>>229-230の事があって以来、翠星石は何か嫌な事がある度に巴の夢の扉の中に乱入して
セクハラじみた苛めでストレスを発散するようになった。勿論巴も必死に抵抗するが
翠星石に敵うはずも無く、逆に翠星石を面白がらせる結果となった。
「今日はこの位にしといてやるですよ。」
「何で・・・何で私ばかりが・・・。」
翠星石は満足げに夢の扉の向こうへ去っていったが、例によって全裸にされた巴は
その場に蹲ったまま泣き崩れていた。
「何で・・・何で私がこんな目に・・・うう・・・。」
『そんなに悔しい?』
「え!?」
突然何処からとも無く聞こえて来た謎の声に巴は思わず顔を上げた。
『あの子が恨めしい?』
「恨めしい!度々あんな事されればそう思わない方が可笑しいじゃない!
私も桜田君が好きなのに・・・何で何で翠星石は・・・。」
『そう・・・なら・・・私が力を貸してあげる・・・。』
「え?」
巴の足元に一枚の白い薔薇の花びらがひらりと舞い降りた。
それから数日後、翠星石は苛立っていた。真紅とジュンが部屋で一緒にいたからである。
別に何でもない何時ものありふれた光景であるが、翠星石には目障りで仕方が無かった。
しかし、真紅は最初にジュンと契約したドールであるし、実力の面で見ても翠星石が
敵う相手ではない。故に彼女は距離を置いて遠くから嫉妬するしか無かった。
「翠星石もジュンに抱っこして欲しいですぅ。真紅ばっかりずるいですぅ。
でも・・・真紅には勝てないですぅ・・・悔しいですぅ・・・。こうなったら今夜もあのチビ女の
夢の中に入って滅茶苦茶にしてやるですよ!」
その日の夜、眠りに付いた翠星石は巴の夢の扉を開いた。何時ものように巴に
セクハラじみた意地悪をする為である。今や彼女にとって当たり前の行為になってしまった
事であったが、この日は今までと違っていた。
「こ・・・これは・・・何ですか!?」
扉の向こうへ入った途端に翠星石の目は丸くなった。そこは一面に木の床の広がる巨大な部屋であり、
木の香りと和の雰囲気も漂っている。学校の体育館程の広さを持つ剣道場だった。
「な・・・何なんですか・・・何時もと全然違うですよ・・・。」
予想外の展開に翠星石は慌てて恐る恐る床の上を歩いていたが、道場の真ん中に
剣道着を着た巴が正座して待ち構えているのが見えた。
「よく来たわね翠星石。待っていたわ。」
その時の巴の表情は今までと違った。恐れでも怒りでもない。実に冷静で澄んだ目をしていた。
「何格好付けてるですか!? そんな事しても怖くもなんとも無いですぅ!
今日もお前のアソコに竹刀を突っ込んでピーピー泣かせてやるですぅ!
今日の翠星石は気が立ってるですよ! 今までより酷い事しまくってやるですぅ!」
翠星石が如雨露を翳すと周囲から植物の蔓が伸び、巴に襲い掛かった。
この蔓が巴の全身に絡み付いて自由を奪い、そのまま翠星石が巴の彼方此方を責めると言うのが
それまでの基本パターンだったのだが、その時だった。巴が左手を翳すと、そこには薔薇の
指輪がはめられており、続けて巴の背後から伸びた白い薔薇の蔓が翠星石の飛ばした蔓を弾き飛ばし、
逆に翠星石の全身に絡み付き、体の自由を奪い取っていた。
「ひぃ! 痛いですぅ! 薔薇のトゲが全身に刺さって痛いですぅ!」
「どう? 翠星石。貴女に散々やられた私の気持ちが分かった?」
「一体何をしたですか!? お前なんかにこんな事出来るわけ無いですぅ!」
「フフフ・・・私には強い味方がいるの・・・。」
巴はまた左手の薬指にはめられた薔薇の指輪を見せた。そして彼女の背後に一人のドールが現れる。
それこそ薔薇乙女第七ドールの雪華綺晶だった。
「お前は七番目ですぅ!?」
「フフフフフ・・・。」
なんと言う事か、巴は雪華綺晶と契約していた。翠星石に復讐するだけの為に・・・
雪華綺晶はただただ笑みを浮かべながら翠星石を見つめていたが、
翠星石の全身に纏わり付いた白薔薇の蔓は翠星石のドレスを切り刻み引き剥がし、
忽ちの内に全裸にしてしまっていた。
「嫌ぁ! 翠星石のドレスがぁ! お父様から貰った大事なドレスがぁ! 何するですかぁ!?」
「散々私の服を台無しにしておいて今更何を言うの?」
全身の綺麗な肌と球体関節が露出した翠星石は顔を真っ赤にさせながら騒いでいたが、
巴は手に竹刀を握り、笑みを浮かべながら彼女のほうへ歩み寄ると共に
翠星石の胸に手を掛けた。
「な〜んだ。偉そうな事言っておいて貴女の胸もそう大した事無いじゃない・・・。」
「やめろですぅ! 汚ぇ手で触るなですぅ! ヒィ!」
巴は翠星石の乳首を摘んだ。そしてもがく翠星石だが、もがけばもがく程
白薔薇の蔓から生えるトゲが翠星石の素肌に突き刺さると言うジレンマを生み出していた。
「痛い痛いですぅ!」
「そんなに痛い? でもね、私はそれ以上の痛みを貴女によって与えられたの・・・。」
巴は翠星石の正面に立つと共に両手に竹刀を持って構え、白薔薇の蔓によって
大きくM字に開かれた翠星石の股間にその先端を向けていた。
「ヒッ! な・・・何するですぅ!?」
「貴女にも私と同じ痛みを味あわせようと思って・・・。」
巴の持つ竹刀の先端は赤く染まっていた。これこそ翠星石が以前巴の淫唇に突っ込み、
処女を奪った際に使われた竹刀であり、先端の皮の部分はおろか竹の部分にも
巴の処女血が染み込んで赤く染まっていた。そして巴はその先端を翠星石の
淫唇に向けていた。忽ち翠星石は青ざめ、全身を震わせた。
「や・・・やめるですぅ・・・。」
翠星石は哀願するが、巴は聞く耳を持たなかった。
「この技は中学剣道では禁止されてるんだけど・・・。突きぃ!」
「ヒィ!」
巴は全身の力を込めて竹刀を翠星石の淫唇の中に突き込んだ。
翠星石の全身に電撃が走り、激痛が襲った。
「痛ぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃですぅぅぅぅ!!」
「どう? 痛いでしょう? 私は貴女にこれ以上の苦しみを味わされたの・・・。」
深々と押し込まれた竹刀を淫唇からぶら下げながら翠星石はもがいた。
そしてますます全身に絡み付く白薔薇の蔓が突き刺さり、さらに激痛が襲うと言う
ジレンマにも・・・
「翠星石・・・貴女に良い事を教えてあげる。桜田君は人間だけど・・・貴女はお人形さんなの・・・
だからどうあがいても貴女は桜田君と結ばれる事は出来ないのよ。」
「そ・・・そんな事無いですぅ・・・ジュンは・・・翠星石のもの・・・ですよ・・・。」
なおも強情な翠星石だったが、その時雪華綺晶が彼女の前に立ち、目を見つめた。
「貴女に良い物を見せてあげる・・・。」
「え・・・。」
雪華綺晶の目を見た翠星石は忽ちの内に気を失った。
翠星石が目を覚ました時、彼女は恐ろしい光景を目の当たりにした。
それはジュンと巴が思い切りデートをしているという光景である。
「チ・・・チビ女! 何をするですかぁ!? ジュンから離れるですぅ!」
翠星石は妨害しようと巴に飛びかかるが、すり抜けてしまった。
それは一種の幻覚であり、ジュンと巴及びその他の人々も翠星石の姿は見えていないようだった。
だが、事はそれだけに終わらない。映像はさらに進み、
ジュンと巴の結婚式ややがて子供が生まれる所など、様々な物を見せ付けられた。
翠星石にとってそれは苦でしかなかった。特にお産の時など、巴の膣内から
ジュンの子供がせり出てくる瞬間をまじまじと見せられたのである。
こんな事彼女にとって苦痛以外の何であろうか?
「やめるですぅ! ジュンは翠星石のものですよ! あんなチビ女にはやれないですぅ!」
翠星石はその場に蹲って泣き崩れた。と、その時だった。
「翠星石・・・。」
突然翠星石の前にジュンが現れた。それには翠星石も驚いた。
「お前こんな所でどうしたんだ?」
「ジュンこそ何でこんな所にいるですか? ジュンは翠星石の事嫌いになったんじゃないですか?」
「何を言っているんだ? そんな事あるわけ無いだろ?」
ジュンは翠星石を抱き上げた。今までなら翠星石は故意に嫌がる素振りを見せているだろうが
その時は違い、受け入れていた。
「やっぱりジュンは翠星石の物ですよー!!」
・・・と言うのは全て雪華綺晶に見せられた幻覚だった。
そして翠星石の体は雪華綺晶が美味しくいただき、残された精神は
雪華綺晶の生み出した幻覚の世界で幻覚のジュンと共に生きて行く事だろう。
だがこれだけで終わらない。あろう事か雪華綺晶は巴にまで幻覚を見せ、
巴は幻覚を幻覚と自覚しないまま幻覚のジュンと過ごす事となり、
現実世界の彼女はオディールと同じ様な事になってしまった。
結局ジュンを巡った一連の修羅場は雪華綺晶の一人勝ちに
終わるという壮絶なオチによって物語りは締めくくられた。
超END