悪そうな感じがたまらない」
「……」
「ねぇ、こっちに来て一緒に食べない?」
「いらなぁい。見るからに下品そうな食べ物ね。まあ貴女にはぴったりかもしれないけど」
「そうよ、ジャンク・フードだもの」
(ズキン……)
「ふふ、無理しないで食べてみたら? ジャンク・フードの匂いには
刺激性のある化学物質が含まれているのよ。
だから誰かが食べていると、その部屋のひとはみぃんな食べたくなるの。
ふふ……ジャンクはその場のみんなをジャンクにするのよ。
まるで伝染病みたい。素敵でしょう?」
「……」
「まあ、あなたは人形だものね。誇り高きローゼン・メイデンには、
関係ないことかしら?」
ギュンッ! 黒い羽がめぐの頬をかすめ、病室の壁に突き刺さる
「今日はやけに口数が多いんじゃなぁい?」
「ジャンクって言葉にやけに引っかかるわね。何かコンプレックスでもあるの?」
ドゥッ! 青白い火球が壁を灼き、黒い穴が穿たれる
「凄い……鉄骨まで焼き切れている」
「最近少し調子に乗ってるんじゃなぁい?
貴女を消し炭に変えるなんてわけもない事なのよぅ」
「素敵。ぞくぞくしちゃう……」
「頭、おかしいんじゃないのっ!」
廊下をパタパタと走る音
「! 看護士ども。物音を聞きつけたわね。これでまた一悶着、か……」
「……」
「! 壁が、元に……今、なにやったの?」
「何を驚いてるの。時間のネジを巻き戻しただけのこと」
「……ありがとね」
「貴女をこれ以上喜ばせたくないだけ。変な勘違いはしないことねぇ」